人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

リチートラ死去、フローレス声帯異常で来日中止~ボローニャ歌劇場総崩れ

2011年09月07日 07時05分46秒 | 日記
7日(水)。昨日の朝日朝刊の案内広告を見て愕然としました。「ボローニャ歌劇場日本公演キャスト変更のお知らせ」とあり、フローレス(清教徒アルトゥーロ役)→シラクーザ(9月24日)となっており、ほかにもガザーレ→サルシ、リチートラ→アロニカ、カウフマン→アルバレスなど変更だらけになっています

フローレスは「メト・オペラ・ライブビューイング」で何本かのオペラ映画を観て、是非ナマで聴いてみたいと思い、9月24日のチケットを購入したのです。それが、来日中止とは メト・オペラの「ラ・ボエーム」のミミ役アンナ・ネトレプコに次いで裏切られたという感じです。高いコストを払ってでもこの2人は聴きたかったのです

リチートラについては、8月27日にシチリアのラグーザ近郊でスクーター事故に遭い、カターニャの病院に入院していたことは新聞報道で知っていましたが、彼が歌う「エルナー二」はチケットを買っていないので、”影響なし”と静観していました。

昨日の朝出勤すると、同僚でオペラ好きのAさんが「リチートラが死んだってご存知ですか?」と訊くので、「えっ」と絶句してしまいました。フローレスのことも気になっていたので、早速「ボローニャ歌劇場」のホームページを見てみました。すると、

「リチートラ氏は昏睡状態が続いておりましたが、9月5日朝お亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈り申し上げます」とありました。

フローレスについては、9月2日付の”最新情報”で、「声帯を支える軟骨付近が充血・肥大のため3週間の声帯の休養が必要、との医師の診断により出演できなくなりました」とありました また、フローレスからのメッセージがあり「海水を飲みこみ激しく咳き込んだ時に声帯の開口部分の細い血管を傷つけてしまい、深刻な病状というわけではありませんが、この状態では歌うことができません。また日本を訪れることを待ち遠しく思っています」とありました.

代役が1人や2人ではない今回のケースは”仕方ない”で済む問題でしょうか?われわれオペラ好きは誰が歌うかによって高い投資をしてチケットを買うかどうかを判断するのです.それが,”あの人が来れなくなりました.この人も来れません”では,いったい誰を聴きに行ったらいいのか もちろん,過去のケースを見れば主役クラスの歌手の代役が大当たりして世界的に活躍するようになったということもあるでしょう.でも,そういったケースは極めて限られていると思います.何の保証もないのです.

新聞の広告でもホームページ上でも「出演者変更に伴うチケットの払い戻し,公演日・券種の変更は致しかねます.ご了承ください」とあります.キャンセルが相次いだらトンでもないことになることは理解できますが,われわれはいったいどこにこの怒りをぶつけたらいいのでしょうか

歌手の怪我や病気だけだったら仕方ないと思って諦めるしかないと思いますが(それが本当かどうかは別として),本当の理由が東京電力の原発事故による放射能汚染に対する心配にあるとしたら,とてもやり切れない想いです



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吉祥寺クラシック音楽喫茶「バロック」を訪ねて

2011年09月06日 06時37分58秒 | 日記
6日(火).昨日,ジョリベの「クリスマス・パストラール」のCDを探しに出かけました.この曲は9月1日に新日本フィルの室内楽シリーズでフルート,ファゴット,ハープによって演奏された曲ですが,すごく気に入ったので,どうしても手に入れたくなりました

まずタワーレコード新宿店に行きました.「ジョリベ」のコーナーに行って探してみたのですが,ありません.仕方なく渋谷店に行ってみました.しかし,ここにもありません ちょうど,欲しかったグレン・グールドのピアノ,バーンスタイン指揮ニューヨークフィルによるブラームスの「ピアノ協奏曲第1番」があったので,それを買うついでに店員さんに訊いてみました.レコード会社にも電話で問い合わせてくれたらしく,製造中止になっていることがわかりました.あとは中古CDを根気よく探すしかなさそうです

新宿を後にして,先日手に入れた「東京クラシック地図」を頼りに吉祥寺のクラシック音楽喫茶「バロック」に行くことにしました.吉祥寺駅中央口で降りて徒歩で4,5分程度のところ,「みそのビル」2階にお店はありました.店に入ると女主人らしき人(前掲書によるとオーナーの中村幸子さん)と年配の男性客2人が音楽談義をしているところでした.音楽は何もかかっていませんでした

