人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

鈴木優人 ✕ 読売日響でシューベルト「交響曲第4番」、ベリオ「レンダリング」、シャリーノ「夜の自画像」を聴く ~ 読響第603回定期演奏会

2020年11月20日 07時19分05秒 | 日記

20日(金)。わが家に来てから今日で2241日目を迎え、菅義偉首相は19日、18日に確認した新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多を記録したことに関し「最大限の警戒状況にある」と語り、食事中の会話でマスクを着用するよう呼びかけた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     マスク着用のまま飲食できたらノーベル物理学賞ものだ よく噛めよ噛んで食べよう

 

         

 

昨日、夕食に「肉野菜炒め」を作りました 昨夜はコンサートがあったので冷蔵庫の余りものを使って簡単にできるものを、ということで作りました

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで読売日響 第603回定期演奏会を聴きました   プログラムは①シャリーノ「夜の自画像」、②シューベルト「交響曲第4番”悲劇的”」、③ベリオ「レンダリング~シューベルトの未完の断片を用いて」です    指揮は読響クリエイティヴ・パートナーの鈴木優人です

この公演は元々、①メシアン「忘れられた捧げもの」、②エトヴェシュ「チェロ合奏協奏曲」、③ショスタコーヴィチ「交響曲第12番」が予定されていましたが、指揮者のアレホ・ペレスとチェロのイサン・エンダースがコロナ禍の影響で来日できなくたったため、指揮者と曲目が総入れ替えになったものです

開演時間の7時に場内を見渡して、あまりの空席の多さに愕然としました 市松模様配置をとっていないのにガラガラです 全体の3分の1も入っていないのではないでしょうか。これについては仕方ない面もあると思います 最大の問題はプログラムの全面的な変更です。演奏曲目が3曲あれば最低1曲は当初のプログラム通りの曲目を残して他の2曲を別の曲に変更するケースが多いと思います 今回のケースを考えると、メインとなるショスタコーヴィチ「交響曲第12番」を残して、他の2曲を別の曲に差し替えたとしたら、これほどの空席はなかったのではないか、と思います もう一つは、選曲の問題です。私から言わせれば、シャリーノって誰よ? ベリオの「レンダリング」なんて聞いたことないし・・・と言った感じです 私の想像では、まず代演指揮者ありき、だったのではないか、と思います 指揮者のアレホ・ペレスとチェロのイサン・エンダースが来日出来ないことが分かった時点で、代演を誰にするかを検討し、クリエイティヴ・パートナーの鈴木優人の名前が挙がった ⇒ 演奏曲目について相談した結果、シューベルトの交響曲を中心に据えて、それに関連するベリオの作品を持ってくる ⇒ 2曲だと物足りないから短いシャリーノを付け加える・・・という流れだったのではないか、と思うのですが 実際はどうだったのでしょうか

ところで、今回の曲目変更に伴って、読響は欠席の場合は払い戻し措置を図ると事前に案内しています そこから想像すると、この日に来場したのは払い戻しをしなかったコアの読響会員だけだったのではないか、ということです

さて 問題は、この日 寂しい入りの聴衆を前に読響がどのような演奏をするか、です

 

     

 

1曲目はシャリーノ「夜の自画像」です   この曲はイタリア出身のサルヴァトーレ・シャリーノ(1947~)が1982年に作曲、翌83年にスイス・ルガーノで初演された作品です

オケの編成は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置で6型(第1ヴァイオリンが6人)。コンマスは長原幸太です

鈴木優人の指揮で演奏に入りますが、冒頭から「夜」の雰囲気を醸し出した静謐な曲想で、10分弱の曲のうち95%はピアノかピアニッシモです    まるでガラス細工のような繊細な音楽で、聴いていると緊張感から非常に疲れます

2曲目はシューベルト「交響曲 第4番 ハ短調 ”悲劇的”」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が19歳のとき=1816年に作曲、シューベルトの死の21年後、1849年に公開初演されました   第1楽章「アダージョ・モルト~アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります   なお「悲劇的」というタイトルは本人が付けたものです

鈴木優人の指揮で演奏に入りますが、第1楽章と第4楽章はシューベルト版「疾走する悲しみ」とでも言うべき曲想です この曲で忘れられない名演があります。2008年5月17日にサントリーホールで演奏したユベール・スダーン指揮東京交響楽団による演奏です あの演奏はモーツアルト的な「疾走する悲しみ」に近いものがありましたが、この日の鈴木 ✕ 読響の演奏はベートーヴェン的な「疾走する悲しみ」に近いものを感じました 演奏ではフルート首席のフリスト・ドブリノヴ、オーボエ首席の金子亜未、クラリネットの藤井洋子の演奏が冴えていました 鈴木優人の指揮は、メリハリが効いて推進力に満ちていました 奇しくもこの日はシューベルトの命日(1828年11月19日)。天国で耳を傾けて、微笑んでいたかもしれません

 

     

 

プログラム後半はベリオ「レンダリング ~ シューベルトの未完の断片を用いて」です 音楽評論家・澤谷夏樹氏の「プログラム・ノート」によると、この曲はルチアーノ・ベリオ(1925-2003)がシューベルトの未完の 交響曲 ニ長調 D936A をもとに補筆した作品で、タイトルの「レンダリング」は「翻案すること」の意   シューベルトが残したのは3つの楽章の草稿で、譜面はオーケストラ譜ではなくピアノ譜とのこと ベリオは、「シューベルトの書き残した部分はそのまま生かす。オーケストレーションは19世紀のスタイルで。空白部分は20世紀後半の時代様式およびベリオ個人のスタイルに基づいて埋める」という方針で補筆・作曲に当たった その結果、シューベルトの時代の音楽様式と20世紀の音楽様式が行ったり来たりする曲想になっているーとのことです 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります

鈴木優人に指揮で第1楽章に入りますが、澤谷氏の解説通り、シューベルトらしい おおらかな音楽が奏でられたかと思うと、途中から混沌とした不協和音が登場し、そうかと思うと、再びシューベルトらしいリズムの曲想が登場するといった具合に演奏が進んでいきます    第3楽章の冒頭でコルンゴルトのような音楽が聴こえてきてビックリしました    全体的に、どこからどこまでがシューベルトで、どこからがベリオなのかが非常に曖昧です    それはあえてそうしているようにも思えます    全曲を聴き終わって、頭に浮かんだのは「換骨奪胎」という言葉でした

この日の公演は、どちらかというと玄人好みのプログラムでしたが、コアな読響会員にとっては聴きごたえがあったのではないか、と思います

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三島由紀夫原作、 鈴木英夫監督「燈台」 & 増村保造監督「音楽」を観る ~ モーツアルト「ジュピター交響曲」も流れる:新文芸坐 / toraブログ 600万ページビュー達成!

2020年11月19日 07時19分22秒 | 日記

19日(木)。わが家に来てから今日で2240日目を迎え、トランプ米大統領は17日、国土安全保障省傘下でサイバーセキュリティー専門機関(CISA)のクリス・クレプス局長を即時解任するとツイッターで表明したが、クレプス氏は大統領選を巡り「不正があった証拠は一切ない」との結論を示していた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これで大統領就任以来 何人の政権幹部を解任したのか? 早く自分を解任してみろ

 

         

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」を作りました お酒はやっぱりワインです

 

     

 

         

 

現在、池袋の新文芸坐では「生誕95年・没後50年 三島由紀夫 文学と映画」を上映中です

 

     

 

昨日、三島由紀夫原作による映画「燈台」と「音楽」の2本立てを観ました

「燈台」は鈴木英夫監督による1959年製作映画(モノクロ・64分)です

黒川昇(久保明)は復員してわが家に帰り、父・祐吉(河津清三郎)の後妻いさ子(津島恵子)に出会い、ひと目で彼女の虜になってしまう 昇は愛する人を母と呼ばねばならない運命の皮肉を憎む 2年目の春、昇は父と、妹・正子(柳川慶子)、いさ子と4人で大島に旅行した。いさ子が夜、兄妹の部屋に遊びに来て「眠れないから本を貸してほしい」というので、正子は昇の本を貸した その本には、いさ子の名を連ねた落書きが書き込まれていた その時、昇のいさ子に対する2年間の秘めた思いが明らかになった 2人だけになった部屋で、昇はいさ子にすべての思いを打ち明け、いさ子は激しく動揺した 彼女も5つしか違わない昇の母親になり切れない思いを昇に告白した 昇はすべてを父親に打ち明けようといさ子に迫ったが、彼女は現状維持の静かな生活を願った そこに父・祐吉と妹・正子がやってきた。昇は何も知らない父に、秘密が書かれた本を差し出したが、正子は素早くその本を奪い取った 祐吉は何事も知らないまま いさ子とともに部屋を出た。それから7年後、結婚した正子は夫と再び大島を訪れた。彼女の胸には、今は別の女性と結婚し2児の父親としてアメリカの地にいる昇の姿が浮かんでいた 人の心は時の流れとともに変わっても、宿の部屋から見える燈台は昔と変わらず海を照らしていた

