にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【映画】『妖刀物語 花の吉原百人斬り』

2007年05月15日 | MOVIE
『妖刀物語 花の吉原百人斬り』(1960年/東映)
監督:内田吐夢。
出演:片岡千恵蔵。水谷良重。木村功。沢村貞子。

武州佐野の絹商人次郎左衛門は、先代に拾われた捨て子だったが、今では先代の後を継ぎ真面目な性格で商いを繁盛させ、奉公人たちにも慕われていた。しかし彼には生まれながらに顔に大きな痣があり、そのためか嫁の来てがなく、何度も見合をしては断られていた。今日もまた商売仲間越後屋の仲人で見合いをするも、また断わられる。そんな次郎左衛門を気遣ってか、越後屋は彼を吉原へと案内する。生まれて初めて吉原へと足を運んだ次郎左衛門だが、遊女たちにさえ顔の痣を厭われる。ところが最後にやってきた岡場所あがりの玉鶴は、痣など気にも留めず次郎左衛門に優しく接する。そんな玉鶴にすっかりのぼせあがった次郎左衛門は、足繁く吉原へと通い、茶屋の主人たちにもいいカモだと、うまくあしらわれ、多額の金を貢ぐことになる。ところが信州には雹が振り、次郎左衛門の商売は苦しくなる。金の切れ目が縁の切れ目・・・そこまできてやっと次郎左衛門は自分が利用されていたことに気づくが・・・。

まさかこの作品がネット配信で見られるとは・・・。観たかったんですよねぇコレ。顔の痣が原因で女性に疎まれ、縁遠いっていうあらすじは知ってましたが、それだけで?って思っちゃってたんですけど、こうしてしっかり映像で見ると、なんとなくわかるような気がするから不思議です。で、正直おまえはどうなんだ?って聞かれると・・・ごめんなさい。多分ダメだと思います。だから余計にこの主人公次郎左衛門が玉鶴に入れあげていくのがすごくわかりやすいんですよね。片岡千恵蔵さんってそんなに上手い俳優さんではないと思うんですが、変に計算しない芝居のせいか、この次郎左衛門の朴訥とした田舎者の不器用さと、常に顔の痣を厭われて、それだけで男としての自分を否定され続けてきたため妙に男の色のない卑屈さが見事に醸し出されている。このあたりは監督の勝利かな?それと水谷良重さんもいいわ。あの一般庶民な顔立ち(笑)。美形な女優さんがこの役やってたら、きっとこんなにいい映画にはならなかったでしょうね。おまえら見返してやるぅ!っていう根性ありありの顔つきがいいんですわ。
あと驚いたのが片岡千恵蔵さんのキスシーン!初めてみましたよ。
そしてラスト。あの桜吹雪の演出いいですねぇ。百人斬り・・・百人もいなかったように思うのですが・・・ってそんな突っ込みはなしか・・・(^^;

-2007.5.14 ネット配信-