2022.01.15
軽減税率制度の実施により、我が国の消費税は8%税率と10%税率の複数税率になりました。これに伴い、請求書を発行する段階で8%の税額と10%の税額を区分する必要があり、令和5年10月1日以降インボイス制度が導入されます。
そして、令和3年10月1日から「適格請求書発行事業者の登録申請」の受付も始まっています。
そこで、今回から3回に分けてインボイス制度について解説したいと思います。今回はインボイス制度の概要、次回はインボイス発行事業者の登録と交付義務、次々回はインボイスの記載事項と仕入れ税額控除の要件について解説します。
事業者が納付すべき消費税額は、「課税売上に係る消費税額」から「課税仕入れ等に係る消費税額」を控除して算出します。「課税仕入れ等に係る消費税額」を控除することを「仕入れ税額控除」といいます。
事業者が仕入れ税額控除の適用を受けるためには一定の要件があり、これまでの方法(請求書等保存方式)と異なり、令和5年10月1日からは適格請求書(インボイス)の保存が要件とされました。この仕入れ税額控除の方式を「インボイス制度」といいます。
これまでの請求書等保存方式では、一定の事項を記載した帳簿及び請求書等を保存している場合は、免税事業者からの仕入れについても仕入れ税額控除の適用を受けることができましたが、インボイス制度では免税事業者はインボイス発行事業者の登録ができない(登録番号が付与されない)ので、免税事業者からの仕入れを行う課税事業者はインボイスの保存ができないこととなり、仕入れ税額控除ができなくなります。
基準期間の課税売上高が一千万円以下の免税事業者は、インボイスに該当しない請求書を発行して消費税込みの請求をすることが理論上はできますが、仕入れ側の課税事業者は当該消費税を仕入れ税額控除ができないので免税事業者は取引から排除される可能性があります。
また、売上先に消費税を請求しない免税事業者の場合は、仕入れの際に支払った消費税を自己負担しなければなりません。そこで、免税事業者は課税事業者を選択してインボイス発行事業者の登録をする必要あります。
次回はインボイス発行事業者の登録と交付義務について解説します。
(完)
軽減税率制度の実施により、我が国の消費税は8%税率と10%税率の複数税率になりました。これに伴い、請求書を発行する段階で8%の税額と10%の税額を区分する必要があり、令和5年10月1日以降インボイス制度が導入されます。
そして、令和3年10月1日から「適格請求書発行事業者の登録申請」の受付も始まっています。
そこで、今回から3回に分けてインボイス制度について解説したいと思います。今回はインボイス制度の概要、次回はインボイス発行事業者の登録と交付義務、次々回はインボイスの記載事項と仕入れ税額控除の要件について解説します。
事業者が納付すべき消費税額は、「課税売上に係る消費税額」から「課税仕入れ等に係る消費税額」を控除して算出します。「課税仕入れ等に係る消費税額」を控除することを「仕入れ税額控除」といいます。
事業者が仕入れ税額控除の適用を受けるためには一定の要件があり、これまでの方法(請求書等保存方式)と異なり、令和5年10月1日からは適格請求書(インボイス)の保存が要件とされました。この仕入れ税額控除の方式を「インボイス制度」といいます。
これまでの請求書等保存方式では、一定の事項を記載した帳簿及び請求書等を保存している場合は、免税事業者からの仕入れについても仕入れ税額控除の適用を受けることができましたが、インボイス制度では免税事業者はインボイス発行事業者の登録ができない(登録番号が付与されない)ので、免税事業者からの仕入れを行う課税事業者はインボイスの保存ができないこととなり、仕入れ税額控除ができなくなります。
基準期間の課税売上高が一千万円以下の免税事業者は、インボイスに該当しない請求書を発行して消費税込みの請求をすることが理論上はできますが、仕入れ側の課税事業者は当該消費税を仕入れ税額控除ができないので免税事業者は取引から排除される可能性があります。
また、売上先に消費税を請求しない免税事業者の場合は、仕入れの際に支払った消費税を自己負担しなければなりません。そこで、免税事業者は課税事業者を選択してインボイス発行事業者の登録をする必要あります。
次回はインボイス発行事業者の登録と交付義務について解説します。
(完)