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仕口補強ダンパー取り付けにあたっての注意事項


SDU仕口補強ダンパー(写真参照)は、1ヵ所取り付けると壁倍率0.5の壁を1m取り付けたと同じ効果があるという説明がされています。実は、これって補強計画を考える建築士にとってはかなり都合がいいものなんです。なぜなら壁を増設したいけどできないとか、あと少しだけ壁倍率が欲しいというときに使用して、補強後の耐震精密診断総合評点を上げることが可能だからです。(補助金をもらうためには、総合評点をある一定基準まで高めるような設計・工事を行う必要がある)また、小屋裏内から取りつけるだけ(実際はかなりきついですが)という簡単さも魅力的です。実は私もよく使います。そして、だからこそSDU仕口補強ダンパーの問題点とか注意点をしっかり把握するだけでなく、ここでも書いておく必要があると思うようになってきました。

そもそもSDU仕口補強ダンパーの性能は、4個使用における試験体の性能により算定されています。だから、壁倍率0.5の壁を1m取り付けたと同じ効果というまわりくどい説明になるわけです。わかりやすく説明すると壁には2本の柱がありますが、その柱の頭部分と脚部分に合計4個取り付けてはじめて効果が期待できるものなのです。注意事項でも1個使用より2個使用・4個使用がより確実に性能を発揮できますと書いてあります。(写真のように1個より2個使うほうがよいというわけです。)

その他に注意事項で重要なのは、SDU仕口補強ダンパーのみの強化工事は、既存耐力に負う部分が大きくありますので、既存筋交い金物や土台・柱金物が無い場合は、この部分の金物補強により確実性が増しますので取付をお願いしますという点です。ようするに仕口補強ダンパーをやたら取りつけるだけの工事では、効果がありませんよという警告をメーカー側がしているといっても言い過ぎではないわけです。

SDU仕口補強ダンパーは、制振効果も併せもつ耐震強化補助材です。優秀な商品ですが、あくまで補助材ですから、メインで使ってはならないわけです。また、簡単で便利なものほど、しっかり施工しないと効果を発揮しないことが多く、ただ小屋裏内から取り付ければいいと安易に考えて施工するようでは危険です。
仕口を補強する商品は、SDU仕口補強ダンパーだけではありませんが、どれも共通して以上のことはいえると思います。私も随分、補強工事を経験しましたが、経験したゆえに落とし穴もあるように感じます。やはり、基本は筋かいや構造用合板・複合鋼板耐震壁による補強という考え方だけは、しっかりもって臨みたいです。金物だけの補強は、私は正直不安というか怖いですね。

ちょっと今回は難しい話でした。
ようするに金物ばかりに頼った補強は、危険だということを書きたかったわけです。
わかりにくくてすいません。
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