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今日の筆洗

2023年05月17日 | Weblog
「Leap before you look」。ためらわずにやってみよという意味で日本でも「見る前に跳べ」とよく言う。大江健三郎さんの短編の題名にもあった▼元の英語の慣用句は逆で「Look before you leap」。「跳ぶ前に見よ」である▼慣用句はイソップ話と関係がある。狐(きつね)が井戸に落ち、上がれない。そこに山羊(やぎ)が通りかかり、尋ねる。「そこの水はおいしいかい」。狐はうまいよと答える。山羊は後先考えず、井戸に飛び込む▼井戸の中で狐が提案をする。「君が支えになれば、僕が君の背中を駆け上がり、後で君を引き上げるよ」。狐はこうして脱出するが、山羊を助けない。「君が賢ければ、上り方を考えるまでは、井戸に下りなかっただろうに」▼G7広島サミットの開幕が近づく。ウクライナ問題が大きなテーマだが、各国首脳にはまず「見よ」と願う。そして「それ」が使われた場合、どうなるかをかみしめてほしい。「それ」とは無論、核兵器である。首脳による広島平和記念資料館への訪問が予定されている▼核兵器がどんな結果をもたらすか。その資料館には痛ましい「後先」がある。「Look before」。見れば、核兵器に対しもっと臆病になれる。核戦争が絶対に飛び込んではならない井戸であることを現実的に理解できるだろう。広島開催の意義はそこにある。
 
 

 


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