中央にはタンノイの大型スピーカーが配置され,その外側にもう1組のスピーカー(前掲書によると「バイタボックス」というらしい)が堂々と鎮座しています.両方ともコンクリートブロックを積み上げた上に置かれています.これはスピーカー・コーンの位置が耳の高さになるように配慮されたものです.座席はすべてスピーカーの方を向いています.あくまでも「音楽を聴くための喫茶店」であることを主張しています

買ってきたばかりのブラームスのCDジャケットを眺めながら,ホットコーヒーを注文しました.が,なかなかコーヒーが来ません.そのうちブラームスの「交響曲第1番」が大音響で鳴り始めました だれの演奏かは定かではありませんが,ドイツ系の指揮者によるドイツのオーケストラのような気がします.重低音がズシンと響いてきます.

15分くらい経って,やっとホットコーヒーが届きました.1杯800円也.高いけど美味しいです 全曲が終わると,中村さんが席に来て「何かおかけしましょうか?」と尋ねます.それでは,ということで「このブラームスのCDをかけていただけますか?」と訊くと「残念ですが,CDはおかけできません」という答えです 「それではCDと同じ演奏によるLPで」とリクエストしました.すると,「申し訳ありませんが,ございません.他の演奏家ではどうでしょうか?」と言って写真アルバムのような分厚いリクエスト帳を持ってきてくれました.

リクエスト帳のブラームス「ピアノ協奏曲第1番」のページには5組ほどの演奏家が載っていました.そのうち,ルドルフ・ゼルキンのピアノ,ジョージ・セル指揮クリーブランド管弦楽団による演奏を選びました.これはLPで持っています(下の写真・右)

これも凄い重低音が室内に響き渡ります.自宅のタンノイではこんなに大きな音を出して鑑賞することは出来ません.いつの間にか先客2名が退席し,代わりに3名のお客さんが入っていました.前掲書によると今は亡きご主人はお客に厳しい人で,自分のリクエストした曲をろくに聴かず読書や書き物をしていたら”自分のリクエストした曲にはきちっと向き合ってほしい”と注文した,と書いてありました その精神が多分奥様にも受け継がれているに違いない,と思い,真摯に音楽に耳を傾けました.それに値する音楽,演奏です

途中でハッと気が付きました.「なぜ,注文したコーヒーがなかなか来なかったのか」「なぜリクエストもしないのにブラームスの交響曲第1番がかかったのか」.多分,オーナーの中村さんは注文したときに私が眺めていたブラームスのCDジャケットを垣間見て,この人はブラームスが好きなのかも知れない,と思ったのではないか,その選曲に手間取ってコーヒーを淹れるのが遅くなったのではないか,と.そうであれば,この道のプロフェッショナルです

そんなこともあって,吉祥寺の「バロック」にはまた行ってみたいと思っています

   
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モーツアルト「第38番」「第39番」「ファゴット協奏曲」を聴く~トゥルコビッチ指揮都響コンサート

2011年09月05日 06時24分56秒 | 日記
5日(月).昨日,東京オペラシティ・コンサートホールで東京都交響楽団「作曲家シリーズ第83回モーツアルト」公演を聴いてきました 指揮はウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのメンバーで,指揮者でもあるミラン・トゥルコビッチです.

オペラシティのホールで都響を聴くのは今回が初めてです.会場はほぼ満員.都響の定期会員もいるでしょうが,多くの人はモーツアルトがフィーチャーされているということでチケットを買ったのだと思います.ちなみに自席は1階24列24番.残念ながら通路から1つ入った席です

このオーケストラも女性比率が高いようですが,弦楽器を見ると,音が低くなるに連れて男性比率が高くなるようです.弦楽器は,向かって左から第1バイオリン,第2バイオリン,ビオラ,チェロ,その後ろにコントラバスという配置を取っています.指揮者の指示によるものでしょう 通常はビオラとチェロの位置が逆のはずです.この日のコンマスは四方恭子さん.第2バイオリンの首席エンカナさん(遠藤香奈子)もスタンバイOKです

プログラムはオール・モーツアルトで①「交響曲第38番ニ長調”プラハ”K.504」②「ファゴット協奏曲変ロ長調K.191」③「交響曲第39番変ホ長調K.543」の3曲です.

