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今日の筆洗

2021年06月08日 | Weblog

 腕の上がらぬ月イチゴルファーにとって最も幸せな時間はおそらく朝のスタート前だろう。今日こそ、良いスコアが出るかもしれぬ。期待と希望に胸が高鳴る▼スタートすればその幸せもまたたく間に消え、やがて絶望に変わる。ティーショットは林へ。二打目はチョロ。グリーンでは三パット。二、三ホールも終われば、クラブを放り投げ、家に帰りたくなる。知らないとは言わせない▼ゴルフに関する作品も多い英作家のウッドハウスが書いている。悪い出だしから立ち直る能力。これこそが偉大なゴルファーかどうかの分かれ目なのだと。その十九歳は試練を乗り越え、女子ゴルフで最も権威ある大会の栄冠をつかんだ。笹生優花選手が全米女子オープンを制した▼目を覆いたくなる最終日の前半だった。二番、三番で連続のダブルボギー。一時は首位と六打差まで開いたが、キャディーのライオネル・マテチュックさんの言葉にあきらめなかった。「まだまだホールはあるから」▼父親が日本人で母親がフィリピン人。父親と二人三脚で筋力強化に取り組み、圧倒的な飛距離を生み出した。粘っこいラフもものともせぬ力強いショットに目を見張る▼二位は畑岡奈紗選手。世界最高峰の大会で日本勢が一、二位を占める日が来るとは。プレーオフで涙をのんだ畑岡選手にも同じ言葉をかけたい。「まだまだホールはあるから」