新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

拾い読みもまた愉し

2022年01月28日 | 日記

 1930年代初頭、すでに70歳代になった自動車王ヘンリー・フォードは、自社の新車披露にまさかりを持って登場した。居並ぶ新聞記者たちをまえに、自慢の新車にまさかりを振りかざし、まるで薪割りをするごとく新車にまさかりの刃をあてた。新車の車体は一瞬へこんだが、すぐに元の形を取りもどした。車体の素材を伸縮性のあるものに代えたのだった。
 第二次大戦直後のアメリカ、ワシントンD.C.でのこと。ストッキングを3000着仕入れた会社が店頭販売予定をメディアに発表した。販売当日、電話応対スタッフを12人ほど待機させたが、発売時刻になっても電話は一本もかかってこなかった。じつはあまりにもおおぜいがいっせいに電話で問い合わせしようとしたり、知人友人にストッキング販売を知らせようとしたために、街の電話全体がパンクしてしまったのだった。それほど女性たちのストッキング熱が昂ぶっていた。
 このようなエピソードが多くちりばめられている「Plastic/The Making of a Synthetic Century(プラスチック/人造繊維の世紀)」は魅力ある本なのだが、悲しいかな化学的知識に乏しい私にはついて行けない部分が多い。もっぱらおもしろいエピソード部分だけを拾い読みしている。コールタール、セルロイド、セロファン、サランラップ、ペットボトル、ベークライトなどについて書いてある。


またまた新型コロナに翻弄されている

2022年01月19日 | 日記

 非常勤ながらも英語教師を続けている。感染急拡大を受けて今週の仕事がなくなった。中央線と立川駅の混雑を避けられることで内心ホッとしているいっぽうで、生徒たちのことが気にかかる。先週末に大学入学共通テストがおこなわれたが、本番前日の夕方5時に質問に来る生徒がいた。質問自体が目的ではなく、いつも教わっている先生と話をすることで安心感を得たかったようだ。2月には一般入試の本番を迎える。早稲田大、立教大、中央大、成蹊大などが今年の生徒たちのおもな志望校になっている。それに向けて過去問などを解く練習を重ねてきた。これから1週間で総仕上げ、心の準備をするはずだったのに、予定が狂わされた。憎むべきは新型コロナウイルスだ。
 また2年生、1年生にとっては今週末の英検一次試験に向けて準備をしている時期だった。これについても、とつぜん予定を狂わされてしまった。
 さてオミクロン株ウイルスは、マスメディアが騒ぎ立てるほど危険なウイルスではないのではないか。インフルエンザと同じようなものと考えて、学校は学級閉鎖程度で対応してはどうか。法律上、2類相当の病気として取り扱うことにおける国民にとってのメリットは、治療費、ワクチンなどが無料になることだが、それとて費用負担をのちの世代に先送りして背負わせるだけではないか。



「ペリカン文書」を読んでいる

2022年01月09日 | 日記

「The Pelican Brief」は「ペリカン文書」の邦題で訳書が出版されている。いま英語で読んでいる。
「ペリカン文書」を執筆したのはニュー・オーリンズの大学2年生、法律専攻の女子学生ダービー・ショーだ。文書が急所を突いていたためか、ダービーの命が狙われている。だれが狙っているか。半分読んだところで石油王の名前が浮上している。文書の中身はまだ明らかにされていないが、この石油王にとって都合が悪い内容が書かれているらしいことがうかがえる。米国大統領にも利害が絡むらしい。大統領は再選を控え、自分の支持率を気にする。大統領自身はロナルド・レーガンをモデルにした、のほほんとした性格で、側近が政治の舞台裏すべてを牛耳っている。殺し屋とも連絡をとっているらしい。
 まずは連邦最高裁の判事2人が何ものかに殺された。共和党政権にとって目障りな意見を主張する判事たちだった。つぎにダービー・ショーの大学で法律を教える教師であり、ショーと愛人関係にあったキャラハンが殺される。キャラハンがショーといっしょに乗る車に爆発物が仕掛けられ、二人いっしょに殺されるところだったが、間一髪でショーは命拾いする。さらにショーが書いた文書をキャラハンから受けとったFBI幹部が殺される。ダービー・ショーは逃げ回る。殺し屋キャメルにあとをつけられ、つかまる寸前にショーを救った男は何ものか。ショーはこの物語のなかでは紅一点、とても魅力的な女性として登場するので最後まで死なないはずだ。映画ではジュリア・ロバーツが演じている。
 スリル満点のミステリーで、小説として書かれたものを映画で見るのは得策ではないだろう。小説は小説で、しかもできれば原語で読みたい。テレビでジェレミー・ブレット主演の「シャーロック・ホームズの冒険」を観ている。いまいち面白さを感じない。ホームズシリーズを邦訳、文庫本で全巻を読んだときにはほんとうにおもしろかった。ホームズの細かい推理力に魅力を感じ、ストーリーとしての魅力を支えていた。「刑事コロンボ」はもともとテレビドラマとして製作されているので、ストーリーのクライマックス部分が最終場面にあり、見る人の興味を最後まで持続させてくれる。やはりテレビドラマはテレビで、小説は本で味わいたいものだ。



忍野八海

2022年01月04日 | 日記

 写真は忍野八海の中央部に位置する湧水池。直径4メートルほどの小さな池だが、深さは8メートルとされている。毎年、潜水の専門家がこの池に潜って、底浚えをするらしい。底には観光客らがお賽銭のつもりで投げ込んだ小銭が沈んでいる。池の周辺には「お金を投げ込まないでください」という注意書きが何か国語かで書かれている。神社ではない、仏閣でもないのになぜかお賽銭のつもりで小銭を投げたくなる。ありがたいところという意識が先立つのだろう。そういえばイタリアのトレビの泉にも小銭がいっぱい投げ込んであった。ありがたいものと考えられるものをみて、自分もその御利益に預かりたいという人類共通の感覚があるのだろう。
 さて今年の正月、地元にある岩楯尾(いわたておの)神社へお参りした。この地に40年近く住んでいながら初体験だ。行ってみて驚いた。地元の人たちがぞろぞろ歩いてやってくる。知人が多いので新年のあいさつを交わす。そうか、この辺の人たちは信心深いのだ。いやたんに慣習に従っているだけか。車をとばして冨士浅間神社にも行ってみた。お参りするには長い行列に並ばなくてはいけない。雰囲気を味わうだけにした。忍野八海も賑わいすぎていた。前回行ったときには中国系の観光客に辟易したが、今回もまた人の多さは変わらなかった。新年の初ドライブを楽しんだだけに終わった。