トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

指切り厳禁

2015-12-14 | 小人閑居して憮然
 唖然茫然愕然悄然とはまさにこの事である。「貴方が咬んだ小指が痛い」なんて放屁にも及ばない。生姜をスライスし「生姜砂糖漬け」を作る心算だったがスライスし始めて頓挫してしまった。
 スライスは大振りにした方が後の始末が容易だと安定の悪い据え方で包丁を入れたのがいけなかった。その上、危機管理能力が衰えている事も考慮しなかった。これでは危険予知も危険回避も毛頭なかったあの「何とか」とおなじである。この点だけが恥じ入る事、大なのだ。
 今回、数個目をスライス始めた直後に小指まで包丁を入れてしまったのであるが、一瞬であっても刃が入っていく感触が両手にあったけれどどうしょうもない。治療後、包帯の手をまじまじと見つめて気が付いたのは「中指の爪先端」まで削っていた。危ない危ない危機一髪どころか危機二髪、いいえ危機二指だったのである。
 とっさにキッチンペーパーで押さえたのだが出血が多く直ぐに取り換える羽目になった。切った直後は「包帯で済むか…」と思ったものの急遽受診する事にした。あいにく日曜で休日担当医は少々遠い。そこで「救命救急センターなら大丈夫か…」と向かったら「内科の担当日です。専門外の医師が担当しますがよろしいですか?」と確認された。まあ、基本的処置の範囲だろうからと承諾したのだが結果的には五針縫う事になった。
 そんなこんなで年内の作業はまた先送りになってしまったけれど、落胆しなかったのは落指しなかった事に尽きる。指をスライスしても「生姜砂糖漬け」は出来ない事を右手に言い聞かせ、我が胸の中で「決してスライスしない」と固く指切り拳万したのだった。