 

     

 

昇が、秘密が書かれた本を父に差し出した時、正子は素早くその本を奪い取ったのは何故か? 実は彼女は兄の昇が好きだったからで、昇を母いさ子に奪われたくなかったからです

この映画のタイトルが何故「燈台」なのか? それは、本を奪い取った後、独りになった時の正子の独白によって語られています

「何で私ばかりが燈台のように 休むことなく周りを明るく照らしていなければならないのよ

つまり、正子に言わせれば、あの時、自分が本を奪い取らなければ、兄・昇と母・いさ子がお互いに愛し合っていることが父親に知れてしまい家庭が崩壊してしまっていた、ということなのです 船の安全な航海を守るため一瞬も休むことなく明りを灯し続ける燈台のように、人々が平穏で安定した暮らしが送れるようにするためには、誰かがしっかりと見守る役割を果たさなければならない、と主張しているかのようです

 

         

 

「音楽」は増村保造監督による1972年製作映画(103分)です

若く才能ある精神分析医・汐見(細川俊之)が開業している医院に、弓川麗子(黒沢のり子)と名乗る女性が現れる 「音楽が聴こえない」という麗子に対し汐見は治療を続けていくが、次第に彼女の過去に問題があることに気づいていく 実は、音楽が聴こえないのではなく、恋人の江上とのセックスで不感症になっていることが判明する 汐見は 思い浮かんだことを語らせる連想法の治療を取り入れることにする 麗子が描く切り紙、鋏、美しい叔母、そして兄(高橋長英)の肉体に対する思慕・・・汐見は遂に、幼い頃に兄から受けた肉体的な官能がその後の麗子の心に大きく影響を及ぼしていることを突き止める

 

     

 

1本目の「燈台」でもそうでしたが、この「音楽」でも、兄と妹の関係が出てきて、どちらかと言えば妹が兄を愛しています これがこの2作品に共通する大きな特徴です

音楽が聴こえないという麗子に、汐見がラジカセでモーツアルト「交響曲第41番ハ長調K.551」の第4楽章「アレグロ・モルト」を聴かせ、「これはジャズですか?それともクラシックですか?」と尋ねるシーンがあります 麗子が「ジャズです」と答えると、汐見は「クラシックです。あなたは今、音楽が聴こえていませんね」と言います。この映画の音楽は作曲家・林光が担当していますが、この選曲も林光によるものだろうか? それとも三島由紀夫の原作に書かれているのだろうか? どちらにしても、何故「ジュピター交響曲」の堂々たるフーガによる第4楽章を選んだのだろうか? 気になるところです

本日、toraブログのトータル閲覧数が600万ページビューを超えました(6,000,372 PV:トータル訪問者数は1,687,567  IP)。これもひとえに普段からご覧くださっている読者の皆さまのお陰と感謝申し上げます これからも1日も休むことなく根性で書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

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井上道義 ✕ N響12月公演のチケットを取る / キム・ボラ監督「はちどり」 & ウディ・アレン監督「レイニー・ディ・イン・ニューヨーク」を観る ~ 裏で#Me Too運動が絡んでいた

2020年11月18日 07時21分43秒 | 日記

18日(水)。NHK交響楽団の12月公演のチケットを取りました 12月6日(日)午後3時からNHKホールで開かれるコンサートです プログラムは①ショスタコーヴィチ「交響曲第1番」、②伊福部昭「ピアノと管弦楽のためのリトミカ・オスティナータ」、③同「日本狂詩曲」です 演奏は②のピアノ独奏=松田華音、指揮=井上道義です 井上道義のショスタコーヴィチと伊福部昭の組み合わせと聞けば、これはもうチケットを取るしかありません

ということで、わが家に来てから今日で2239日目を迎え、米大統領選で当選を確実にしている民主党のバイデン前副大統領は16日、トランプ大統領が政権移行への協力を拒む姿勢を続けていることに対し、このまま非協力的な姿勢を続ければ 新型コロナウイルス対応が円滑に進まず、「より多くの人が死ぬかもしれない」と警告した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     コロナによる死亡者増より 自分のメンツを優先するトランプは 手に負えない阿保

 

         

 

昨日、夕食に「鮭の塩焼き」「生野菜とアボカドのサラダ」「ジャガイモと玉ねぎの味噌汁」を作り、「真鯛の刺身」といっしょに食べました お酒は冷酒です

 

     

 

         

 

昨日、ギンレイホールで「はちどり」と「レイニー・ディ・イン・ニューヨーク」の2本立てを観ました

「はちどり」はキム・ボラ監督による2018年製作韓国・アメリカ合作映画(138分)です

物語の舞台は空前の経済成長を迎えた1994年の韓国。7月には北朝鮮のキム・イルソン国家主席が死んだ年 14歳の少女ウニ(パク・ジフ)は、両親は二人で餅屋を営なみ、姉と兄の5人家族でソウルの集合団地で暮らしている 学校に馴染めないウニは、別の学校に通う親友と悪さをしたり、男子生徒やウニを慕う後輩の女子とデートしたりして過ごしていた 両親は商売に忙しく、子供たちの心の動きと向き合う余裕がなく、家長意識が強い父に気に入られるべく優等生でいようとする兄は、ストレスから両親の目を盗んでウニに暴力を振るう ウニは自分に無関心な大人たちに囲まれ、孤独な思いを抱えていた ある日、ウニが通う漢文塾に、タバコを吸い 他の教師とは違う雰囲気の女性教師ヨンジ(キム・セビョク)がやってくる    自分の話に耳を傾けてくれる彼女にウニは心を開いていく しかし、10月に漢江にかかるソンス大橋が崩落し多くの死亡者が出る ヨンジはその事故に巻き込まれていた

 

     

 

この映画は、思春期の少女の揺れ動く思いや家族との関わりを繊細なタッチで描いた作品です この作品が初長編となるキム・ボラ監督(1981年生まれ)が、自身の少女時代の体験をもとに描き、韓国の映画誌「シネ21」の2019年度韓国映画ベスト10で「パラサイト」に次ぐ第2位となりました

この映画では、家の中では父親が絶対権力を持っていることや、良い高校に行ってソウル大学に合格することが長男の使命であることなど、競争原理に基づいて社会が動いている韓国の現実が描かれています 耳の下の出来た腫瘍を摘出する手術を受けて入院中のウニを見舞いに来たヨンジは、彼女に「いじめに遭ったら黙っていてはだめ。反撃しなければ」と諭します それは、世界中の学校でいじめに遭っている小中高生へのメッセージのようでした

14歳の少女ウニを演じたパク・ジフが素晴らしい。将来が楽しみです

 

         

 

「レイニー・ディ・イン・ニューヨーク」はウディ・アレン監督による2017年製作アメリカ映画(92分)です

大学生のカップル、ギャツビー(ティモシー・シャラメ)とアシュレー(エル・ファニング)は、ニューヨークでロマンティックな週末を過ごそうとしていた そのきっかけとなったのは、アシュレーが学校の課題で有名な映画監督ローランド・ポラードにマンハッタンでインタビューをするチャンスに恵まれたことだった 生粋のニューヨーカーのギャツビーは、アリゾナ生まれのアシュレーにニューヨークの街を案内するための様々なプランを頭に詰め込む 一方、ニューヨークに到着してさっそく監督に取材したアシュレーは、ポラード監督から新作の試写に誘われ、ギャツビーとの約束をキャンセルすることになる その後、彼女は脚本家のデッド・ダヴィドフ(ジュード・ロウ)や、人気俳優のフランシスコ・ヴェガ(ディエゴ・ルナ)と出会い、「最高の一日だわ」と興奮するばかり そんな中、ギャツビーは、学生映画を撮影中の旧友に偶然再会し、元恋人の妹チャン(セレーナ・ゴメス)とのキスシーンにエキストラとして参加することになり、本気でキスを交わすことになってしまう 果たして2人の行く末は・・・

