新しいローマ教皇レオ14世が就任しましたが、
これと前後して、イタリアのバチカンにあるサン・ピエトロ大聖堂の映像が
ニュースなどで取り上げられました。
僕も1982年に実際に行った事があります。
サン・ピエトロ大聖堂は、ペトロの墓と伝えられる場所に
後世になって建てられたとされています。
大聖堂の主祭壇下には
ペトロの墓所があるという伝承が伝えられていましたが、
実際はどうだったのかは長きにわたって謎とされてきました。
しかし1939年以降、ローマ教皇ピウス12世は
考古学者のチームにクリプタ(地下墓所)の学術的調査を依頼しました。
すると紀元2世紀につくられたとされる
トロパイオン(ギリシャ式記念碑)が発見され、
その周囲に墓参におとずれた人々のものと思われる落書きや
ペトロへの願い事が書かれているのが見つかりました。
さらにそのトロパイオンの中央部から
丁寧に埋葬された男性の遺骨が発掘されまし。
この人物は1世紀の人物で、
年齢は60歳代、堂々たる体格をしていたと思われ、
古代において王の色とされていた紫の布で包まれていました。
更に、その後「ペテロここに眠る」との記述が
発掘現場の墓地で発見されています。
1949年8月22日のニューヨーク・タイムズは、
これこそペトロの遺骨であると報じて世界を驚かせました。
さらに1968年にパウロ6世はこの遺骨が「納得できる方法」で
ペトロのものであると確認されたと発表しました。
当該遺骨は発掘後、専用の棺が作られてそこに納められた上で、
クリプタに設けられた専用の施設に安置されています。
通常は一般には公開されていませんが、
前教皇フランシスコはこの公開を許可し、
2013年11月24日、
前年10月から行われていた信仰年の締めくくりミサの中で、
この棺が初めて公開されました。
公開された遺骨は、2~3cmの小片8つで、
聖ペテロの彫刻が刻まれた銅製の箱に納められています。
DNA鑑定などが行われていないため、
今後も真贋をめぐって議論は続くとみられますが、
ローマ法王庁は
「いかなる論争も繰り広げるつもりはない」との立場を示しています。
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