新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

文字に塗料を塗る

2015年01月25日 | 日記
 
 防腐処理した看板の文字に塗料を塗りました。まずは太めの筆で文字の太い部分を粗塗り、その後、ほそい筆を用いて文字のほそい部分や粗塗りでの塗り残し部分を塗っていきます。彫った文字の底部分はきれいに塗れて問題がないのですが、壁部分は塗料がついたりつかなかったりします。彫り抜いた一画一画の壁部分もていねいに塗っていきます。こちら側から見るときれいに塗れているようでも、反対側に回ってみると塗り残しがあることがあります。この看板は高い位置にかかげて下から眺めるか遠くから見るためのものですから少々の塗り残しは気にする必要がないのですが、念のためていねいに仕上げます。
ややもすると筆毛がはみ出して土手部分まで色がついてしまいますが、かまわず塗っていきます。はみ出して塗ってしまった部分は塗料が乾ききってからサンドペーパーで削りとります。
 今週末にはサンドペーパーをかけ、上から蝋を塗って仕上げます。

 日影原地区は水道管が破裂して水がでません。毎年冬にはこのような状態になります。困ったものです。今回筆を洗ったり、水性塗料を薄めたりするための水は家から持参しました。農作業用の大量の水は持参するわけにいきませんから、雨水をためるなどの工夫が必要でしょう。



薪わりの講習会

2015年01月20日 | 日記

 薪わり講習会の講師を務めました。薪ストーブに使う薪は長さが40センチ程度で、比較的簡単に割れます。割れたときには快感さえおぼえます。
 私がこれまで長いあいだ炭焼き用に割ってきた薪は長さが80センチもありました。立てて割るには相当なパワーと技術がいります。私は薪を地面に寝かせて割っていました。
 NPOが所有する薪わり機は、長さ63センチまでの薪しか割れません。それを超える長さの薪は斧を使って割ることになります。
 伐採して1か月もたてば薪の水分が抜け、切り口(切った表面)に亀裂が入ります。その亀裂が薪の割れ目になるので、そこを斧でたたなり、くさびを打ち込むなりすれば、あまり力まないで効率よく薪を割ることができます。講習会でいいたかったことはこの一点のみでした。
 NPOのホームページに18日の講習会、作業のようすを写した写真と動画が掲載されています。

ヤスリかけと防腐剤ぬり

2015年01月17日 | 日記

 看板の文字彫りのしあげはヤスリかけです。トリマーで彫っただけでは、彫った部分の周辺に細かい彫りかすが残ります。木の繊維が完全に彫りとられないで彫り溝の角や土手の周囲に残ります。それをヤスリをかけて削りとります。ヤスリにはサンドペーパーを使っています。
 これで彫る作業は終了です。
 つぎに防腐処理をします。防腐剤を塗るのですが、節約のため木酢液で間に合わせます。木酢液は小さな虫を寄せつけない効果がありますから、板の表面に何度か重ね塗りすれば十分です。市販の防腐剤のほうが効き目は強いかもしれません。板の表面をバーナーで焼きつける方法もあります。
 この看板材は、炭遊舎の看板を削りなおして使っています。炭遊舎の文字を消してから4か月ほど放っておいたら、ずいぶんあちこちを虫に食われてしまいました。何らかの防腐処理をしておかなかったのは失敗でした。
 このあと文字部分に塗料を塗れば完成です。


文字彫りのコツ

2015年01月11日 | 日記
  
 文字彫りの一連の工程のなかでは、先がとんがった部分をどう彫るかでいつも苦労します。トリマーを使えば、文字の太い部分は容易に彫れます。トリマーは回転してるので、半径2ミリのビットを使っても4ミリの太さに彫れてしまいます。3ミリ以下の細かい部分はノミや彫刻刀などを使っての手作業でしかできません。いちばん細いビットに取りかえてもせいぜい3ミリの太さになります。手で彫るのが意外にたいへんなので、私はたいてい字体を丸文字ふうに変えてしまいます。ワープロからポップ体で出した文字を角ばった部分だけ丸くしても、遠くから見れば字体が変わったようには見えません。
「藤」のように字画が多い文字にはとくに気を遣います。ともすると彫った部分ばかりになり、土手が残らないからです。土手を残すためのコツを発見しました。「書くように彫る」というものです。手で書くようにトリマーを動かす。すると彫り残した部分がそのまま土手になります。つまり、カーボン紙でなぞりとった線にこだわることなく、トリマーを使って文字を書く調子で彫るのです。
「森の駅」の看板彫りは仕上げを残すのみになりました。

 写真左は高尾山頂付近でみつけた土栗(ツチグリ)です。キノコ類でヨーロッパでは「晴天の旅人」という、と通りがかりの人が教えてくれました。



カモンイスの棺

2015年01月06日 | 日記

 カモンイスの棺はリスボン近郊のジェロニモス修道院に置かれ、ヴァスコ・ダ・ガマの棺と並べられている。棺に刻まれた文字が読めるだろうか。PARA SERVIR-VOS, BRACOと読める。「貴方のお役に立つためには腕が・・」はカモンイス自らが書いた「ウズ・ルジアダス」の最後の一節にある。貴方とは若きポルトガル王セバスチャンを指す。腕とは戦争で敵をやっつける武力のことで、詩才と並べて自分には両方が備わっていると自賛している。
 カモンイスはいまでこそヴァスコ・ダ・ガマと並び称される存在だが、生前は貧窮に苦しんだ。若いポルトガル王セバスチャンは経験が乏しく、権力欲のみ旺盛な側近たちのいいなりで宮廷内の士気があがらず、国の財政は火の車になっていた。カモンイスは詩のなかで若い国王に苦言を呈するかのような節を織りこんでいる。
 文字を読むことは見たものを正確に把握するためには必要なことであり、読める文字はできるかぎり読む。町の看板や案内板、落書きまでもが文化理解の助けになる。またいつか町に溢れる文字を写真にとりに行きたい。