 

     

 

ウディ・アレン監督らしいウィットの効いたロマンス・コメディです

アレン監督は必ずと言って良いほど作品の中でクラシック音楽を使います この映画では、映画監督ローランド・ポラードが製作した映画の試写のシーンで、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18」の一部が使われていました

ところで、ブログを書くにあたっては、取り上げる作品についていろいろと調べるわけですが、Wikipediaで本作を検索してみたら、「論争と米国公開中止」という見出しが目に飛び込んできました 超訳すると、

「2017年、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが数々のハリウッド女優にセクシャルハラスメント行為や性的暴行を加えていたことが数人の女優から告発されたことにより、#MeToo運動などの女性の権利向上の運動がインターネットなどのメディア上で巻き起こり、ハリウッドの男性たちの女性に対するセクハラ行為や性的暴行が次々と告発された 本作監督のウッディ・アレンは、1992年に 当時交際していた女優のミア・ファロ―の養女に性的虐待を行った容疑でファローから訴えられ、警察の捜査の結果、証拠不十分で不起訴となっていたが、この件が再び問題となった 本作に出演したグリフィン・ニューマンはツイッターを通じ、本作に出演したことを後悔し、今後アレンと仕事をしないと声明を発表した 2018年1月にはレベッカ・ホールが、本作への出演の後悔と今後アレンとの仕事を拒否する声明を発表した 同月、ティモシー・シャラメはインスタグラムで、アレンへの批判は避けたものの、本作への出演で報酬を得ることを望まない意向を発表し、ギャラ全額を Time's  Up 基金 などに寄付した    その後、セレーナ・ゴメスは、本作での出演料を100万ドルほど上回る額をTime’s Up 基金 に寄付した     同年3月にはエル・ファニングも本作への出演を後悔する声明を発表し、出演料を Time's  Up 基金 に寄付したことを明らかにした   製作のアマゾン・スタジオは批判を受けて本作のアメリカでの上映を無期限延期を決定し、アレンとの4本の映画製作の契約をキャンセルした。アレンはこれを不服として、2018年2月に同スタジオを契約不履行で訴え、6800万ドルで和解した。その後、アレンの会社グラビエ・プロダクションは2019年秋に本作の国際配給権を獲得し、各国で公開された

この映画の製作には上記のような裏話があったとは、映画を観終わった後に調べるまでは知りませんでした セクハラやパワハラは誰もがやってはいけないことですが、世界的に名前の知れた有名人は、いくら「過去の問題だ」と主張しても、遡って非難されるのですね つくづく 有名人でなくて良かったと思います

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都響スペシャル2020の12月度公演のチケットを取る / エミリオ・エステべㇲ監督「パブリック 図書館の奇跡」 & ジム・カミングス監督「サンダーロード」を観る ~ 早稲田松竹

2020年11月17日 07時19分29秒 | 日記

17日(火)。東京都交響楽団から「2020年12月演奏会のお知らせ」が届きました ①12月5日(土)、②同10日(木)、③同17日(木)の3公演あります ①は大野和士の指揮でドヴォルザーク「交響曲第8番」他、②はロッセン・ゲルゴフの指揮でサン=サーンス「交響曲第3番」他、③は小泉和裕の指揮でベートーヴェン「交響曲第5番」他です 私はこのうち、②10日の公演を聴くことにしました プログラムは①メンデルスゾーン:序曲「ルイ・ブラス」、②ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調」、③サン=サーンス「交響曲第3番 ハ短調 ”オルガン付き”」です。演奏は②のヴァイオリン独奏=南紫音、③のオルガン=大木麻里、指揮=ロッセン・ゲルゴフです    都響は「フェスタサマーミューザ」に参加しなかったので、私が都響を聴くのは1月16日の定期演奏会以来11か月ぶりになります

ということで、わが家に来てから今日で2238日目を迎え、新型コロナウイルスの感染者と接触したとして、英国のジョンソン首相が15日、自己隔離を始めたことを明らかにしたが、3月末には一時 集中治療室に入るほど重症化していた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     米国に 早く敗北宣言して 次期政権に引継ぎしてから 自己隔離してほしい奴がいる

 

         

 

昨日、夕食に「ポーク・クリームシチュー」と「生野菜サラダ」を作りました 寒い夜はシチューとかカレーとか温かい料理が食べたくなります

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「パブリック 図書館の奇跡」と「サンダーロード」の2本立てを観ました

「パブリック 図書館の奇跡」はエミリオ・エステべㇲ監督による2018年製作アメリカ映画(119分)です

オハイオ州シンシナティの公共図書館のワンフロアが約70人のホームレスたちによって占拠された   記録的な大寒波の影響で、市の緊急シェルターがいっぱいになり彼らの行き場がなくなってしまったからだった 彼らの苦境を察した図書館員スチュアート(エミリオ・エステべㇲ)は図書館の出入口を閉鎖するなどし、立てこもったホームレスたちと行動を共にする スチュアートたちにとってその行動は、避難場所を求める平和的なデモのつもりに過ぎなかった しかし、選挙を前に候補者としてのイメージアップを狙う検察官やメディアのセンセーショナルな報道により、スチュアートは心に問題を抱えた危険な容疑者に仕立て上げられてしまう

 

     

 

この映画は、ある公共図書館の元副理事がロサンゼルス・タイムズに寄稿したエッセイにインスピレーションを得て、エミリオ・エステべㇲが完成まで11年を費やして製作・監督・主演を務めたヒューマンドラマです

冒頭、ある図書館員がホームレスの匂いがキツイとして館外への退去を求めたことに対し、そのホームレスから”差別”だとして訴えられた事件が紹介されます その図書館員の言い分は「多くの入館者から『あの人は匂いがひどい』と苦情を言われたので、館外に出るように伝えた。図書館員としては当然の行為だ」というものです。それに対し、ホームレス側の弁護士は「公共図書館は誰も差別することなく入館を許すーという方針に反するものだ」と主張します。このケースでは、個人の権利意識が高いアメリカらしく、図書館側が示談金を支払うことで決着します この映画の原題は「PUBLIC(公共)」ですが、図書館がPUBLIC(公共)であるからこそ起こる問題です どこまで個人が尊重されるのか、どこから公共が優先されるのか、という大きな問題を孕んでいます この問題は、何もアメリカに限ったことではないのではないか、日本の図書館だって同じような問題が起こる可能性は決して低くはないと思います

ところで、図書館員スチュアートが何故ホームレスたちと共に館内に籠城したかと言えば、彼自身が現在の職業に就く前は彼らと同じ立場だったからです 寒波の夜に家もなく外で過ごすしかない者にとっては死ねというのと等しいことを身をもって知っているからです

図書館には様々な質問が寄せられます。最高傑作は次の会話です。

来館者:地球儀はありますか?

図書館員:ございます(と言って、近くの地球儀を指さす)

来館者:そんな小さいのじゃなくて、実物大のありますか?

