天然居士のとっておきの話

実生活には役に立たないけど、知っていると人生が豊かになるような話を綴りたいと思います。

エクスカリバー

2012-07-26 | Weblog
 エクスカリバー (Excalibur) は、アーサー王伝説に登場する聖剣です。
 アーサー王伝説は、あくまでも伝説で、史実ではありませんが、
 ヨーロッパの伝説の中でも最大級の伝説で、アーサー王自身の説話を中心として、
 円卓の騎士・聖杯伝説など数々の話が派生しています。

 エクスカリバーは、2本あります。
 1本は物語の冒頭、アーサーが岩に刺さった剣を引き抜き、
 ブリテンの王者であると証を立てるのに使われた剣です。
 この剣はアーサーの父、ユーサー・ペンドラゴン王の死後、
 諸侯が新王選出のため、ロンドンに集まって会議を開催したときに、
 大聖堂前の広場に石の台座に刺さった状態であったものです。
 台座には
 「この剣を引き抜きしものは王たる資格を持つものなり」との銘があり、
 その場にいた諸侯や騎士たちが試したところ、誰も引き抜けませんでした。
 しかし、15歳になったアーサーがこの剣を引き抜きブリテンの王となります。

 ところが、この剣は、アーサー王が怒りに駆られ、
 後ろから切りかかるという騎士道に反する行為をした事で、折れてしまいます。
 そこで、魔法使いマーリンが新たな剣を授けます。
 一方、湖の貴婦人から与えられたとする話もあります。
 トマス・マロリーが15世紀に著した「アーサー王の死」では、
 湖の貴婦人から貸与されたもので、アーサー王の死により返却されます。

 最初の岩から引き抜いた剣は、カリバーン(Caliburn)であり、
 後で手に入れた剣こそが、エクスカリバーだとする説があります。
 カリバーン(Caliburn)→エクスカリバー(ExCaliburn)で、
 Exは新たなと言う意味の接頭語であるとするものです。

 エクスカリバーは、魔法の聖剣として、
 コンピューターゲームやアニメなどでも、しばしば登場するようです。
 アーサー王伝説の方が忘れられそうな気がしています。
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南洋神社

2012-07-06 | Weblog
 パラオ共和国コロール島に、
 南洋神社(なんようじんじゃ)と言う日本の神社があります。
 第二次世界大戦中の1940年(昭和15年)に、
 天照大神を祀る官幣大社として創建されました。
 敷地は約10万坪もある壮大なものだったそうですが、
 第二次世界大戦後の1945年9月アメリカの了解の下で
 奉焼式が行われ日本側の手で社殿が奉焼されました。
 広大な社地は住宅地などとなっているそうです。
 1997年10月に小規模ながら、地元の観光業者の土地に再建され、
 一般の人も参拝できるようになっています。

 官幣社は、明治時代に、律令制の延喜式にならって定められた神社の格式です。
 神祇官が祀る神社が官幣社、地方官が祀る神社が国幣社とされました。
 主として官幣社は伊勢神宮など畿内の22社や天皇・皇族を祀る神社など
 朝廷にゆかりのある神社が格付けされ、
 国幣社は各国の一宮を中心に列格されました。
 官幣社は国幣社よりも格が上とされ、それぞれが大・中・小の順があり、
 官幣中社と国幣大社はどちらが上なのかなどについては
 明確な規定はありませんが、
 官幣大社>国幣大社>官幣中社>国幣中社>官幣小社>国幣小社
 と言う順番があるようです。

 官幣大社は65社程度ありましたが、このうち6社は現在の外国にあったものです。
 台湾神宮、朝鮮神宮、関東神宮(旅順にありました)、
 樺太神社、そして南洋神社です。
 韓国のかつて百済の都のあった扶余郡にも、扶余神社を建設しようとして、
 神社として創立はされましたが、
 社殿の完成前に終戦になり、結局建設されませんでした。
 当時の日本は、新たに領土となった地域に、
 神社を創って支配を強めようとしたのでしょう。

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