「第38交響曲」がウィーンで完成したのは1786年12月と言われています.この時期は彼のオペラ「フィガロの結婚」がプラハでも上演されて大好評を博し,モーツアルト夫妻はプラハに招待され,歓待を受けました.この曲はプラハへの返礼の意味があるのかも知れません.そういう意味を込めて”プラハ交響曲”と呼ばれるようになったのでしょう.交響曲は通常4つの楽章から成りますが,この曲は「メヌエット」を欠いた3楽章から成っています

指揮者が登場して「プラハ」の第1楽章冒頭を振り下ろします.テンポが自然で心地よい響きが会場を満たします このオーケストラは滅多に聴く機会がないのですが,弦楽器の響きがすごく美しいことをあらためて発見しました.第2楽章,第3楽章と最初のテンポが保たれて気持ちよく曲を閉じました

都響の主席ファゴット奏者・岡本正之を迎えて2曲目の「オーボエ協奏曲」が始まります.指揮者トゥルコビッチは自らがファゴット奏者でもあることから,あくまでもソリストを引き立てる役割に徹します.ファゴットの独奏箇所ではオーケストラの音を最小限に抑え,そうでない時はオーケストラを鳴らします

そうそう,第1楽章のソリストのカデンツァは見事でした アイ ハブ ファゴットン

休憩後の「第39交響曲」は大好きな曲です.とくに第3楽章「メヌエット」は天国で天使が踊っているような素晴らしい曲です モーツアルトは晩年に性格の異なる3つの交響曲を作曲しました.第39番,第40番,第41番です.これらの曲は何のために誰のために作曲されたのか明らかでなく,純粋に芸術的な目的で作曲されたのではないかと言われています.いずれもモーツアルトを代表する傑作です

第39番は古典派の作品では珍しくオーボエを欠き,代わりにクラリネットが加えられています.当時クラリネットは”新しい”楽器だったのです.

”オーボエなしで,どうやってチューニングをするのか”興味津々で舞台上を注目していたのですが,コンマスの四方さんがクラリネット奏者に合図を送りました.”なるほど,それもそうだな”と納得しました.

トゥルコビッチの指揮で第1楽章が始まります.テンポは「プラハ」よりやや速めの感じです.そして”ここぞ”という箇所ではアクセントを付けてオケを鳴らします.”「プラハまで」のモーツアルトと「第39番以降」のモーツアルトと,演奏スタイルが違うのだ”と言わんばかりの指揮ぶりですが,説得力があります.

それは大好きな第3楽章でも変わりません.”いつまでもこのメロディーを聴いていたい,もっとゆっくり演奏してくれないかな”と思ったのですが,こちらの都合のいいようにはいきません.決して早すぎるテンポではないので,文句はありません.最終楽章の「アレグロ」はさすがに「プレスト」に近いスピードで疾走していました

1回のコンサートで大好きなモーツアルトが3曲も聴ける.こんな幸せは滅多にありません.生きていて本当に良かった,とつくづく思います

      
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今年初めて第9を聴く~東響オペラシティシリーズ第63回定期公演

2011年09月04日 06時49分04秒 | 日記
4日(日).昨日,初台の東京オペラシティー・コンサートホールで東京交響楽団オペラシティシリーズ第63回定期公演を聴いてきました

今期から娘と2人で定期会員になっています.まずは腹ごしらえということで,息子を交えて巣鴨駅アトレの5階「オッティモ・キッチン」でピザとサラダを食べました.ここのピザは本当に美味しいのです.お薦めは「プロシュートルーコラ」と「オッティモ」ですが,どれも”外れ”がありません.息子は家に帰り,娘と初台に向かいました

プログラムは①ブルッフ「バイオリン協奏曲第1番ト短調」②ベートーベン「交響曲第9番ニ短調”合唱付”」です.バイオリン独奏は東響のソロ・コンサートマスター大谷康子.第9のソリストはソプラノ=森麻季,メゾ・ソプラノ=坂本朱,テノール=高橋淳,バリトン=青戸知,コーラス=東響コーラス,指揮=小林研一郎です.

第1曲目のブルッフのバイオリン協奏曲が始まります ソリストの大谷康子が白地に赤のバラを配した鮮やかなドレスで登場します.チューニングをしてハンカチを指揮台に置きました.まだ,指揮台の上に乗っていない小林は戸惑って大谷に何やら声を掛けます.「ハンカチをまたいで指揮台に上がるわけにはいかないよ.譜面台の上に載せてくれないかな」といったことでしょう.大谷はハンカチを取り上げて指揮者の譜面台の端に載せ,いよいよ演奏が始まりました

マックス・ブルッフはドイツに生まれ前半生は早熟の天才として一世を風靡し,後半生は良き教育者として活躍,ブラームスも高く評価していました.この第1番の協奏曲は彼が28歳のときに作られていますが第1楽章と第2楽章が続けて演奏されるなど,作風としては自由度が高い曲です.大谷は演奏するのが嬉しくてたまらないようで,コンマスやオケの方を見てニコニコしながら生き生きと演奏していました これほど自分の感情を表に出して演奏する人も珍しいかもしれません.”東京交響楽団に大谷康子あり”ということを実力で示した演奏でした あちこちから「ブラボー!」の声がかかっていました.