図書館員:あいにく貸し出し中です(と言って、にっこり笑う)

最後にスチュアートとホームレスたちが籠城を解いて館外に出てくるときの彼らの姿はサプライズです 武器も何も隠している物は何もないことをひと目て分かるように投降します 検察官や刑事や機動隊員たちは、目のやり場に困ったでしょう

 

         

 

「サンダーロード」はジム・カミングス監督による2018年アメリカ映画(92分)です

テキサス州の警官ジム・アルノー(ジム・カミングス)は私生活では妻と別居し、仕事でもトラブルが続く 最愛の母親が亡くなったジムは、葬儀で母が好きだったブルース・スプリングスティーンの「涙のサンダーロード」に合わせて踊ろうとするが、ラジカセの故障により音楽が流れず、涙ながらに無音の中でダンスを踊る それはバレエ教室を主宰していた母への息子からの思いを込めた踊りだったが、後日、小学4年生の一人娘の親権を巡る調停で、母の葬儀で踊る映像が奇行の証拠として提出されてしまう 腹を立てたジムは相棒の黒人警官ネイトに八つ当たりし、警官を解雇されてしまう

 

     

 

この映画は、ジム・カミングスが監督・脚本・編集・音楽を担当して主演も務め、2016年のサンダンス映画祭でグランプリを受賞した短編を、自身のメガホンで長編映画化した作品です

これほど男の しかも警官の主人公が泣く映画も珍しいでしょう まず、冒頭の10分以上にわたるワンショットでは、愛する母親を亡くした警官ジムが葬儀の席で弔辞を述べるのですが、自分は母親に対して良い子供ではなかったと悔恨の情を訴え始め、本当に言いたいことが言えなくなり、泣き出してしまいます その後も母親に捧げるつもりだったブルース・スプリングスティーンの「涙のサンダーロード」はカセットプレーヤーの故障で音が流れず、無音でバレエを踊るという醜態をさらけ出す結果になってしまいます

ジムはこの冒頭シーンをはじめ、様々な場面で急に情緒不安定になり泣き出します 観ているわれわれは笑っていいのか、同情して頷けばいいのか、慰めてあげればいいのか、複雑な心境に陥ります そういう風に思わせるところが監督であり主演でもあるジム・カミングスの不思議な魅力になっています

ところで、この映画のタイトルにもなった「サンダーロード」の元歌「涙のサンダーロード」を歌ったブルース・スプリングスティーンとは、どんな歌手だったのでしょうか 11月3日にギンレイホールで観たグリンダ・チャーダ監督の「カセットテープ・ダイヤリーズ」(4日付toraブログ参照)もブルース・スプリングスティーンに影響を受けた高校生が出てきました 私は1曲も知りませんが、よほど ある時期の若者たちに影響を与えた歌手なのでしょうね

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広上淳一 ✕ 小菅優 ✕ 東京交響楽団でベートーヴェン「交響曲第4番」、「序曲『命名祝日』」、矢代秋雄「ピアノ協奏曲」を聴く~東響第686回定期 / 東京フィル「2021シーズン定期」に申し込む

2020年11月16日 07時18分42秒 | 日記

16日(月)。わが家に来てから今日で2237日目を迎え、米大統領選でバイデン前副大統領の当選が確実になってから1週間がたった14日、「選挙の不正」を主張して敗北を認めていないトランプ大統領を支持する集会が首都ワシントンで開かれ、全米各地から集まった1万人以上のトランプ支持者らが中心部を行進したが、ほとんどの人がマスクを着けていなかった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     敗北者トランプが支持者を煽っている  これでコロナ感染者がまた増える  愚か者め

 

         

 

昨夕、東京フィル2021シーズン定期演奏会・サントリー定期シリーズ(全8回)のWEB優先販売に申し込みました 2021シーズンの強力なラインアップを見たら「今回こそ定期会員にならなければ」と思いました。一番の魅力はチョン・ミョンフンがマーラー「第2交響曲」とブラームス「交響曲第1番~第4番」を指揮することです

東京フィルの定期演奏会は①オーチャードホール、②サントリーホール、③東京オペラシティコンサートホールの3つのシリーズがありますが、プログラムは同一で 日程が異なるだけです 私はオーチャードホールは苦手で、サントリーホールが一番好きなので 迷うことなくサントリー定期シリーズを選びました

すでに現在の定期会員が優先販売で良い席を押さえているので、あまり良い席は残っていませんでした 結局、2階LDブロック2列目の席(A席)を辛うじて取りました。東京フィルについては 現在、文京シビックホール主催の「響きの森 クラシックシリーズ」で年4回公演を聴いていますが、年間定期会員になるのは、チョン・ミョンフンが東フィルのスペシャル・アーティスティック・アドヴァイザーを務めていた時(2001~2010)以来なので ほぼ10年ぶりです

海外在住指揮者には、何があっても来日して指揮をしてもらわなくてはなりません

サントリー定期シリーズの日程とラインアップは次の通りです

1⃣  1月22日(金)指揮=アンドレア・バッティスト―二

 ①ラヴェル「ダフニスとクロエ」第1組曲・第2組曲、②ストラヴィンスキー「火の鳥」

2⃣  2月24日(水)指揮=チョン・ミョンフン

 〇マーラー「交響曲第2番ハ短調”復活”」

3⃣  3月12日(金)指揮=ミハイル・プレトニョフ

 〇スメタナ「わが祖国」全曲

4⃣  5月13日(木)指揮=アンドレア・バッティスト―二

 ①ピアソラ「シンフォニア・ブエノスアイレス」、②プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」

5⃣  6月18日(金)指揮=尾高忠明

 ①ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」(P.上原彩子)、②同「交響曲第2番」

6⃣  7月2日(金)指揮=チョン・ミョンフン

 ①ブラームス「交響曲第1番」、②同「交響曲第2番」

7⃣  9月17日(日)指揮=チョン・ミョンフン

 ①ブラームス「交響曲第3番」、②同「交響曲第4番」

8⃣  11月1日(月)指揮=アンドレア・バッティスト―二

 ①バッティスト―二「フルート協奏曲」、②チャイコフスキー「交響曲第5番」

 

         

 

昨日、サントリーホールで東京交響楽団の第686回定期演奏会を聴きました プログラムは①ベートーヴェン:序曲「命名祝日」作品115、②矢代秋雄「ピアノ協奏曲」、③ベートーヴェン「交響曲 第4番 変ロ長調 作品60」です 演奏は②のピアノ独奏=小菅優、指揮=広上淳一です

この日のコンサートは元々ジョナサン・ノットの指揮でブルックナー「交響曲第6番」と矢代秋雄の「ピアノ協奏曲」が演奏される予定でしたが、コロナ禍の影響でノットが来日出来なくなったため、指揮者が広上氏に代わり、ブルックナーがベートーヴェン2曲に変わったものです

 

     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置。コンマスは水谷晃です コントラバスに都響首席の池松宏らしき背の高い男性を発見。客演だろうか

1曲目はベートーヴェン:序曲「命名祝日」作品115です 萩谷由喜子さんのプログラム・ノートによると、この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1809年に着想し、途中に中断があって1815年に完成した作品で、オーストリア皇帝フランツ2世の命名祝日(1814年10月14日)での演奏を予定して作曲したためこの名があります 実際には完成がその日に間に合わず、1815年12月25日の聖マルクス市民病院基金募集のための仮装舞踏会で初演されました この曲は「コリオラン」序曲と同様、本編がなく、序曲のみの独立した作品です

この曲は初めて聴きましたが、堂々たる曲想で、ベートーヴェンらしい力強く推進力に満ちた音楽でした 他の序曲のようにもっと頻繁に演奏されても良いのではないかと思います

2曲目は矢代秋雄「ピアノ協奏曲」です この曲は矢代秋雄(1929-1976)が1964年頃から1967年5月にかけて作曲、1967年11月29日に森正の指揮、中村紘子のピアノ独奏により初演されました 矢代は22歳でパリ音楽院に入学し、メシアンの授業も受講したとのことです この曲は第1楽章「アレグロ・アニマート」、第2楽章「アダージョ・ミステリオーソ」、第3楽章「アレグロ~アンダンテ~ヴィヴァーチェ・モルト・カプリッチョーソ」の3楽章から成ります

ソリストの小菅優は2005年カーネギーホールで、翌2006年にはザルツブルク音楽祭でそれぞれリサイタル・デビューを果たし、その後、ソロ活動、国内外のオケとの協演など幅広く活躍しています

冒頭、独奏ピアノが主題を奏で、オケが加わって展開していきますが、「静」から「動」へ移る際の小菅の切り替えは鮮やかです オーボエ首席・荒木奏美の演奏が素晴らしい 第2楽章は1音(ド)の連打によるリズムが繰り返されるシンプルな曲想ですが、不思議に引き込まれる魅力を持った音楽です 第3楽章における速いパッセージでは、矢代が受講したメシアン特有のリズムや響きを聴くことが出来ました 終盤におけるティンパニとピアノとの丁々発止のやり取りでは小菅のパワー全開で、圧倒的なフィナーレを飾りました

繰り返されるカーテンコールに、小菅はショパン「ノクターン第5番  作品15-2」を穏やかに演奏、熱くなった聴衆のクールダウンを図り、パワーだけではないことを証明しました

