にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

覘き小平次

2005年04月15日 | BOOK
なんだか最近よく本を読んでいると自分でも思う。基本的に本を読むことは嫌いではないんだけど、結構ムラがあるんですよね。以前「京極シリーズ」にはまってしまったときはそれこそ怒涛の勢いで読み進めてしまったのですが、普通はどちらかというとペースは遅い方。カバンには何か一冊文庫本を入れていないと気がすまないのですが、読まないって時は、家でカバンから出してその本を読むということがないという状態で、ひどいときは3ヶ月くらい同じ本がカバンの中に入ってたこともある。最初の方忘れちゃってるというのも結構多かったりする(笑)。
で、今回読了したのはすっかり「京極シリーズ」で憑き物がついちゃった状態になってしまった京極夏彦さんの『覘き小平次』。読み始めてしばらくして「又市」って名前出てきたときには、いきなり読むペースが早くなっちゃいましたよ(笑)。ところが・・・又さん出てこないんですよねぇ。もしかしたら最後の方にチラッと出てきたのが又さんかもしれないんですが・・・。読み終わって知ったのですが、なんでもこの作品も「御行の又市シリーズ」だそうで・・・(^^;)。全然知らなかった。でも又さんの代わりに事触れの治平さんが大活躍・・・ではないですが、いい感じに登場してくれます。主人公は大根役者だけど幽霊役だけは誰よりも上手いと言われているそこにいるのかいないのかわからない木幡小平次。その役者の話のためか、本の間が幕間の緞帳のような模様で仕切られている。それが余計に面白味を増しているような気がする。芝居のようなリズム感のあるセリフ回しで、読んでいてすごく楽しい。バラバラに登場する人物たちが物語りが進むにつれそれぞれにつながっていく様も面白いし・・・。『嗤う伊右衛門』もすごく面白くて堪能したのですが、こちらも面白い。私は『嗤う伊右衛門』よりこっちのほうが好きかも。
読み終わったあと「フッ」と笑みが漏れてしまった。この人の作品の登場人物はすべて、どう考えても納得いかねぇ!ってのがないんですよね。なんか狐につままれたような気分になりながらも納得してしまう。それもありかな・・・と。ふと漏れた笑みは「また、やられちまった」というものかもしれない。