「たぬきせんべい」の山ある記

ニフティの「山のフォーラム」が消滅したのでブログを始めてみました

【奥秩父】天理岳

2005-10-22 20:18:59 | 道不明瞭

天理尾根を辿って両神山を目指す予定でしたが、天理岳から下る時にルートを誤り、尾ノ内沢から伸びる林道「八日見線」に下ってしまいました。天理岳までの天理尾根は雨で岩が濡れていたこともあって、慎重な行動を強いられました。天理岳からの下りは急下降が続きますが、赤テープの目印がしっかりしていました。登り始めてから下ってくるまで猪一頭、山鳥数羽に出会っただけの静かな山行でした。

【日 程】2005年10月22日(土)日帰り
【山 域】奥秩父
【山 名】天理岳
【メンバ】単独
【天 候】曇り一時雨
【参 考】分県登山ガイド10埼玉県の山(山と渓谷社)1995年版
【コース】日向大谷口(9:50)→奈良尾沢峠(10:20)→天理岳(12:00)→林道(13:15)

3週間前にも乗ったバスは、紅葉が始まる時期になって乗客が少し増えていた。雨模様の天気だったがちょうど日向大谷口に着いたときに降りが強くなり、雨具を着る。西沢沿いの山道から登るつもりだったが、雨も降っているので分りやすい奈良尾沢峠を経由することにした。

バス停から車道の右手にある階段を登り、道標に従い右へ山腹を巻く道に入る。すぐに朽ちかけた道標があり、左に登る道に入る。奈良尾沢峠までは比較的はっきりしている。「天理岳」と記された道標に従い、左に天理尾根への道に入ると藪っぽくなるが、踏み跡自体ははっきりしている。ルート上に動物の糞が見られる。熊だろうか?と緊張する。はっきりした尾根筋はだんだん両側が切れ落ち、岩っぽくなってくる。岩場の登りになって左手の展望が開ける。ガスはかかっているが稜線の連なりが素晴らしい。雨もとりあえず上がった。ルートは赤テープの目印があるが、一部不明瞭な部分もあり、しっかりルートファインディングしないと行き詰ってしまうところも出てくる。雨で濡れているため岩場は慎重に通過する。

途中、平凡な部分も出てきて、天理岳までなかなか遠く感じる。いよいよ天理岳の登りになり、かなり頂上に近づいたところで、大きな音がした。猪だった。猪はしばらくその場にとどまっていたが、威圧するような唸り声を上げて、去っていった。しかし、こんな頂上に近い険しいところまで上がって来るとは・・・。かなり大きな猪で、向かってこられたらと思うと緊張した。頂上直下には、ここまでで初めての鎖が整備されている。しかしそれほど困難な所でもなく、ここまでの方が危険な部分もあったのにと思う。

小さな祠のある頂上は紅葉がきれいだった。ガイドブックによればこれが南峰。ちょうど正午になってしまい、予定通り両神山を回って日向大谷口に戻るとすると、最終バスに間に合わないかもしれない。天理尾根からどこかでエスケープしなければならないかなと考える。とりあえず、もう少し天理尾根を辿ることとし、南峰から左へ踏み跡を辿ると、もう一つの祠がある。これが北峰のようだ。これを過ぎて左手に下る踏み跡があり、赤テープの目印が続いている。すごい急下降となって立ち木を頼りに下っていく。

天理岳から直接下るルートがあるとは思っていなかったので、天理尾根に出ると信じてしまってどんどん急下降してしまった。これは天理尾根に出ないと気づいた時にはすでに遅く、いまさら登り返してもこのタイムロスでは結局、どこかでエスケープしなければならない。少し早いけどこのまま下ってしまおうと決めた。しかし、この時点ではまだ天理岳から南東に下る尾根に乗っていると思っていた。赤テープの目印はしっかり続いており、尾根形もはっきりしている。

やがて、伐採跡の展望が利く所に出た。ところが山肌に送電線が走り、下には集落も見える。えっ、これはどこだ?あわてて磁石を取り出す。これで初めて北東に向かって下っていることがわかって愕然とした。見えているのは坂本バス停あたりの集落のようだ。こっちへ下ってしまうとバスの便は非常に悪く、時刻も早すぎるが、もはや仕方がない。さらに下ると送電線の鉄塔の下に出て、送電線巡視路を辿って林道に出た。林道を下っていくと「尾ノ内渓谷」という幟が立っている所にでた。駐車場、休憩所、バーベキューの設備なども整っている。しかし天気が悪いせいか閑散としていた。

バスの時刻まで二時間以上の時間つぶしが必要で、尾ノ内沢を途中まで辿ってみる。吊橋から始まって、途中まで木橋など整備されているが、やがて山道となり沢を渡るところで、丸太が流されかかっている。雨で岩が濡れているので下手をすると滑って沢に落ちそうなので、ここで引き返した。このコースは沢靴で来たほうが良さそうだ。バス道路まで出て、坂本に向かう。途中の橋詰バス停の少し先で西岳新道の入り口も確認しておく。坂本バス停に着くと二子山へ登ったというハイカーが一人、バスを待っていた。