東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

言葉の梃子

2021年04月27日 16時12分29秒 | 新勧

こんにちは、3年の青木大吾です。

一旦区切りとなる今週の葉山試乗会では、先週と打って変わって好天と良い風に恵まれて、総勢32人の新入生にヨットに乗ってもらえました。最後には入部宣言をしてくれた新入生もいて、非常に盛り上がった会になったと思います。

以下、試乗会を通して自分が思ったことを書きますが、まずは少し脱線させてください。

 

本日4月27日、星野源さんの新曲が公開されました。文筆家でもある彼の詞には、彼にしか無い優しさが詰まっていて、僕はとても大好きです。今朝もきっと日本中で、彼の詞に涙したり、励まされたりした人がたくさんいたのではないでしょうか。それだけでなく、何かしらの変化が生活に生まれた人がいるかもしれません。休もうと思った仕事に行くことにしたり、別れた相手とよりを戻そうと決めたり。

 

言葉って梃子だと思います。発する人と受け取る人の間のどこに支点があるかは、二人の関係や置かれた状況次第で全く変わって、作用が小さくなったり大きくなったりする。休み時間にする友達との立ち話と、落ち込んだ友人がかけてきた電話とでは、発した言葉が起こす作用の大きさは全然違う。ひとつの詞で、人生丸ごと救われることだってあるかもしれない。

 

きっと新勧もそうです。僕ら現役と新入生の間にも支点があって、それはかなり新入生の方に寄っていて。僕らが不意に発した一言が、新入生の大学生活を大きく変えることだってある。最後まで迷っていたけど、先輩の「もう入っちゃえば?」という一言に背中を押されて入部を決意した、という僕の同期もいました。新勧する立場に回って、よく悩みます。別れる間際もっと話しかけに行くべきだったんじゃないか。あの子には東大ヨット部のことよりもヨット競技の話をするべきだったんじゃないか。何が正解かはわからないけど、間違いなく現役と交わすひとつひとつの会話が新入生にとっての数少ない指針になります。

 

今週から始まるクルーザー試乗会では、例年多くの新入生が入部宣言をしてくれます。あと一歩の決め手を求めてやってくる新入生に、現役の言葉が持つパワーは計り知れません。この梃子を活かすも殺すも僕ら次第です。5日間に及ぶクルーザー試乗会ですが、全力で新入生に向き合います。

 

それでは失礼します。