ジンバブエの大統領が軍に軟禁され、ついに辞任に追い込まれた、というニュースが朝日新聞の一面に取りあげられている。ジンバブエは日本とそれほど深い関係がある国なのか。ジンバブエという国自体に関心がある人が日本にどれほどいるだろうか。
日本の外務省のホームページでODAを調べてみると、日本政府は2015年度に無償資金協力としてジンバブエに約25億円を拠出している。この辺のことが今回の政変を大きく取りあげる理由かとも思われるが、憶測の域を出ないかもしれない。アフリカの国々へ資金協力をしても、その半分ぐらいが大統領とその側近の間で消えてしまうという噂がある。ムガベ大統領夫人が浪費しているという資金の源はどこにあるのか、気になるところだ。
さて、アフリカの地名、人名には「ん」で始まるものがおおい。いま読んでいる南アフリカ共和国建設までの歴史小説に登場する人名を拾い出してみる。英語表記ではMzlikazi, Mhlakaza, Mbengu, Mhlangana, Nzobo, Mpepha, Mgalane,Nxumalo,NdelaなどきりがないほどMかNで始まるものがある。あえて日本語表記にすればンズリカジ、ンラカザ、ンベング、ンランガナ、ンボゾ、ンペナ、ンガラネ、ンクサマロ、ンデラとなる。ところが日本語では「ん」で始まることは本来は御法度なので、ムズリカジ、ヌボゾのように「ム」か「ヌ」に置き換えるほうがすわりがよいようだ。
日本人なら「どん・どん・どん」と聞きとる太鼓の音を、アフリカの多くの人たちは「んど・んど・んど」と表す、とむかし文化人類学を専攻している人から聞いたことがある。
ジンバブエの元副大統領はMnangagua氏で、この人が大統領になるらしいが、ムナンガグアと読むのだろうか。ンナンガグアのほうがよくはないか。辞任したムガベはMgabeではないかと思うのだが、ネット上のどの記事を見てもMugabeという表記になっている。ほんとうはMgabeではないのか。これは私の思い過ごしだろうか。