新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

熱燗の季節になった!

2020年10月22日 | 日記

「今日はやけに寒いね!」が「今夜は熱燗でもどう?」の意味を含むのが、飲んべえどうしの会話だった。少なくとも40年まえ、このような会話がよく聞かれた、よく誘われた職場に勤務していた。のんびりした時代だったせいもあってか、週に何回かは仕事帰り、飲み屋に立ち寄った。
 なんとなく冷えたきのう、ふと思い出して日本酒を買って帰った。久しぶりに熱燗を飲みたかった。夏の間、食欲を失い、それとともに飲酒欲も失せかけていた。涼しくなるにつれてそれが回復してきた。炭を焼いていたころ、火鉢に火をおこし、そこにカラカラを乗せて酒を温めながら飲んだものだったが、炭焼きをやめてからというもの、ウィスキー、焼酎、ワインなどに嗜好が移り、日本酒からは遠ざかっていた。日本酒は何を飲んでも甘く感じるようになったせいもあった。秋が深まったきのうになって、とつぜん昔を懐かしむ気持ちで日本酒に回帰してみた。
 黄桜の辛口一献。懐かしい味だ。日本酒は日本料理に合う。味わいが控えぎみで出しゃばることがない。肴の味を引き立てこそすれ、自己主張して台無しにすることがない。焼酎はそれ自体に味がないので、ウーロン茶で割ったり、梅干しを入れてみたりする。ウィスキーの味は自己主張が強すぎて食中酒に向かない。食前の食欲増進剤として、または食後の口直しに飲むのがよい。赤ワインもそれ自体の味を求めて飲む人が多い。健康によいとされるポリフェノールが含まれるのも魅力だが、和食に合うか。それらに比べ、日本酒はいかにも日本的だ。自らが出しゃばることなく、つまり自己主張することなく肴の味を引き立て、食欲を増進させる。ゆうべの肴は焼き魚。日本酒との組み合わせは絶品だった。
 ことしは日本酒を味わいながら秋の夜長を楽しむことにしよう。

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