プログラム後半はベートーヴェン「交響曲 第4番 変ロ長調 作品60」です この曲は1806年に作曲され、翌1807年3月にウィーンのロブコヴィッツ侯爵邸で初演されました 第1楽章「アダージョ~アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

第1楽章が開始されます。広上は速めのテンポで演奏を進めますが、分厚い弦楽器の演奏に木管が華を添えます オーボエの荒木、フルートの八木、ファゴットの福井の演奏が冴えています 第2楽章では弦楽器が良く歌います 第3楽章では再び木管楽器群が素晴らしい演奏を展開します 第4楽章では福井のファゴット、ヌヴ―のクラリネットが冴え、清水のティンパニが小気味の良いリズムを刻みます

実に爽快な演奏でした 広上 ✕ 東響は 「交響曲第4番」が「交響曲第5番」以降の充実した作品群に決して劣らない素晴らしい作品であることを渾身の演奏を通して証明しました

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「ベートーヴェン、交響曲前夜。」を聴く ~ 川口成彦 ✕ オルケストル・アヴァン=ギャルドによるベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」「チェロ・ソナタ第1番」「ピアノ・ソナタ第20番」他:北とぴあ

2020年11月15日 07時18分34秒 | 日記

15日(日)。昨日の朝日朝刊第1面のコラム「天声人語」で12日に死去されたノーベル物理学賞受賞者・小柴昌俊さんが取り上げられていました それによると、小柴さんは父親のような軍人か、チャイコフスキーのような音楽家にあこがれたが、小児麻痺に夢を絶たれたとのこと 一時期、中学校で教えたことがあり、その時 次のような試験問題を出したそうです

「この世に摩擦というものがなくなったらどうなるか。記せ」

用意した正解は「白紙答案」。摩擦がなければ鉛筆の先が滑って紙に字が書けないからと説明し、生徒を驚かせたといいます   2002年のノーベル賞受賞後は、子供向けの公演を数多くこなし、「教科書を疑い、究明の卵をいつも心に持って」「達成したいと思う卵をどう孵化させるか考えて」と訴えかけたそうです

小柴さんの最大の功績は「素粒子ニュートリノ」の観測ですが、高校の時、物理と化学に相当苦しめられた私にはチンプンカンプンでさっぱり理解できません それでも、ノーベル物理学賞受賞と聞いた時は、日本人として誇らしく思いました あらためて小柴さんのご冥福をお祈りいたします

ということで、わが家に来てから今日で2236日目を迎え、複数の米主要メディアは13日、米大統領選挙でバイデン前副大統領が過半数の270人を大きく上回る306人の選挙人を、トランプ大統領が232人を獲得することが確実になり最終的な勝敗が決まったと報道したが、トランプ氏は選挙に不正があったとの立場を崩しておらず、「この先、何が起きるのか、どちらの政権になるかは、時間がたてば分かると思う」と語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     時間が経たなくてもトランプの敗北は明白!  最後の悪あがきは世界中の笑いもの

 

         

 

昨日、王子の北とぴあ  つつじホールで「ベートーヴェン、交響曲前夜。」公演を聴きました プログラムはベートーヴェン①七重奏曲 変ホ長調 作品20、②歌曲「アデライーデ 作品46」、③同「優しき歌 WoO 123」、④チェロ・ソナタ 第1番 ヘ長調 作品5-1、⑤ピアノ・ソナタ 第20番 ト長調 作品49-2 です

演奏は⑤のフォルテピアノ独奏=川口成彦、管弦楽=オルケストル・アヴァン=ギャルドです この楽団はベートーヴェンの交響曲全曲演奏を目指す、若い世代の実力派奏者によるオリジナル楽器オーケストラで、バッハ・コレギウム・ジャパンの合唱メンバーでお馴染みの渡辺祐介が音楽監督を務めています この日の公演は、有志によるソロや室内楽で、ベートーヴェンの交響曲の「前夜」を追体験するというコンセプトです 出演者は以下の通りです

音楽監督・バス=渡辺祐介、ヴァイオリン=原田陽、ヴィオラ=廣海史帆、チェロ=山本徹、コントラバス=布施砂丘彦、クラリネット=満江菜穂子、ファゴット=岡本正之(都響)、ホルン=藤田麻理絵(新日本フィル)。このうち、渡辺、原田、廣海、山本、満江、藤田の6人はバッハ・コレギウム・ジャパンのレギュラー又は準レギュラーとしてお馴染みの顔ぶれです

自席はF列21番、センターブロック右通路側。座席はコロナ対応の市松模様配置をとります

 

     

 

プログラムを開いて驚いたのは演奏曲目のプログラミング(順序)です 次のような曲順になっていました

①七重奏曲 変ホ長調 作品20から「第1楽章」「第2楽章」

②チェロ・ソナタ 第1番 ヘ長調 作品5-1「第1楽章」「第2楽章」

③歌曲「優しき歌/君を愛す」WoO 123

    《 休 憩 》

④七重奏曲 変ホ長調 作品20から「第3楽章」「第4楽章」「第5楽章」

⑤ピアノ・ソナタ 第20番 ト長調 作品49-2「第1楽章」「第2楽章」

⑥歌曲「アデライーデ 作品46」

⑦七重奏曲 変ホ長調 作品20から「第6楽章」

以上の異常な順番について、コントラバス奏者の布施砂丘彦氏はプログラム・ノートに「ベートーヴェンという物語をアップデートする」と題して解説を加えています 彼はモーツアルトの手紙に登場する自作自演演奏会のプログラム(下記)を紹介します

①ハフナー交響曲「第1~第3楽章」

②歌劇「イドメネオ」からアリア

③ピアノ協奏曲

④独唱のためのシェーナ

⑤協奏交響曲

⑥ピアノ協奏曲とそれによる変奏

⑦歌劇「ル―チョ・シッラ」からシェーナ

⑧フーガの即興と、パイジェッロの歌劇の旋律による即興演奏、それにグルックの歌劇の旋律による自由な変奏

⑨声楽のためのロンド

⑩ハフナー交響曲の最終楽章(第4楽章)

布施氏は、このプログラミングについて「現代の『近代』的な演奏会とはまるで異なる 現代ではメインに君臨するはずの交響曲が分割され、その間にオペラ・アリアや協奏曲などが並ぶ豪華で雑多なプログラムだ コンサートと言うよりも『Tunes』のプレイリストや、フェスのセットリストという趣ではないか」とし、「この日のプログラムを、モーツアルトの演奏会の例に則って決定した」と書いています そのコンセプトで組まれたプログラムを古楽器で演奏しようというのがこの日の演奏会の趣旨のようです

趣旨は理解するとして、これほど感想を書きにくいコンサートもありません 何しろメインになるべき曲を分割のうえ分散してしまうのですから これまで同様、作品ごとに感想を書くしかなさそうです

「七重奏曲 変ホ長調 作品20」はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1798年から1799年にかけて作曲、1799年12月20日に私的に初演された後、1800年4月2日に初めての自主企画演奏会で「交響曲第1番」とともに公開初演されました 第1楽章「アダージョ ~ アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ・カンタービレ」、第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット ~ トリオ」、第4楽章「アンダンテ・コン・ヴァリアツィオー二」、第5楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」、第6楽章「アンダンテ・コン・モート・アラ・マルチャ ~ プレスト」の6楽章からなります

編成は左から原田(Vn)、廣海(Va)、山本(Vc)、布施(Kb)、藤田(Hr)、岡本(Fg)、満江(Cl)という並びです    チェロ以外は立奏です。演奏は、第一にリード役の原田のヴァイオリンが素晴らしい  そして、対面する満江のクラリネットが良く歌います    2人ともバッハ・コレギウム・ジャパンで活躍中です    そして、大健闘だったのはナチュラルホルンを吹いた新日本フィルの藤田麻理絵です    難しい管楽器の中でも一段と難しいホルン、しかも近代ホルンと違いバルブのない単純なナチュラルホルンを あれほど安定した演奏で吹けるのは大したものだと思います チェロの山本はバッハ・コレギウム・ジャパンの演奏時よりずっとリラックスして生き生きと弾いているのが印象的でした ヴィオラの廣海も良い音を奏でていました

