兵庫、たつの市にある綾部山梅林に隣接する畑で「なのはなまつり」をしている。なのはなを眺める道路ぞいに案山子がたくさん。2年まえにこのブログで紹介したときよりさらに個体数を増やし、いっそうパワーアップしている。ここにもそこにも案山子。遠くに目をやるとあそこにも。いや動く案山子だ。つまりほんもののお百姓さんか。そういえば道路ぞいのは動かない案山子だ。路上にもカメラを構える案山子がちらほら。そうだ、自分も案山子になってしまった。案山子か人間か区別がつきにくい、なんとも奇妙な気分にさせてくれる光景が一面に広がる。背景は黄一色の菜の花畑。
京都へ立ち寄った。駅前の東本願寺境内から南を眺める。巨大な毒キノコがそびえ立つ。京都タワーという。はじめて京都タワーにのぼった。いちばん上の展望室に昭和40年に撮影された京都の町並み写真があった。ビルで白く見える現代の町並みと比べると、瓦屋根のせいで全体が黒っぽい。写真を現代の町並みと比べながら見る。京都駅から北へ延びる道路の形は変わらないが、写真には路面電車の線路が写っている。昭和40年代、京都の大学へ通っていたUくんが、当時のようすを説明してくれた。奈良の実家から1年間同志社大学へ通った。京都駅から市電に乗るが、朝の語学の授業に間に合うかどうかハラハラドキドキだったという。2年目と3年目は、大学から歩いて30分の距離に下宿した。ここは私も若いころ訪れたことがあった。頭を廊下に出して寝た記憶がある。現在の風景と昔の風景を重ね合わせられる京都タワーの粋な計らいに感謝した。