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今日の筆洗

2016年01月28日 | Weblog

 ベルリンの奇跡。そう語り継がれるサッカーの試合がある。一九三六年八月、ベルリン五輪の日本対スウェーデン戦。誰もが優勝候補のスウェーデンの勝利を疑わなかった。当時の日本は国際大会経験に乏しく、戦術、技術でも世界レベルにはなかった▼前半、日本は2対0とリードを奪われたが、開き直ったプレーで追いつき、残り時間五分でついに逆転。そのまま勝利した。大番狂わせである▼スウェーデン放送のアナウンサーはこう実況した。「説明できません、信じられません。日本人! 日本人!…」。アナウンサーにはその後「ヤパーナ(日本人)」なるあだ名がついた。『ベルリンの奇跡 日本サッカー煌(きらめ)きの一瞬』(竹之内響介・小社刊)に教わった▼この試合も終了間際の決勝ゴールだった。男子サッカーのアジア選手権。日本はイラク戦に勝利し、リオデジャネイロ五輪出場を決めた。ナイスゲームだった▼前評判はそれほど高くなかった。「谷間の世代」。不愉快な評を、選手は試合を積み重ねるごとに成長し、鮮やかに蹴り返した▼ベルリンの奇跡を起こした日本代表も本番までは苦戦が続いた。直前のドイツ二流チームとの練習試合でも連敗。そこから守備を大幅に見直し、奇跡につないだ。いつの世も勝利の裏にあるのは対応、修正。加えて前向きさであろう。八十年後のリオの奇跡を期待してしまう。


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