衆議院選挙の投票日です。私は期日前に済ませました。もう10年以上、投票日に投票したことがありません。せまい町に住んでいますから、投票に行くと立会人のなかにかならず顔見知りの人がいます。どうも投票行動を見張られているようで気持ちよくありません。期日前投票でも立会人がいて、そのなかに知人がいることがありますが、投票所がかぎられるので、より広範な地域から立会人が選ばれ、それだけ知人に会う確率は下がります。
ところで投票用紙のこと。日本の選挙では白紙に長方形の枠だけが印刷されていています。この枠のなかへ自分で候補者名や政党名を書き込むことになっています。これって、投票する人がみな文字を読み書きできることが前提になっています。日本では幸いにして99パーセント以上の人が文字の読み書きができますから、この方法が成り立つのでしょう。難しい漢字を書けない場合はよくあります。難しい漢字の名前をもつ人はひらがなに直して立候補することができるようです。
投票所のブースのなかに候補者の名前や政党名が貼りつけられています。それがすべて縦書きなので、投票用紙も必然的に縦に使うものと思っていますが、そのように指示を受けたことは一度もありません。投票用紙を横長に置いて、横書きで候補者名や政党名を書いても有効なんでしょうね。
よその国での投票用紙はどのようになっているのでしょう。くわしく調べたことはありません。
2000年のアメリカ大統領選挙で、フロリダ州だったか開票作業上で不正があったのではないかと疑われ、公式結果の発表がずいぶん遅れたことがありました。結果的にはブッシュが当選しましたが、あのときたぶん選挙管理委員のような立場の人だったのでしょうが投票用紙を光にあて、穴がどこにあいているかを確認しているようすがテレビに映し出されました。アメリカの投票用紙は日本とはまるで異なるのだな、と思ったものでした。
考えてみるとアメリカは人種のるつぼといわれる国であり、選挙になると多種多様な人が投票します。すべての人が文字を正確に書けるわけではないのでしょう。候補者名を投票用紙に印刷し、そのなかから選ばせる方式をとっているようです。投票する候補者名に○をつけるなりチェックを入れるなりすればよいのですが、それではかってに書き換えられるという不正が横行する危険があります。そこで候補者名に穴を開ける方式が採用されたものと思われます。パンチのようなもので直径1.5ミリほどの穴を開ければ見やすいはずですが、2000年の選挙では錐のようなとがったもので突っついただけのようでした。だから点検に際しては投票用紙を光にかざして確かめていたのでしょう。いまのフロリダ州ではどのような方式を採用しているのでしょうか。
識字率が低い国では、動物の絵柄を候補者に割り当て、その絵柄に印をつける方式をとっている国があると聞いたことがあります。ほんとうでしょうか。また本名以外の名前で立候補しても許される国で、Jesus Christを名乗ってでた候補者がいたとか。そうそう日本でも羽柴秀吉さんがよく出ていましたね。あれは本名だったのでしょうか。
識字率がきわめて高い日本にいて幸いですが、他国のようすに想像力を働かせることは楽しいことです。