にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

『ぼんくら』

2005年12月02日 | BOOK
江戸・深川にある鉄瓶長屋。ある日ここに住む八百屋の太助が何者かに殺害される。その後この長屋で数々の事件が起こる。面倒なことが嫌いで、気楽にとりあえずのお勤めとして見回りをしていればよかっただけの定町廻り同心井筒平四郎は、この長屋で一体何が起きようとしているのか・・・不慣れな探索を始めるが・・・。
「長編時代ミステリー」と書かれ、上下巻にわかれているものだから、さぁ力を入れて読むぞ!と読み始めると・・・あれ?鉄瓶長屋を舞台にした短編みたい。ま、この方が読みやすいし・・・と油断したのがいけなかった。上巻ラストの「長い影」がそのまんま下巻に続いて一気にラストまで。下巻に進むともう止められない。しかも上巻で短編みたいだと思っていた作品がなんとすべてこの「長い影」の序章となってるんですから、なんとも憎い作りです。
で、やっぱり宮部作品はキャラがいいわ。一応この作品の主人公の井筒平四郎というやる気のなさそうな、それでいて人のいい同心はもちろんですが、後半に登場する平四郎の甥の美少年弓之助がいい!美少年で頭も切れるんだけど、子供っぽくってちょっと抜けた感じがするのがいいんですよ。それ以外にも愛すべきキャラがいっぱい。好きだなぁこの作品。それにやはりこの作品もまた世話物っぽく市井のいろんな人が登場して、人の心のいろんな機微が描かれている。
なんでもこの作品のシリーズ第2弾が『日暮らし』だとか・・・うぅ~読みたい。でもまだ文庫になってないんですよねぇ。う~ん・・・図書館で借りようかしら。
そうそうこの作品ドラマ化して欲しいなぁ・・・なんて考えててもしかして・・・と調べてみたらラジオドラマ化されてるんですよね。宮部みゆきラジオドラマシリーズなんだかこのまんまのメンバーで普通にドラマ化して欲しいような気がする。