人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京春祭「N響メンバーによる室内楽」を聴く~モーツアルト「オーボエ協奏曲」、ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第1番&第8番」他 / 東京都美術館「奇想の系譜展」を観る~伊藤若冲他

2019年04月07日 07時25分36秒 | 日記

7日(日)。わが家に来てから今日で1647日目を迎え、「猫は自分の名前をちゃんと聞き分けている」という上智大学の研究チームの研究結果が4日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載され 大きな反響を呼んでいる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      ぼくは正式に「ネザーランドドワーフのモコタロ」と呼ばれないと返事しないよ

 

         

 

昨日、上野の国立科学博物館「日本講堂」で「東京・春・音楽祭2019」の「ミュージアム・コンサート N響メンバーによる室内楽」を聴きました プログラムは①モーツアルト「オーボエ協奏曲ヘ長調K.370」、②同「アダージョ  ハ長調K.580a」、③ブリテン「幻想曲作品2」、④ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第1番ハ長調作品49」、⑤同「弦楽四重奏曲第8番ハ短調作品110」です 演奏はヴァイオリン=大林修子(首席)、大宮臨太郎(次席)、ヴィオラ=坂口弦太郎、チェロ=山内俊輔(次席)、オーボエ=池田昭子です ここだけの話、私は大林修子さんのファンです

 

     

 

全自由席です。センターブロック5列目右通路側を押さえました。会場は8割方埋まっているでしょうか

1曲目はモーツアルト「オーボエ協奏曲ヘ長調K.370」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐1791)が1777年にジュゼッペ・フェルレンディスのために書いた作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

左から池田、大林、坂口、山内という並びでスタンバイします 池田さんは春めいたカラフルな衣装です 第1楽章は愉悦感に満ちた好演でした 第2楽章は一転、オーボエが哀愁に満ちた音楽を奏で、第3楽章は再び明るく楽しい演奏が展開しました

ここで、ヴィオラの坂口氏が立ち上がり、あいさつ方々、楽器の説明をしました

「次の曲は池田さんがオーボエからコールアングレに代えて演奏しますが、オーボエとコールアングレの関係はヴァイオリンとヴィオラの関係によく似ています 楽器は大きくなると低い音になりますが、両者とも5度低い音を取ります。ところで、オーボエの起源は日本だってご存知でしたか? 実は万葉集に出てきます(会場「えっ?」)。文字では”大吠え”と書きます・・・真っ赤な嘘でした 本当の起源は中国のチャルメラでした

N響大丈夫か? そして何事もなかったかのように2曲目のモーツアルト「アダージョ  ハ長調K.580a」の演奏に入りました この曲はモーツアルトが最晩年の1791年に作曲した作品です コールアングレの落ち着いた音色で聴くこの曲は、冒頭が「アヴェ・ヴェルム・コルプス」にそっくりです。しみじみと良い演奏でした

3曲目はブリテン「幻想曲作品2」です 池田さんは再びオーボエで演奏します。曲を聴く限り、メロディアスなところあり、リズミカルなところありの変化にとんだ面白い曲でした


     


休憩後のプログラムの最初はショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第1番ハ長調 作品49」です この曲はディミトリ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1938年に作曲、同年レニングラードで初演されました 第1楽章「モデラート」、第2楽章「モデラート」、第3楽章「アレグロ・モルト」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

大宮臨太郎氏が第1ヴァイオリンを務め、第1楽章に入ります ショスタコーヴィチ特有の浮遊感が堪りません 第2楽章は冒頭のヴィオラ独奏が素晴らしかったです 第3楽章を経て、第4楽章は明るくアイロニカルで楽しく聴けました

最後の曲はショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第8番ハ短調作品110」です この曲はショスタコーヴィチが1960年に作曲し、同年レニングラードで初演されました ナチスの犠牲になったユダヤ人を追悼して作曲したものです。第1楽章「ラルゴ」、第2楽章「アレグロ・モルト」、第3楽章「アレグレット」、第4楽章「ラルゴ」、第5楽章「ラルゴ」の5楽章から成ります

第1楽章は冒頭、チェロ⇒ヴィオラ⇒第2ヴァイオリン⇒第1ヴァイオリンへとフーガで繋がれますが、その後の大宮氏のヴァイオリン独奏が素晴らしい 第3楽章のアレグレットは怒りの爆発のようです ただ、全体的には悲しみを湛えた曲想です 東京春祭の総合プログラムに書かれた増田良介氏の解説を読むと、この曲は「ショスタコーヴィチの音の署名DSCH音型が随所に使われており、自作からの引用たくさんある 交響曲第1番、第5番、歌劇『ムツェンスク郡のマクベス夫人』、ピアノ三重奏曲第2番、チェロ協奏曲第1番あたりだろうか」と書かれていますが、ショスタコーヴィチに不案内な私にはまったく分かりませんでした 増田氏によると、ショスタコーヴィチは、この曲を自分の墓碑銘と考えていたようです。4人の演奏で聴く限り、それは第5楽章「ラルゴ」の静かで深い音楽に現われていたように思います

 

         

 

コンサート終了後、上野公園内にある東京都美術館に寄って「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」を観てきました だいぶ前に招待券をいただいたものの、観る機会がないまま7日(本日)の最終日を迎えることになったので、あわてて観に行ったのでした 伊藤若冲、歌川国芳、狩野山雪らの奇想天外な絵画の数々が展示されています 絵のことはまったく門外漢なので20分で回って出てきましたが、さすがに伊藤若冲は惹きつけられるな、と思いました

 

     

コメント
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