人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「東京春祭スペシャル・ガラ・コンサート」を聴く / 「 サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」のチケットを7枚取る

2017年04月17日 08時11分53秒 | 日記

17日(月).わが家に来てから今日で930日目を迎え,昨日フィナーレを迎えた「東京・春・音楽祭2017」のパンフレットを前に,ひと言述べるモコタロです

 

       

                    ご主人は今年の東京春祭を11公演聴いたってさ 次のお祭りは夏のミューザらしい 

 

                     

 

「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」のチケットを取りました サントリーホールが主催するこの「室内楽音楽祭」は例年6月に開催されていますが,今年は同ホールが全面的な改修工事(8月末まで)のため日程が9月にずれ,期間も短縮されています 例年実施されてきたベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲演奏会(ベートーヴェン・サイクル)が無いのが寂しいところです

 

       

 

今回取ったチケットは次の7枚です

1.オープニング・コンサート(9月15日・金 19時開演)①ブラームス「弦楽六重奏曲」②同「ピアノ五重奏曲」

 

       

 

2.マスターおすすめの室内楽:ピアノ編(9月18日・月 14時開演)ハイドン「ピアノ三重奏曲第25番」他

3.プレシャス1pm(9月19日・火 13時開演)モーツアルト「弦楽四重奏曲第17番」から第1楽章他

4.プレシャス1pm(9月20日・水 13時開演)ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第7番」他

5.プレシャス1pm(9月22日・金 13時開演)ドビュッシー「フルート,ヴィオラとハープのソナタ」他

 

       

 

6.ストルツマンと日本の仲間たち(9月23日・土 19時開演)モーツアルト「クラリネット三重奏曲K.498」他

7.フィナーレ・コンサート(9月24日・日 14時開演)ベートーヴェン「七重奏曲」他

 

       

 

この他,9月16日19時から「アジアンサンブル@TOKYO」,9月17日14時から「マスターおすすめ室内楽:弦楽器編」,9月22日19時から「へーデンボルク・トリオ 日本デビュー・リサイタル」がありますが,すでに他のコンサートの予定が入っているので断念しました

また,「室内楽アカデミー  マルシェ  ワンコイン・コンサート」が9月16日と23日の各12時半から開催されますが,全自由席のため会員先行発売はなく,5月14日からの一般発売を待つしかないようです

 

       

 

                     

 

昨日,上野の東京文化会館大ホールで「東京春祭スペシャル・ガラ・コンサート」を聴きました

プログラムは①モーツアルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲,②同:歌劇「フィガロの結婚」第1幕より「もう飛ぶまいぞ,この蝶々」,③ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲,④同:歌劇「リゴレット」第3幕より「女心の歌」,⑤同:第1幕より「慕わしい人の名は」,⑥同:歌劇「エルナー二」第1幕より「不幸な人よ!」,⑦同:歌劇「椿姫」第2幕より「燃える心を」,⑧同:第3幕より「パリを離れて,愛しい人よ」,⑨同:第1幕より「不思議だわ!・・・ああ,そはかの人か・・・花から花へ」,⑩ベッリーニ:歌劇「ノルマ」序曲,⑪ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」第1幕よりネモリーノとドゥルカマーラの二重唱,⑫同:第2幕より「人知れぬ涙」,⑬ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」第1幕より「陰口はその風のように」,⑭ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクアーレ」第1幕より「騎士はあの眼差しを」,⑮プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」間奏曲,⑯同:歌劇「ラ・ボエーム」より「冷たい手を・・・私の名はミミ・・・愛らしい乙女よ」です

演奏は,ソプラノ=クリスティナ・パサローユ,テノール=イヴァン・マグリ,バス=アドリアン・ザンぺトレアン,管弦楽=東京春祭特別オーケストラ,指揮=スペランツァ・スカップッチです

ソプラノのクリスティナ・パサローユはルーマニア・ブカレストのディヌ・リパッティ音楽学校等で学びました テノールのイヴァン・マグリはシチリア生まれで,ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院で学んでいます バスのアドリアン・ザンぺトレアンはルーマニア生まれで,地元の音楽アカデミーで学びました 3人とも国内外のオペラ劇場で活躍しています 管弦楽の「東京春祭特別オーケストラ」は,この音楽祭のために特別に編成されたオケで,東京の主要なオケのメンバーを中心に構成されています 指揮のスペランツァ・スカップッチはイタリア生まれの女性指揮者で,ジュリアード音楽院,ローマのサンタ・チェチーリア音楽院を卒業,ウィーン国立歌劇場で「椿姫」「チェネレントラ」を指揮し好評を博しています

 

       

 

