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今日の筆洗

2023年12月11日 | Weblog

かつては今より正月準備に取りかかるのが早かった。12月8日が準備を始める「事始め」だった。この日に家々では邪気払いのため笊(ざる)や籠を竿(さお)の先につけて軒口に出していたそうだが、今ではお目にかからない▼めでたい正月を迎える事始めではなく、不穏な大政局の事始めとなる兆しがある。自民党安倍派の政治資金パーティー券の問題で松野博一官房長官を交代させる方向になっている。パーティー収入から還流を受け、政治資金収支報告書に記載しなかった疑いを持たれている▼首相が店主なら官房長官はそれを支える大番頭である。政策決定、国会との調整、スポークスマン役。その大番頭が突然の交代となれば「大店(おおだな)」の先行きは危うかろう▼他にも同じ疑いのある大物議員が複数いる。いずれも党の要職にあり、松野さんが更迭となれば、これらの議員も身を引かざるを得なくなるだろう。ただでさえ人気のない岸田政権である。党も内閣もガタガタの状態になれば政権の維持も容易ではない。追い込まれかねない▼パーティー券問題を事務手続き上の誤りと軽視する空気が政府、自民党になかったか。甘いというしかなく、厳しい暮らしの中で有権者は政治家のカネを巡る、ふしだらを決して容赦せぬ▼正月準備は「事始め」に続いて、13日が「煤(すす)払い」となる。身を清める大がかりな「煤払い」が永田町に必要である。