横浜、里山ガーデン。キバナコスモスが目立っていました。
岩波新書の新刊「60歳からの外国語修行」を4日で読み終えました。電車のなかで読む本と決めていましたからもう少し時間がかかると見込んでいましたが、意外に早く読めました。読みやすい本でした、翻訳家、青山南さんがスペイン語を習おうとメキシコで生活をはじめる話です。この本には早くから目をつけていました。9月はじめに岩波書店の広報誌に大きく載っていたので8月に出版されたものと私が勘違いして、ジュンク堂書店の店員さんをあわてさせてしまったほどに期待していた本でした。
青山南さんは名前だけはすでに30年ほどまえから知っていました。フリーランスの翻訳家として、訳書をつぎつぎに出されていましたから。私はたぶんその1冊も読んでいません。興味の対象が青山さんとは微妙にずれていたせいでしょうか。しかし翻訳家が書く文章は総じておもしろく、ためになります。青山さんが語学留学のために滞在し、ホームステイしたグアダラハラはメキシコではメキシコシティーに第二の都市としてその名をよく知っていました。
翻訳家が書く文章は読みやすいのです。読みにくい原文でも読みやすい日本語に仕立て上げることが翻訳家の仕事ですから、それにずっと携わってきた人の文章はほぼ例外なく読みやすいものです。また漢字かな遣いのしかたがとても参考になります。漢字がおおい文章は堅ぐるしく読みにくいものです。ことばの使い方もおおいに参考になります。
この本ではいたるところにスペイン語が登場します。それも初歩的なスペイン語が・・。動詞の活用だったり、簡単な言い回しだったり。私はなんとなく優越感を感じながら読みすすめました。青山さんがある程度の年齢になってからNHK講座でスペイン語をはじめたのに比べ、私は学生時代にすこしばかりかじっていたのですから、あたりまえかもしれません。
メキシコの歴史についても触れてくれています。1968年10月、メキシコオリンピック開会のわずか数日まえに学生運動の活動家たちが何人も政府当局によって殺された痛ましい話など、これまであまり人口に膾炙されなかったことを話題にしてくれています。
メキシコへ語学留学にきている他国の人たちについても、また語学学校の先生たちやホストファミリーのことなど興味深い話題が満載されています。グアダラハラへ行ってみたくなりました。