新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

2025年の万博のかげで

2018年11月28日 | 日記

 岡本太郎美術館に出かけた。生田緑地内にある。岡本太郎の作品からエネルギーをもらえるかと思ったのだが、そのエネルギーのすごさに圧倒されて帰ってきた。いやはや凄い。美術、造形など合わせれば1000点を超えるかもしれない。どの作品からも溢れんばかりのエネルギーを発散している。美術作品には必ずといってよいほど原色の赤が入っている。「芸術は爆発だ!」が岡本の芸術に対する気構えだったが、さすがに「爆発」を感じさせるものばかりだった。
 しかし岡本太郎という人、心が安らぐ時間などあったのだろうか。平和に人生を送ることを標榜しているものにとっては、対極に位置する人だ。
 きゅうに岡本太郎の作品を観たくなったのは、大阪万博開催が決まり、1970年の万博を思い出す機会が増えたからだ。大阪万博には開催されていた半年の間に数回、足を運んだが、岡本の作品である「太陽の塔」を実際に自分で直接、観た記憶がない。屋根から頭部が突き出ているのをテレビ・ニュースや写真でよく観るが、あれを直接、観たことはない。中央の入り口から出入りしなかったからだろう。並んで長時間、待つのがせっかちな私の性に合わないので、出入りは中央ゲートでなく脇のゲートを利用したはずだ。当時、人気ナンバーワンを競っていたアメリカ館にもソ連館にも入らなかった。アメリカ館にはその前年にアポロ11号が持ち帰った「月の石」が展示されていたため、入館するためには3時間待ち、4時間待ちなどの長蛇の列に並ばなければならない。そのようなことをする気はさらさらなかった。アジア、アフリカなど小さな国のパビリオンに入っただけだった。万博に行っただけ、その場の雰囲気を味わっただけ、というのが正直なところだった。
 では、2025年の大阪万博でもおなじような行動ですませることになるか。ただ1970年のときよりは、もう少し賢明になったような気がする。大阪府は万博会場を埋め立て地、夢洲につくるといっているが、ここはもともとカジノを誘致する場所だった。ただそこへ人を運ぶ鉄道や道路を整備する費用がバカにならないので躊躇していた。今回、万博のためという大義名分を得て、万博準備の予算ですべてのインフラ整備を執行できることになった。めでたし、めでたしと大阪府の幹部も日本政府も胸をなでおろしているに違いない。万博会場建設でわいわい騒いでいる間に、公認賭博の最たるものであるカジノ建設がひそかに同時進行するかもしれない。成り行きを注視していきたい。

写真は生田緑地にあるメタセコイアの木。スギ科の木で、高さ80メートルぐらいか。下の写真は美術館前の庭にある「母の塔」と、館内で唯一、写真撮影を許された場所。
  





夢よ、ふたたび!

2018年11月25日 | 日記

 大阪万博開催が決まった。喜びたい。東京五輪から大阪万博へ、50年あまり前にみた流れだ。団塊の世代が懐かしがる流れでもある。高度経済成長を実現させる起爆剤としても絶大な効果があった、と私は思っている。
 東京五輪が終わるとひょっとして国の財政が破綻するのではないか、という明石順平さんの言を聞いたことがあったので、今回、大阪万博のニュースをみたとき、これで国の寿命が5年延びる、という印象をもった。人間、生きていくうえでなにか刺激になるもの、喜びになるもの、これを終えたらつぎのステップが待っていると思えるものが必要だ。国にとってもそのような面があると思う。国民全体の精神を高揚させる行事、国民全体を一丸にして立ち向わせる行事が必要だ。東京五輪と万博はそれにうってつけの行事だ。なにしろ、一度通ってきた道だ。それをめぐるさまざまな状況に違いがあるとはいえ、日本が、そして世界の多くの国が歩いてきた道を歩むのだから、大きく外れることはあるまい。
 
 明石順平さんの説をくり返しておく。日本国はいま借金大国になっている。国の財政が抱える負債がすでに1000兆円をはるかに超え、刻一刻と膨らんでいる。借金返済のために緊縮財政をしくことを迫られてはいるが、それをすると日本の経済が萎縮し、税収が大幅に減少する。借金返済はさらに遠のく結果を生みかねない。かといってこのまま借金をつづけていってもいずれはギリシャやベネズエラのように国の財政自体が破綻する。日本の信用が下落し、外国投資家のみならず日本人投資家も資金を外国へ移してしまうだろう。にっちもさっちもいかなくなっているのが日本の現状だ。
 日本政府は物価上昇目標を2パーセントに設定しているが、それも達成できない。物価を上昇させれば、その分だけ貨幣価値が下落し、借金が目減りすることになる。じつは多額の借金を抱えている人にとって、物価上昇、インフレというのは願ってもない経済状況だ。国にとってもおなじで、政府はそれを目論んでいるのではないか。
 東京五輪までは精神的な高揚で、どうにか今のままの経済水準を保てそうだが、東京五輪が終わると国民全体の高揚感がなくなる。そのときが危ない。
 くわしくは明石さんの著書「アベノミクスによろしく」を読んでほしい。なおネット上にも「モノシリンの3分でまとめるモノシリ話」を載せている。





河口湖のモミジも塩害か?