さて,指揮者の譜面台に載せられたハンカチは,小林が指揮をしているさなか,指揮棒で引っ掛けて指揮台に落ちてしまいました 元に戻ったということでしょうか.演奏が終わって観衆の拍手を受けながら,大谷はそれを拾い上げました.

休憩時間に隣席の娘に「ハンカチ,指揮者が落としちゃったよね」と声を掛けると,「どおりでおかしいと思った.譜面台の上にあったのに,あの人指揮台から拾い上げたから」とのたまいます.さては寝ていたな

休憩後のベートーベンの「第9」が始まりました.オペラシティ・コンサートホールは舞台の奥行きが狭いので,コーラス約110名が窮屈そうです.

第9はベートーベンが52歳を迎えた1822年に,ロンドンのフィルハーモニック・ソサエティから新しい交響曲の作曲依頼を受けて作られた曲です.当時26歳のシラーの詩「歓喜に寄す」に基づく声楽が第4楽章で高らかに歌われることから「合唱付」と言われます.

初演は,臨席を予定していた皇帝,皇后が欠席,さらに演奏水準が不満足なものだったが,作品の素晴らしさはそうした欠陥を忘れさせるほど圧倒的だったと伝えられています 当日アルトの独唱を務めたカルリーネ・ウンガーは次のように回想しています.

「演奏が終わった瞬間,すべての人々の目には涙が光っていました.ベートーベンはその拍手に取り囲まれていたにもかかわらず,おそらく何も聴こえなかったのでしょう,聴衆に背を向けたまま,まだ指揮棒を振り続けていました.たまりかねて私がベートーベンを熱狂する聴衆の方に向けると,聴衆はこの大作曲家が実はひとつの音すら聴くことができなかったことに気づいたのです.やがて会場は同情と賞賛の嵐につつまれ,中には大声で泣き出す者も現れました.そして,その歓呼の声は永遠に消え去ることがないように思われました」

小林のタクトが第1楽章のはじめの合図を知らせます.はじめは小さく,そしてだんだん大きく,ベートーベンの音楽が拡大していきます この楽章を通じて指揮者のうなり声が聴こえてきます.小林のトレードマークです.

第2楽章が終わり,ソリストが登壇してオーケストラ後方の中央に待機します.第3楽章のアダージョ・モルト・カンタービレは,いつ聴いても心休まるいい曲です.かなり前,「マリア・ブラウンの結婚」というドイツ映画があり,主人公マリアが戦地から帰ってくるであろう夫を駅のホームで待っているシーンでこの第3楽章が流れていました.つまり,マリアは次に来る第4楽章の「歓喜の歌」(夫との再会)を待っているという意味を現わした音楽です

第4楽章はいよいよ「独唱と合唱」の登場です.バリトンが「ああ友よ,そんな音楽はやめてくれ!」と呼びかけます.その歌い方を聴くと,聴衆に語りかけるような,まるで演歌でも歌っているような不思議な感じを受けました もし,そうであれば,指揮者がそのように歌うようバリトンに指示したのだと思います.いずれにしても,ソリストと合唱による「歓喜の歌」は力強く迫力があります

小林の指揮を観ていていつも思うのは,間の取り方が独特だということです.つまり,他の指揮者よりも”長い間”を取ります.それだけ,緊張感を高めて演奏効果を狙ってのことでしょう.どんな演奏でもこの曲は感動的です.それは素材の力です

終演後,娘に感想を聞くと「この曲を全曲通して聴いたの初めてだった.合唱は知ってたけど,独唱があるのは知らなかった」とのことでした.良かったです.知識が増えて




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ボルトの100メートル走”フライング失格”の真相は?

