舞台は讃岐 丸海藩。生まれたときから誰からも愛されず、犬猫のように扱われ、名前も阿呆のほうだと付けられて育った10歳の少女ほう。無理やりに出された四国金毘羅さま参りの途中一緒にいた女中に置き去りにされ、丸海藩の藩医井上家に引き取られたことで読み書きを教えてもらい、無理のない仕事を任され、初めて人の優しさに触れ幸せな時を過ごすことが出来たほう。しかしその幸せは井上家の娘琴江が毒殺されたことで崩れていく。そして幕府からの罪人、元勘定奉行の加賀殿を預かることになった丸海藩の存亡に関わるため琴江の死は病死として片付けられる。それは加賀殿に絡み次々と丸海藩を襲う事件の前兆だった。
読み始めたとき私は思わず『おしん』のような話しなのかと思ってしまった。ところが話しはどんどん複雑になっていく。丸海藩士たち。領民たち。それぞれの思いの中で、それぞれの目の前で起こる事件騒動。そしてそこに絡んでいく純真無垢なほう。
人の心にある善と悪、強さと弱さ、明るさと悲しさ。人それぞれの生き方を通してここでもまた宮部さん独自の人間賛歌が描かれているような気がする。全編通して悲しいお話で、救いようがない・・・と感じる人もいるかもしれません。私自身、あまりにも理不尽な流れに絶句してしまいました。あまりにもたくさんの人が死にすぎる。でも、ふと思ったのですが、これってもしかしたら戦時中の日本の状況とだぶるかもしれません。どこかにそれに対する警鐘が入っているのかもしれません。私が深読みしすぎかな・・・。もうこの作品は涙なくしては読めませんよ。しかしラストはほうの明るさ純真さに救われます。これはぜひともNHKの連ドラあたりでやっていただきたいですよ。映画はダメ。これは切っちゃダメです。コツコツときっちりとドラマ化していただきたい。この作品は文庫化されたら絶対に私買います。もう一度泣きたいです。
読み始めたとき私は思わず『おしん』のような話しなのかと思ってしまった。ところが話しはどんどん複雑になっていく。丸海藩士たち。領民たち。それぞれの思いの中で、それぞれの目の前で起こる事件騒動。そしてそこに絡んでいく純真無垢なほう。
人の心にある善と悪、強さと弱さ、明るさと悲しさ。人それぞれの生き方を通してここでもまた宮部さん独自の人間賛歌が描かれているような気がする。全編通して悲しいお話で、救いようがない・・・と感じる人もいるかもしれません。私自身、あまりにも理不尽な流れに絶句してしまいました。あまりにもたくさんの人が死にすぎる。でも、ふと思ったのですが、これってもしかしたら戦時中の日本の状況とだぶるかもしれません。どこかにそれに対する警鐘が入っているのかもしれません。私が深読みしすぎかな・・・。もうこの作品は涙なくしては読めませんよ。しかしラストはほうの明るさ純真さに救われます。これはぜひともNHKの連ドラあたりでやっていただきたいですよ。映画はダメ。これは切っちゃダメです。コツコツときっちりとドラマ化していただきたい。この作品は文庫化されたら絶対に私買います。もう一度泣きたいです。