「チェロ・ソナタ 第1番 ヘ長調 作品5-1」は1796年に作曲され、同年ベルリンで初演されました 第1楽章「アレグロ・ソステヌート ~ アレグロ」、第2楽章「ロンド:アレグロ・ヴィヴァーチェ」の2楽章から成ります 1989年生まれで 第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位の川口成彦のフォルテピアノに乗せて、チェロの山本徹が生命力に満ちた演奏を展開します

「ピアノ・ソナタ 第20番 ト長調 作品49-2」は1796年に作曲した作品で、第2楽章「テンポ・ディ・メヌエット」のテーマは「七重奏曲  作品20」の第3楽章に引用されています 古楽器特有の柔らかい響きを聴きながら、ベートーヴェンはこういう音を聴きながら作曲したのだろうか、と思ったりしました それにしても、磨き上げられた木目調のフォルテピアノの何と美しいことか まるで芸術作品です

歌曲「優しき歌 WoO 123」は、賛美歌作家のカール・フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヘロゼーの詩をもとに、1795年に作曲した作品です 歌い出しの歌詞「君を愛す」の名前でも知られています

歌曲「アデライーデ 作品46」は、フリードリヒ・フォン・マッティソンの詩をもとに、1794年から翌95年にかけて作曲した作品です

この2曲は、川口のピアノフォルテの伴奏によりバスの渡辺祐介が歌いましたが、驚くべき声量と魅力のあるバスで会場を圧倒しました こういう実力者が集まったのがバッハ・コレギウム・ジャパンの合唱団です 世界に通用する合唱団は、こういうプロ中のプロ  一人一人に支えられているのだと あらためて思いました

この日のコンサートは、ベートーヴェンが「交響曲第1番」を作曲する前の時代の作品を演奏したわけですが、古楽器独特の柔らかい音色による演奏は、18世紀末の雰囲気を醸し出していて 十分堪能することができました

     

     

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大友直人 ✕ 木嶋真優 ✕ 新日本フィルでメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」&「夏の夜の夢」序曲、ドヴォルザーク「交響曲第9番」を聴く ~ 第35回ルビー定期演奏会

2020年11月14日 07時17分37秒 | 日記

14日(土)。わが家に来てから今日で2235日目を迎え、2019年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公職選挙法違反(買収など)罪に問われた参院議員、河井安里被告の被告人質問が13日 東京地裁で始まったが、地元議員らに配った現金の趣旨についての弁護側の質問に対し、安里議員は「今後の県政運営を頑張っていただきたいと思っての当選祝いや陣中見舞いだった。私自身は票をお金で買うという発想がない。心がけてきたのは人間関係をつくること」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     当選祝いや陣中見舞いに使った? 自民党はそんなために1億5千万円も渡したのか?

 

         

 

昨日の夕食は「みそ鍋」にしました 材料は牛バラ肉、豚バラ肉、鶏肉団子、キャベツ、エノキダケ、モヤシ、水菜です 金曜の夜は鍋が多いような気がします

 

     

 

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「第35回ルビーコンサート」を聴きました プログラムは①メンデルスゾーン「夏の夜の夢」序曲、②同「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」、③ドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より”」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=木嶋真優、指揮=大友直人(イップ・ウィンシーの代演)です

午後2時からの本番に先立って、いつものように午前11時から音楽ライター・小室敬幸氏によるレクチャーを聞きました 受付でパトロネージュ部の登原さんに手首で検温してもらいましたが、体温が低すぎて反応しなかったようです 図らずも私は基礎体温が35度台の”冷血動物”であることが判明しました そういえば、よく「冷たい奴」と言われました。本人はクールのつもりだったのですが

小室氏からは、ペラ1枚・表裏のレジュメに沿って、「保守派と革新派~ドイツロマン派の対立軸」というテーマにより、ベートーヴェン以降①標題音楽よりも絶対音楽の立場を取るメンデルスゾーン、ブラームスと②絶対音楽に見切りをつけるリスト、ワーグナーの両派の流れを中心に、この日演奏されるメンデルスゾーンとドヴォルザークの曲目について解説がありました このレクチャーは講師の話が分かり易く、音による再生を交えた講演内容も充実しているので、毎回非常に勉強になります 1時間のレクチャーで500円は決して高くありません とくに「ルビー」公演を聴く人は是非受講することをお勧めします

 

     

 

さて、本番です。オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び。コンマスは豊嶋泰嗣氏です オーボエに いつもの小畑善昭氏の姿が見えない代わりに、クラリネットに山本正治氏がスタンバイしています 山本氏は小畑氏 同様、元・東京藝大教授で、1990年から2007年まで新日本フィルの首席客員クラリネット奏者を務めていました なお、新日本フィルは現在、首席オーボエ奏者を募集中です。やっと腰を上げましたね また、コントラバス首席には若き俊英・菅沼希望が控えます 彼は大学3年次に新日本フィルのオーディションに合格し入団、大学院在学中に平成30年度文化庁新進芸術家海外研修員として渡独し、フランクフルト音楽・舞台芸術大学で学んだ経歴を持っています   名前の通り 新日本フィルの希望の星です

1曲目はメンデルスゾーン「夏の夜の夢 作品61」から「序曲」です  「夏の夜の夢」はフェリックス・メンデルスゾーン(1809ー1847)が、シェイクスピアの同名劇のために1842年(34歳の時)に作曲した作品ですが、「序曲 作品21」はその前、17歳の時に作曲されています 小室氏の事前レクチャーを聞いていたおかげで、演奏を聴きながら「夢幻」「妖精たち」「宮廷」「恋人たち」「職人たち」といった主題がよく理解できました これほどの充実した作品を17歳の時に作曲したのは驚きですが、名曲「弦楽八重奏曲」を16歳の時に作曲したことを考えると、つくづくメンデルスゾーンは天才だったと思います

2曲目はメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」です    この曲は1844年9月16日に6年越しで完成、翌45年にライプツィヒでゲヴァントハウス管弦楽団コンマスのF.ダヴィッドのヴァイオリン独奏により初演され、彼に献呈されました 第1楽章「アレグロ・モルト・アパッショナート」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグレット・ノン・トロッポ ~ アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります この曲の大きな特徴は①冒頭から独奏ヴァイオリンが登場すること、②カデンツァを再現部の前にもってきたこと、③全楽章を切れ目なく繋げたことーです

ソリストの木嶋真優は1986年、神戸生まれ。2011年ケルン国際音楽コンクールのヴァイオリン部門優勝ほか数々の国際コンクールで入賞しています 2015年秋、ケルン音楽大学大学院を満場一致の首席で修了、ドイツの国家演奏家資格を取得しています 小室氏のレクチャーによると、ドロシー・ディレイとザハール・ブロンの両教師に師事した日本人は彼女の他に神尾真由子と川久保賜紀のみとのことです どうでもいいことですが、彼女は留学時代から10年以上にわたりAKB48の指原莉乃の大ファンだそうです また、最近はテレビにも出演する機会が増えているそうですが、ヨーロッパのようにクラシック音楽を身近に感じてほしい、コンサートに足を運んでほしいという思いから出演しているそうです  その辺のチャラチャラした(才能がない)タレントとは一線を画しています

その木嶋真優が淡いオレンジと若草色のストライプの鮮やかな衣装で登場、演奏に入ります

まず驚くのはヴァイオリンが良く鳴っているということです 弱音でも芯があるので美しさとともに力強さを感じます 彼女はたぶん、美しいだけの演奏は求めていないのではないか、と思います 演奏は流麗で明快です。良く歌うヴァイオリンです 大友 ✕ 新日本フィルの確かなサポートを得て、スケールの大きな演奏を展開しました

客席側で残念だったのは、第3楽章に入るところでケータイの着信音らしき音が鳴ったことです 私のすぐ前列の男性でしたが、指揮者の大友氏の様子を伺ったら、音に気が付いたようでした どこのホールでも演奏前にケータイの電源を切るようアナウンスで徹底しています それでもなお こうした不祥事が起こるのはどうしたことでしょう    指揮者や演奏者、ひいては周囲の聴衆にとって大きな迷惑です   そこで合言葉は「入口ではチケットの半券を切らなくても 会場ではケータイの電源を切れ」です

