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今日の筆洗

2021年06月02日 | Weblog

 雨の季節である。雨が急に降ってきた時、デパートでは店内のBGMを変えるそうだ▼一種の暗号でこれによって降雨を知らせ、店員に雨傘用のビニールや足ふきマットの用意などをさせる。「雨に唄えば」「悲しき雨音」など雨にまつわる曲が使われる。いつぞやの本紙の記事にあった▼この歌もやはり使われていた。ポップスの巨匠、バート・バカラックさん作曲の「雨にぬれても」。アメリカン・ニューシネマの代表作ともいえる「明日に向って撃て!」(一九六九年)の主題歌で、ポール・ニューマンとキャサリン・ロスが自転車の二人乗りに興じるシーンが懐かしい▼「雨にぬれても」を歌い、大ヒットさせた歌手のB・J・トーマスさんが亡くなった。七十八歳。もともとは別の人に歌わせるはずだったが、断られ、やむなくトーマスさんを起用したそうだ。録音ではこだわりの強いバカラックさんのOKがなかなか出ない▼雨でずぶぬれ。文句も言いたくなるが、きっといつかは晴れる。そんな歌詞だが、曲が生まれた経緯も「雨のち晴れ」だったか▼昨日のコラムの続きになる。大坂なおみ選手が「うつ」を告白し、全仏オープンを棄権した。輝くプレーの裏では大雨が降っていたのか。回復を祈る。今はずぶぬれかもしれないが、あの歌を信じるとする。雨がやみ、<幸せがやってくるのに時間はそうかからない>

雨に濡れても  [日本語訳付き]   B.J.トーマス