こころ号に乗って、越後湯沢温泉街のはずれにある諏訪社に行ってきました。
ここは、川端康成先生の小説「雪国」に登場する神社です。
東京に妻子のいる主人公の島村は時々この温泉にやってきては
芸子の駒子と人目を忍んでデートを楽しむシーンが描かれています。
樹齢400年のご神木の下の平らな石に座って駒子が言います。
「ここが一等涼しいの。夏でも冷たい風があたりますわよ。」
本当にここは夏でも風が通るところです。
二人で話をしながら、島村はご神木を見上げると・・・
「恐ろしい神の武器のようであった」とこの木を表現しています。
やましい事をしているから島村の目には
神さまの武器のように見えたのだろうと私は思いました。
が、やましい事がなくても、やはり何となく迫力があり、恐ろしさも感じられる
ご神木なのかもしれません。
最近、川端康成先生の小説「雪国」はまんが本になって出版されていますが
やはり、川端文学の素晴らしいのは
絵がなくても情景が思い浮かぶような情景の描写の素晴らしさ
かなと思いました。