2011年09月03日 06時45分27秒 | 日記
3日(土)。昨夕,台風北上の心配をよそに,地下の焼き鳥0で当社3人,W調剤薬局ご夫妻,I海運2人の7人で飲みました   趣旨はよくわかりません.しこたま飲んで,タクシーで六本木へ.カラオケ・スナックOで久々に歌いました 家に帰ったのはちょうど0時でした.もう飲むまい

ということで,昨日の日経朝刊スポーツ面に、高野進、伊東浩司らのスプリンターを育てた宮川千秋氏(東海大学体育学部教授)が、世界陸上100メートルでフライングのため失格となったウサイン・ボルト選手に関して「奇妙なフライング」と題する興味深いエッセーを書いています

「スタートのリアクションタイムを聞いて耳を疑った。マイナス0秒104.完全にピストルが鳴る前に動いている。ヤマを張って飛び出す”普通”のフライングはプラス0秒1前後。ひとくくりに出来ないほど中身が違う。同じクラブの後輩ヨハン・ブレークを勝たせようとしたのではないか。条件も揃っていた。ゲイ(米)、パウエル、ムリングス(ともにジャマイカ)と強豪が相次ぎ欠場。後継者と見定めている後輩を勝たせるには千載一遇の機会だった。もちろん、すべてはひねくれた推理上の話。フライングで即失格となる現行ルールに批判があるそうだが、これは本末転倒。もし、失格者がボルトでなかったらと考えれば分かりやすい。誰もそんなことは考えないだろう」

宮川氏の推論のとおり、かわいい後輩のために”わざと”フライングして失格となったのか、あるいは頭のボルトが緩んでいたのか、当のボルトにしか分かりません。しかし、彼の走りを期待していた観衆の立場に立てば、”金返せ”の世界でしょう

それにしても、フライングで失格となり走れなくなった場合の契約はどうなっているのでしょうか。ボルトの場合は200メートルもあるし、出場種目全体で判断するのでしょうが、”一部契約不履行”にでもなるのでしょうか

フライングといえば、私は中学・高校の6年間、陸上部で短距離を走っていました 中学では100メートル13秒2、200メートル26秒0、高校では100メートル11秒6でした。これ以上伸びないと思って、受験を控えた高校3年の途中で”引退”しました もちろんフライングの経験は何回かありますが、当時は2回まで許されていたので、失格になる選手はほとんどいませんでした。距離が短くなればなるほどスタートのウエートが高まります。ピストルの音を聞いてスタートダッシュする練習は嫌になるほどやらされました。いま懐かしく思い出します

さて、ここで問題です ボルト選手は何人でしょうか?(日本人ではありませんね) 

ヒントはワーグナーが作曲した有名なオペラの題名にあります














































[答え] オランダ人。ワーグナーは有名なオペラ「さまよえるオランダ人」を作曲しました。英語では「フライング・ダッチマン」と表記します。


ボルト選手の本当の国籍はジャマイカですけどね

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ブラームス「弦楽四重奏曲第1番」を聴く~新日本フィル室内楽シリーズ

2011年09月02日 06時49分23秒 | 日記
2日(金).今週は7日のうち5回がコンサート,2回が飲み会です.今日は飲み会,土・日はコンサートです.気になるのが北上中の大型台風の行方.どちらかというとコンサートが無事に聴ければいいかな,と思ってます

さて,昨夕、錦糸町のすみだトリフォニーホール(小)で、新日本フィルの室内楽シリーズを聴いてきました 今回は、新シリーズの第1回目のコンサートです.前年度はベートーベンがメインでしたが、新シリーズはブラームスがフィーチャーされています.新年度最初のコンサートということもあってか,聴衆の数が多いように思います.回を重ねるごとに人数が減っていかなければいいのですが

曲目は①ジョリベ「クリスマス・パストラーレ」②デュカス「魔法使いの弟子(コントラバス四重奏曲版)」③ブラームス「弦楽四重奏曲第1番」です。

第1曲目はジョリベです.”おいおい,現代音楽かよ!止めて欲しいな!”と思ったのですが,演奏者がプログラムに書いている解説によると「一般的に現代音楽で難しいと思われがちなジョリベだが,この曲は美しく聴きやすい」とのこと.先入観なしで聴くことにしました

「クリスマス・パストラーレ」は1.星 2.東方の賢人達 3.聖母と子 4.羊飼い達の登場と踊り,の4曲から成る13分程度の小曲です.