今回のことで思い出すのは、演奏中にケータイ着信音が鳴ったために指揮者が指揮台から落ちた事件です 時は20世紀、今から21年前の1999年9月30日にトリフォニーホールで開かれた井上道義 指揮 新日本フィルによるマーラー「交響曲全曲演奏シリーズ」ライブ収録コンサートです この日はシリーズ第1日ということでマーラー「交響曲第1番」が演奏されましたが、第1楽章が始まって2~3分経ったところで会場の後方でケータイ着信音が鳴り出したのです    しばらくして、指揮をしている井上道義が「あ~」という大きな叫び声とともに指揮台から転げ落ちたのです 言うまでもなく、演奏を”強制終了”させて、最初からやり直すために一芝居打ったのです 川柳風に言えば「指揮者殺すにゃ刃物はいらぬ  ケータイひとつもあればいい」といったところでしょうか この事件の経緯は2015年4月23日付toraブログに書きましたので、興味のある方はご覧ください

いずれにせよ、総合的・俯瞰的にみて、21世紀に入って20年も経つ現在でもなおケータイのマナー違反はなくなりませんが、時にケータイ着信音は演奏を止めることもある、ということを知ってほしいと思います

 

     

 

プログラム後半はドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より”」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)がニューヨークの私立ナショナル音楽院の院長に招かれ、アメリカ滞在中の1893年に作曲、同年ニューヨークで初演されました 第1楽章「アダージョ~アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・コン・フォッコ」の4楽章から成ります

大友氏の指揮で演奏に入ります この曲はライブで何回聴いたか分からないくらい聴きましたが、まったく飽きません 小室氏の解説で「親しみやすさゆえに、通俗名曲と侮られることも少なくないが正真正銘の傑作」と語っていましたが、まったくその通りだと思います この曲のキモは第2楽章「ラルゴ」のコーラングレ(イングリッシュホルン)による「家路」で知られるテーマですが、小室氏の解説によると、元々はクラリネットで演奏するように指定したものの、実際に演奏して音を聴いてみて、コーラングレの方が良いと判断し 変えたとのことです いつものように森明子さんがテーマを吹きましたが、いつもより若干テンポが速いように感じました でも すぐにいつものテンポに戻り 郷愁を誘いました 第3楽章では川瀬達也のティンパニの打ち込みが心地よく響きます 第4楽章の冒頭は、ドヴォルザークの大好きな蒸気機関車が発進するときの音楽です 推進力に満ちた音楽が展開します。この曲でも、オーケストラが良く鳴っていました

大友 ✕ 新日本フィルは満場の拍手に応え、ドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調作品88」から第3楽章「アレグレット・グラツィオーソ」を民族色豊かに演奏、再び喝采を浴びました

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バイデン氏勝利 ⇒ 米国民の8割が認識 ~ ロイターの世論調査から / ジャン=ポール・ベルモンド主演「警部」を観る ~ 刑務所帰りの悪党=実は敏腕警部が2つの犯罪組織を撹乱する:新宿武蔵野館

2020年11月13日 07時18分45秒 | 日記

13日(金)。昨日の日経朝刊・総合面に「大統領選から1週間 『バイデン氏勝利』米国民8割認識」という見出しの記事が載っていました 超訳すると、

「ロイター通信などが7~10日に実施した世論調査によると、全体の79%がバイデン氏が当選したと回答した 民主党支持者のほぼ全員、共和党支持者の約6割がバイデン氏が勝利したと答えた 『まだ勝敗は決していない』が13%、『わからない』が5%、『トランプ氏が勝利した』との回答は3%にとどまった 『敗者は敗北を認めるべきだ』と回答したのは全体の72%だった バイデン氏は現時点で当選に必要な選挙人の半数を超える279人を獲得している。米CNNによると、日本時間11日午後6時時点で勝敗が明らかになっていないのはアリゾナ州(開票率98%)、ノースカロライナ州(同98%)、ジョージア州(同99%)、アラスカ州(同65%)の4州。トランプ氏は仮に残り4州を制しても、獲得選挙人数が270人に達しない

この記事を見る限り、数字の上でも 民意の上でも トランプは「敗北宣言」する以外に選択肢はないことが明らかです    しかし、何をやるか予測不能のトランプのことなので、最後の”切り札”にジョーカーを出してくる可能性もないではないですが、世界からはジョークとしか思われないでしょう

ということで、わが家に来てから今日で2234日目を迎え、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は11日、来年夏に延期された東京五輪・パラリンピックの準備状況を視察するため15~18日に来日することを明らかにしたが、訪問中に五輪中止を議題にする可能性はないと否定した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     日本を含め世界でコロナ感染が拡大している中  選手やボランティアに心配ないか?

 

         

 

昨日、夕食に「ポトフ」を作りました 材料はキャベツ、ジャガイモ、玉ねぎ、人参、トマト、ウィンナソーセージです 寒い夜は温かいものが食べたいですね

 

     

 

下の写真は、娘が漬けた「キュウリとカリフラワーのぬか漬け」です 意外にもカリフラワーが美味しいのです

 

     

 

         

 

昨日、新宿武蔵野館でジョルジュ・ロートネル監督による1979年フランス映画「警部」(108分)を観ました

南仏ニースのモーテルで地元警察の警部と娼婦が射殺された アントニオ・セルティ(ジャン=ポール・ベルモンド)と名乗る男が白いオープンカーでやってくるが、彼は刑務所帰りの悪党として町の2大犯罪組織に顔を売り、そのどちらからも信頼を得る 彼の正体はパリの内部捜査機関に所属する伝説の警部スタ二スラス・ボロウィッツだった ポロウィッツは2大組織の対立を煽って同士討ちで壊滅状態に追い込むと同時に、組織と警察の癒着をあぶり出そうとしていた 潜入捜査を進めていく中で、彼は小説家のエドモンド・ビュジェ=ロスタン(マリー・ラフォレ)と恋に落ち、さらに別れた妻との間にできた娘シャルロットまで訪ねてきたのはいいが、誘拐されたりして超多忙を極めるが、手練手管を使って事件を解決に導いていく

 

     

 

冒頭、セルティが颯爽と乗り回して登場する白い車は「ケーターハム・スーパーセブン」という英国製スポーツカーですが、これが決まっていてカッコイイ また、女流作家エドモンド・ビュジェ=ロスタンが乗る金色の車は「ロールス・ロイス シルバーシャドウⅡ」という高級車です これは豪華そのもの

この映画はコメディ・タッチの作品なので可笑しなシーンが多々あります 冒頭、白いマフラーをたなびかせてスポーツカーで颯爽と登場したかと思ったら、公園の片隅に寝袋を出して寝てしまいます。スポーツカーと野宿の落差がたまりません そこにチンピラ3人組がセルティに金を出せと絡んできます セルティは最初はヤラレタ振りをして逆に拳銃で脅し、3人組にズボンを下げろと命令します おずおずとズボンを下げる3人の若者がばか者に見えます そうかと思うと、顔を隠して組織のボスの車を襲い、全裸になって電話ボックスに行って電話をかけてこいと命令し、人々が嘲り笑う中を全裸でボックスに向かうボスの姿には思わず笑ってしまいました

女流作家エドモンド・ビュジェ=ロスタンの家にセルティと彼の娘が泊まることになり、セルティはちょっとしたことで2人の女性を怒らせてしまい、自棄になって自室に戻るとベッドの上でドーベルマンが待っていて、彼に覆いかぶさって絡むシーンは傑作です あの犬はメスだったに違いありません

これをもって、今回、新宿武蔵野館で上映された「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」全8本を観終わりました

映画を振り返ってみて思うのは、危険なアクション・シーンも含めた全ての演技は、ジャン=ポール・ベルモンドがスタントなし CGなしで命を張って演じているという驚きです スタント頼み CG頼りの現代の映画と比べると、当時の映画がいかに”本気”で撮られているかを感じます

新宿武蔵野館には 今回の傑作選で取り上げられなかった作品も是非上映してほしいと思います

 

     

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ジャン=ポール・ベルモンド主演「プロフェッショナル」を観る ~ エンニオ・モリコーネによる悲し気なテーマ音楽が印象に残る:新宿武蔵野館

2020年11月12日 07時30分13秒 | 日記

12日(木)。昨日の日経朝刊第1面のコラム「春秋」で「decency」という言葉に触れていました その部分を抜粋すると、

「ディーセンシー(decency)。米大統領選で勝利を確実にしたバイデン氏、副大統領候補のハリス氏は演説で、米国が取り戻すべき価値として、2人そろってこの言葉を用いた。辞書を引くと『品位』や『良識』と言った意味だ