自席は1階L9列11番,左サイド9列目の右から2つ目です.会場は9割方入っているでしょうか オケのメンバーが入場し配置に着きます.ヴァイオリン・セクションを見て驚きました コンマスはN響コンマスの伊藤亮太郎,その後ろの席はN響の宇根京子とエクセルシオの西野ゆか,その後ろは会田莉凡と瀬崎明日香,その後ろはバッハ国際コンクール優勝の岡本誠司がスタンバイしています.これだけでもすごいと思います 第2ヴァイオリンには読響首席の瀧村依里が,チェロには上森祥平が,ヴィオラには新日本フィル首席の篠崎友美とエクセルシオの吉田有紀子が並びます さらにコントラバス首席には新日本フィル首席の渡邉玲雄が控えています 一方,管楽器を見ると,フルートにはN響首席の甲斐雅之が,オーボエには新日本フィル首席の金子亜未が,クラリネットには元新日本フィルの澤村康江が,ホルンにはN響の今井仁志がスタンバイして・・・・と探し出したらキリがありません まさにスーパーオーケストラです

茶髪を後ろで束ねたスカップッチが登場し1曲目のモーツアルトの歌劇「フィガロの結婚」序曲の演奏に入ります 速めのテンポによる爽快な演奏でした 次にバスのザンぺトレアンが登場し,モーツアルトの歌劇「フィガロの結婚」第1幕から「もう飛ぶまいぞ,この蝶々」を芝居気たっぷりに歌いました

次にオーケストラだけで,ヴェルディの歌劇「ナブッコ」の序曲が演奏されました これほどワクワクドキドキするドラマティックな演奏は聴いたことがありません 中盤での速いパッセージは,もしトスカニーニが生きていたらこういう演奏をしただろう,と思わせる目にも止まらぬスピードでした スピード違反で切符が切られそうです

次いで,テノールのイヴァン・マグリが登場,ヴェルディの歌劇「リゴレット」第3幕から「女心の歌」を高音も伸びやかに歌い,ソプラノのパサローユが登場,第1幕からジルダのアリア「慕わしい人の名は」を玉をころがすような輝かしい声で歌いました

次にバスのザンぺトレアンが登場し,ヴェルディの歌劇「エルナー二」第1幕から「不幸な人よ!」を迫力たっぷりに歌いました

次いで,テノールのマグリが登場,ヴェルディの歌劇「椿姫」第2幕からアルフレードのアリア「燃える心を」を情熱的に歌い,パサローユが加わり,第3幕から「パリを離れて,愛しい人よ」を協演しました 「これは素晴らしい」と思っていたら,次がありました 舞台に残ったパサローユが第1幕からヴィオレッタのアリア「不思議だわ!・・・ああ,そはかの人か・・・花から花へ」を完璧な高音のコントロールのもと,表情豊かに歌い上げました

 

       

 

後半の冒頭はベッリーニの歌劇「ノルマ」の序曲が演奏されます 私はこのオペラが大好きで,この序曲はオペラの主だったシーンの音楽を盛り込んでいるので,いつも楽しく聴いています スカップッチは,ここでも速めのテンポでグングン進めていき,ドラマティックな音楽作りに徹しています

スカップッチの指揮を見ていたら,2010年のトスカニーニ国際指揮者コンクール準優勝の三ツ橋敬子に似ているな,と思いました 指揮の途中で膝を折って身体を低くし 音を制御する仕草を見せるところとか,両手で大きく円を描くような仕草を見せるところとか,いくつか共通点があるように思いました ただし,背の低い三ツ橋よりスカップッチの方が大きく見えます

次に,マグリとザンぺトレアンが登場し,ドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」第1幕からネモリーノとドゥルカマーラの二重唱をユーモアたっぷりに,また芝居気たっぷりに歌い,会場からヤンヤの喝采を浴びました 次いで マグリが篠崎和子のハープに乗せて第2幕からネモリーノのアリア「人知れぬ涙」をしみじみと歌い深い感動を誘いました

かと思っていると,今度はザンぺトレアンがロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」第1幕からドン・バジリオのアリア「陰口はその風のように」を堂々たるバスで歌い,聴衆の喝采をかっさらいました

すると今度は,パサローユがドニゼッティの歌劇「ドン・パスクアーレ」第1幕からノリ―ナのアリア「騎士はあの眼差しを」を美しくもドラマティックな歌声で歌い上げ,聴衆の心を鷲掴みしました

ここで,歌手陣の声帯を休ませるため,管弦楽によってプッチーニの歌劇「マノン・レスコー」から「間奏曲」が感動的に演奏されました 冒頭の上森祥平のチェロ,篠崎友美のヴィオラ,伊藤亮太郎のヴァイオリンの独奏は,このオペラの結末を予感させるような悲しみに満ち素晴らしい演奏でした

プログラムの最後はマグリとパサローユが,プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」からアリア「冷たい手を・・・私の名はミミ・・・愛らしい乙女よ」をドラマティックに歌い上げました.二人とも高音の伸びが凄い

会場いっぱいのブラボーと拍手に応えて,3人の歌手が片手にシャンペン・グラスを持って再登場しました 言う間でもなく,アンコールはヴェルディの「椿姫」第1幕から「乾杯の歌」です 実に楽しい幕切れでした

いつの日か,スカップッチがこの日の伸び盛りの3人の歌手を引き連れて,イタリアの歌劇場の来日公演を挙行する日が来るかも知れません その時を楽しみに待ちたいと思います

この日の公演は「東京・春・音楽祭2017」を締めくくるのに相応しい感動に満ちた素晴らしいコンサートでした

 

       

コメント (2)
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