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補強工事中によくある事例


現在、大井川町上新田地区で木造住宅耐震補強工事を行ってます。
昭和46年に建てられた住宅で、開口部が多いため壁量が不足しているのが特長です。
昔は、法事は全部自宅でやった方が多かったのでどうしても和室8帖間と6帖間の通し間を設置することが多く、そのために壁が不足してしまうという結果を招きます。ただ、縁側があるので助かりました。ちょっと文章で説明するのは難しいので控えますが、新潟県中越地震による倒壊が少なかったのは、柱が太かったという点と縁側があったという点が影響しているという話を聞いています。確かに理論的にも説明がつく話です。補強計画では、数少ない壁を構造用合板を中心に補強し、柱頭部を仕口補強ダンパーで固定するといった内容としました。工事金額は、89万円(税込)で補助金は50万円支給されるので実質事故負担は、39万円となります。依頼者が地震で傾いてもかまわないから倒壊だけ防いで欲しいといわれています。

どの住宅でもそうですが、床下や小屋裏裏はよくみますが、この住宅は特に診ましたね。
だいたい、どのあたりを補強するかは、予想できるようになったのでここに梁桁があるかどうかとか基礎があるかどうかということを調べるわけです。補強工事中に基礎がなかったり、梁桁がない分かるのと事前に分かっているとでは大きな差があります。最初の頃がそれができなかったので苦労しました。
もちろん、蟻道はないかとか、基礎の破壊がないかどうかも調べます。ただ、私の中では、基礎が相当悪い状態でない限りは、基礎の優先順位は低いままです。
ちなみに最初に小屋裏を診て、番最後に床下を調べます。
服が相当汚れるため、汚れた状態で各部屋を調査するとご迷惑をおかけしますから。
ときどき、蛇の抜け殻とか発見して、一人床下でビックリすることもあります。

床下調査で特にみたいと思うのは浴室付近です。
水漏れの可能性が高く、土台が腐食していることがあるからです。今、補強している住宅でも精密診断時に浴室の水漏れが分かり、補強工事の際に補修するということになりました。(写真参照)

耐震補強工事をやるとあれもこれも悪いように思えてきて、きりがないという状態になりがちです。
病院にいったらあそこもここもわるいといわれ、治療繰り返し薬漬けにされてしまったというパターンと似たような状態に建築業者からされてしまう危険性はあります。
浴室から水が漏れていた。ユニットバスにした方がいいですよ。追加工事で100万円頂きます。なんてことも意外と多いかもしれません。
でも実際は、浴室のタイルを張り替えるだけで解決することもあります。腐食した土台も修繕できることもありますし、ぬれているだけで水漏れを防ぎ、乾燥させればそれほど大事に至らないこともあります。不用意に危機感を煽り立てるのはどうかなと思うのです。

確かにユニットバスに変えるという選択肢もありです。
ただ、本人が家もう古いわけだし、今の風呂が気に入っているといっているのに無理に勧めるのもどうかなと思います。住宅の修繕には、この方法しかないということもありますが、いくつかの選択肢があって、それを提案して判断を仰ぐという姿勢が求められるのではないでしょうか。

この住宅では、タイルの張替えを決断されました。
ユニットバスにすると狭くなるから嫌だそうです。
確かにユニットバスにするといい点もありますけど、狭くもなりますね。
正直、ちょっと修繕すれば結構使えることって考えてみると多いんですよ。
新しくした方が安いですよってよく家電で耳にしますが、なんだかそれも変な話だなとか思うときがあります。
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