選挙結果の事実を受け入れることを拒否し、いつまでも「敗北宣言」を出さず、大統領という権力にしがみつき、政権移行を停滞させて平然としているトランプを見ると、これほど「品格のカケラもない」大統領もいないと思います この4年間、トランプはアメリカという国と、その大統領の品位をどん底まで貶めました バイデン+ハリスによる民主党政権は、これから4年間、マイナスとなったアメリカへの評価を、取りあえずゼロまで戻さなければなりません それには共和党の協力も必要だし、何より国民の政権への信頼が不可欠です 2人のリーダーシップが問われます

ということで、わが家に来てから今日で2233日目を迎え、ポンぺオ米国務長官は10日の記者会見で、民主党のバイデン前大統領が当選確実にした大統領選の結果を現時点では認めない立場を示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     さすがはイエスマンのポンぺオだ! 来年 暴露本の出版を期待してる 売れると思う

 

         

 

昨日、夕食に「鶏肉のマヨポン炒め」と「生野菜サラダ」を作りました 「鶏肉~」はマヨネーズを使いますが、カロリーハーフなどは避けた方が良いようです

 

     

 

         

 

昨日、新宿武蔵野館でジョルジュ・ロートネル監督による1981年製作フランス映画「プロフェッショナル」(108分・HDマスター版)を観ました

元フランス軍のエリートで現在は諜報部員として活動するボーモント(ジャン=ポール・ベルモンド)は、アフリカのマラガウィ共和国の独裁者ナジャラ大佐を暗殺するため現地に潜入する しかし、暗殺決行の直前に政治的状況が変化し、ナジャラが大統領に就任、作戦はボーモントの知らないところで中止となってしまう 計画をリークされ捕らえられたボーモントは、麻薬売買の濡れ衣を着せられ長期刑を言い渡され、共和国の再教育キャンプで苛酷な強制労働と拷問を受けることになってしまう それから2年後、脱獄しパリに戻ってきたボーモントは、現在パリを訪れているナジャラ大統領の暗殺と、自分を裏切り、非常にも切り捨てた秘密警察の長官ローゼンらへの復讐を果たすべく行動を開始する。彼の脱獄と入国を知った秘密警察は彼を捕らえようと必死に行動するが、ボーモントの怒りの方が勝っていた

 

     

 

この映画は、イギリスの作家パトリック・アレクサンダーの小説「大統領暗殺指令」を原作に映画化された作品です 今回、新宿武蔵野館で上映中の「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」で取り上げられた8本の映画の中で、名匠エンニオ・モリコーネが音楽を手掛けているのは「恐怖に襲われた街」と「プロフェッショナル」だけです この作品の中で、弦楽器で奏でられるちょっぴり寂し気なメロディーのテーマ音楽は、「国家に裏切られた男の静かな復讐のテーマ」とでも言うべき傑作で、この作品のラストを物語っているかのようです

ローゼンとボーモントのカーチェイスを観ていて、スティーヴ・マックィーンの「ブリット」を思い出しました この頃の映画はCGなしのガチで、命を張ってやっています CGとドルビーシステムによる大迫力音響の映画は確かに圧倒されますが、ベルモンドやマックィーンの映画に比べたら、いかにも技術に助けられた映画という感じがして感動も半減します

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頑張れ、仙台フィル! / ジャン=ポール・ベルモンド主演「大盗賊」を観る ~ クラウディア・カルディナーレとオディール・ベルソワの魅力全開!:新宿武蔵野館

2020年11月11日 07時18分24秒 | 日記

11日(水)。昨日の朝日夕刊「伝える 東日本大震災10年目」特集ページに仙台フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスター神谷未穂さんが紹介されていました 超訳すると、

「神谷さんは神奈川県鎌倉市で育ち、6歳でヴァイオリンをはじめ、桐朋学園大を卒業後、ドイツのハノーファー音楽大学に留学。その後、パリ国立高等音楽院の最高課程を修了。国内外のオーケストラとの共演を重ね、2010年9月に仙台フィルのコンマスに就任 翌2011年3月11日、神谷さんはホールでリハーサル中に大震災に遭遇、『照明が揺れ、譜面台がバンという音とともに倒れた瞬間を鮮明に覚えている』と語る その後、『今こそ活動すべきではないか』という声が楽団の中で上がり始め、少しずつ宮城県内で演奏活動を再開した 石巻市の避難所では『おじいちゃんが寝たばかりだから音楽なんて困る』と訴えた被災者が、演奏終了後に『本当にありがとう』と握手を求めてきた その時、『音楽の持つ力に自分自身も癒されていることに気付いた』『音楽は聴く人の想像に委ねる部分が多い。”言葉を持たない力"をそのとき初めて、強く感じましたね』と語る 仙台フィルは コロナ禍で、4か月余りの活動を休止せざるを得なかったが、再開第1弾の7月の定期演奏会では客席に『おかえりなさい』などのプラカードが立った 『絶対にカムバックするという気持ちが強かった』。『被災地で生かされた人たちは何かを成し遂げなければならない・・・この思いはずっと持ち続けると思います』と語る

仙台フィルは昨年8月4日にフェスタサマーミューザの一環として参加したコンサートで、高関健氏の指揮のもと チャイコフスキー「交響曲第4番」他をアグレッシブに演奏、満席の聴衆の喝采を浴びました これからも頑張ってほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で2232日目を迎え、トランプ米大統領は9日、エスパー国防長官を解任したとツイッターで発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプが解任できるのは今のうちだけ 来年1月20日になれば「お前はクビだ!」

 

         

 

昨日、夕食に「ビーフシチュー」と「生野菜とタコのサラダ」を作りました わが家のビーフシチューはブロック肉ではなくバラ肉を使います

 

     

 

         

 

昨日、新宿武蔵野館でフィリップ・ド・ブロカ監督による1961年製作フランス映画「大盗賊」(116分)を観ました

物語の舞台は1720年のパリ。贅沢の限りを尽くす王族・貴族や腐敗した役人たちによる悪政のせいで、庶民は苦しい生活を強いられていた 豪腕のスリである樽屋の息子カルトゥ―シュ(ジャン=ポール・ベルモンド)は、街で見た警察署長の妻イザベル(オディール・ベルソワ)に一目ぼれする しかし盗賊団の首領マリショとトラブルを起こしたために仲間2人とパリを離れ、軍隊に志願する 手柄を上げて戦場の英雄となったカルトゥ―シュたちは、パリに戻る途中、護送されていたスリの女ヴェニュス(クラウディア・カルディナーレ)を救い出す パリに戻ったカルトゥ―シュはマリショとの勝負に買って強盗団の首領となり、貴族や金持ちの屋敷を襲っては盗んだ金品を山分けにして民衆の人気を得るようになっていく カルトゥ―シュはヴェニュスと愛し合うが、どうしてもイザベルのことが忘れられない 彼はイザベルの住む家に乗り込み関係を迫るが、彼女から拒否される やがて、カルトゥ―シュはマリショの陰謀により警察に逮捕されてしまう しかし、護送の途中でヴェニュスに率いられた仲間たちが護衛達に襲いかかり彼を救出する ところが、ヴェニュスは敵の弾に当たって死んでしまう 彼はイザベルから奪った宝石が散りばめられたネックレスをヴェニュスの胸に置き、布で包んで馬車と共に湖に沈める

 

     

 

この映画の大きな魅力は2人のヒロインの存在です 「山猫」や「ワンス・アポン・ァ・タイム・イン・ザ・ウエスト」などのイタリア映画でお馴染みのクラウディア・カルディナーレと、「若い恋人たち」などでお馴染みのオディール・ヴェルソワです 前者は身分の低いスリの娘を可憐ながら粗野に、後者は身分の高い警察署長夫人を高貴に演じていますが、2人とも華があります

この映画はアクション・コメディなので見どころはたくさんありますが、アクションでは多くの敵を相手に剣で闘うシーンは、アニメで言えばルパン三世、日本映画で言えば黒沢映画における三船敏郎の立ち回りです

勧善懲悪の分かり易い映画ですが、この「大盗賊」のような文句なしに面白い映画は最近少なくなりました

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