2018年11月21日 | 日記


 河口湖のモミジも塩害を受けたようです。台風で潮風が奥地まで入り、各地の木に塩分をまき散らしたため、葉が枯れてしまう結果になっているようです。
 もみじ回廊へはほぼ毎年、行っています。今年は色づいていても一部です。上半分が枯れて下半分が色づいている木が目立ちました。久保田一竹美術館の庭に生えている松の、松葉が半分枯れていました。明らかに塩害です。
 海辺の地域で木が塩害を受けていることはしばしば報道されていましたが、海から遠く離れた地域でも同じような事態が発生していることはあまり語られません。海風はずいぶん奥地まで塩分を運んでいるようです。ほかに考えようがありません。
 富士吉田の富士山ミュージアム前にあるモミジトンネルは全滅でした。すでに散ったあとのモミジ絨毯の上を歩きましたが、絨毯の色は赤というより茶色でした。
 立冬を過ぎても暖かい日がつづき、河口湖畔の桜が芽をつけています。2か月ほど早いのではないでしょうか。
 
 ニッサンのゴーン会長が逮捕されたニュースは、ここ20年あまりニッサン車に乗っているものとして多少は気になります。でもニッサン車にまで影響が及ぶことはないでしょう。それよりニッサンがルノーの支配下に入ることにノーを突きつけた社長たちに快哉を叫びたいほどです。CEO(最高経営責任者)の肩書きを失っても、やはり怖い存在だったということでしょうか。
  





ヘンな法律

2018年11月19日 | 日記

 法律なのか県の条例なのか定かには知らない。法律上の七面倒くさいことをうんぬんするのは苦手だ。ところがこのたび自治会を法人化するにあたって、その作業を手伝う仕事に巻き込まれてしまった。
 自治会を法人組織にする作業を進めている。その第一の目的は、集会所が立っている土地を地主から買い上げて登記するためだ。そしてそのために市から補助金をもらうためだ。市役所まちづくりセンターの人にご足労願って、さまざまな疑問点に答えてもらった。
 自治会法人という法人組織が定められたのは平成3年だったという。自治会法人が非営利団体であることは他のNPOとおなじだ。自治会員から徴収する会費で運営され、祭りなどでの多少の売上げ収益金も自治会運営にあてることができる。これまでの自治会ともっとも大きく異なる点は、規約改正などの重要案件で構成員の4分の3の同意が必要になることだ。その構成員というのが問題だ。
 いまの自治会の会員は世帯単位になっている。私がいま所属する自治会はおよそ60軒の世帯で構成されており、総会での議事は出席世帯の過半数の賛成で成立する。ところが自治会法人に移行した場合、構成員という、世帯とは別の概念が生じる。4人家族の場合はその世帯が自治会に所属すれば、4人の家族全員が自治会法人の構成員になる。その構成員のなかには未成年もいれば、後見人が必要な老人も含まれる。すべての構成員が平等に1票をもつことになる。しかし幼い子どもたちが集落の実状を見据えて1票を投じることができないので、保護者に白紙委任することになる。文字を書けない赤ちゃんにも1票が与えられ、保護者がその白紙委任状を作成するというのだから、これは問題だし不合理だ。3人の幼い子どもをもつ家庭ではその保護者が3票の白紙委任状を作成する権利を有し、子どもがいない家庭では自分自身の1票しか投票権がないとは、なんとも不合理だ。
 平成3年以来、法人化した自治会ではなにも問題が生じていないのだろうか。





薪割り機の威力

2018年11月18日 | 日記
   
 朝から曇り、一時晴れ。寒くはない。作業して体を動かしていると汗ばむほどだった。
 久しぶりに薪炭クラブの仲間16人が集まった。伐採班と薪づくり班に分かれて活動している。
 先月は伐採班だけが活動し、写真のようなクヌギを玉切っておいてくれたので、薪づくり班はそのクヌギを薪割り機で割る作業から今日の作業をはじめた。薪割り機は刃に向けて薪を油圧で押しつける仕組みになっている。油圧だからレバーを押すだけでスイッチが入り、40センチの長さに切った薪を刃に向けて強力にぐいぐいと押しつける。たいていはそれで薪は簡単に割れる。ところが木があまりに堅いと薪が刃に食い込むことなく停まってしまう。そこでレバーをさらに強く、体中の力をレバーにかけるようにしてさらに押しつける。するとまた薪が刃にぐいぐいと食い込みはじめる。これがおかしい。油圧式の薪割り機なのに、最後は力の勝負になるところがおかしい。どのような仕組みになっているのだろう。
 伐採班は薪割り作業場、兼薪置き場のすぐ南の山の麓で作業していた。伐採現場の下から、まっすぐに伸びた杉、檜の間にみえる薪づくり作業場を写真に収めておいた。