舞台にフルートの荒川洋,ファゴットの河村幹子,ハープの篠崎和子が登場します.舞台の背景にはピンク色の照明が当てられ黄色い月と星のシルエットが浮かび上がり,曲想を暗示します.第1曲の星を聴くと「なるほど,現代音楽にしては聴きやすいなあ,まるでラベルかドビュッシーを聴いているみたいだ」と思いました

荒川のフルートがリードしますが,ファゴットの河村とハープの篠崎がよく合わせて美しいハーモニーを奏でます いい曲です.CDが欲しくなりました

2曲目のデュカスの「魔法使いの弟子」は,ディズニーのアニメ映画「ファンタジア」で,魔法使いの弟子であるミッキーマウスが,魔法使いに掃除を言いつけられて,面倒なので箒に魔法をかけて水汲みをさせるのですが,魔法の解き方を知らないために水びたしになってしまう,というシーンで使われています.この曲をコントラバス奏者・村松裕子さんがコントラバス四重奏用に編曲したものです.

最初のうちは弦楽だけによる演奏に,ちょっぴり違和感を感じていたのですが,映画のシーンを思い浮かべながら聴いているうちに慣れてきたせいもあって,なかなか面白い演奏だと思うようになりました.編曲者の村松さんにです.

最後のブラームスを演奏するのは,第1バイオリン=崔文珠,第2バイオリン=堀内麻貴,ビオラ=木村恵子,チェロ=武澤秀平といった新日本フィルのトップレベルの人たち.期待が高まります

ブラームスは交響曲ではベートーベンの9つの交響曲という”高い山”があったために,交響曲第1番を作曲するまで長い時間を要しました.同じように,弦楽四重奏曲でもベートーベンの16曲の”高い山”があったため,なかなか作曲する決意がつきませんでした.その結果,満を持して作曲したのがこのハ短調の四重奏曲です.

ハ短調という調整は交響曲第1番と同じです.第1楽章から,情熱的ですが,苦悩に溢れています.第2楽章は穏やかな曲想で,救われる想いがしますが,全体が”情熱的かつ苦悩に溢れた”曲想で貫かれています

演奏は崔が引っ張る形をとりますが,他の3人もトップクラスらしく存在感溢れる演奏を展開します.とくにチェロの武澤秀平の演奏が光っていました

アンコールに,コントラバス(竹田勉)を加えて,ドボルザークの「ワルツ」を演奏しました.穏やかでいい曲です.つくづくドボルザークはメロディー・メーカーだと思いました





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急にコンサートに行けなくなった→”チケットぴあ”が補償”!

2011年09月01日 06時49分47秒 | 日記
9月1日(木)。早いもので昨日で8月も終わり今日から9月です。先月29日の日経朝刊1面に「急病、公演に行けない・・チケット代全額を補償」という記事が載っていました。記事によると・・

「チケットぴあは9月にも、急な病気や宿泊出張などで公演を鑑賞できなくなった場合に代金の全額を補償する保険サービスを始める。「チケットぴあ」でチケット購入後3日以内に、チケット代の1割前後を保険料として払い申し込むと、急な病気やけが、宿泊出張、交通機関遅延などで鑑賞できなかった場合に代金が戻る。国内で決まった日時に開催する音楽や演劇、スポーツの試合などを対象とする。保険料はチケット代が1万円の場合で850円、3万円で2040円、5万円で3220円とのこと。補償には診断書や宿泊施設の領収書などが必要」

27日(土)は民主党の党首候補者討論会が急きょ開かれた関係で休日出勤となり、予定していたコンサートに行けずチケットがオジャンになったばかりだったので、こういうシステムが出来るとありがたいと思います。でも、今回の私のようなケースにも適用されるのかどうか、よく調べてみないと分かりません

同様に、急な残業のため予定していたコンサートに行けなくなってしまった、というケースは補償されるのかどうか。補償されるとして”診断書”や”領収書”に代わるものとしてどんな”証拠”を提出すればいいのか。これも調べてみないと分かりません。もし補償されるのなら、1万円を超えるオペラやコンサートに限って利用したいと思います 手配するすべてのコンサートやオペラに”保険”を掛けたら保険料だけで数万円になってしまいますので、それは避けたいと思います。 

”チケットぴあ”といえば、コンサートのチケットを買うのは余程のことがない限り、神保町本店(三省堂書店1階)なのですが、時に渋谷の109の2階にある渋谷店で買うこともあります。先日、知人と話をしているときに「渋谷のワン・オ―・ナインの”ぴあ”でチケットを買ったんだ」と言ったら、「”ワン・オ―・ナイン”っていつの時代の言葉よ?!あそこはマル・キューって言うんだよ」と一笑に付されてしまいました。「1が無くて”まる9”おさまる」ということですか

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