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瓦の桟について考える

今回は瓦桟について書きたいと思います。
ようするに今までの私は瓦の桟についての認識が甘かったが、これからは違うというお話です。

私は今まで瓦の割りやデザイン、屋根勾配等には注意していました。
和瓦で軽量化されたものはないかと自分で調べてみつけたこともあります。

対して、桟について詳しく検討したことがありませんでした。
つまり、瓦業者任せだったわけです。

これまで取引していた瓦業者は実績も豊富で知名度もあったため、任せて大丈夫だろうという変な先入観が働いたことは確かです。
しかし、監理者や管理者は、どういう外注業者だろうと信頼しても信用してはいけないのです。
法華寺本堂修理で瓦について念入りに検討した結果、その点を痛感しています。

結論から書きますが、瓦の品質確認と同じくらい、瓦桟の品質確認は重要なのです。
では、瓦桟とは何か。
それを簡単に写真を使いながら説明します。

現在の瓦葺きは土を使用しないことが多く、屋根下地の上に桟を固定し、その桟に瓦を引掛けて固定しています。



写真は法華寺本堂。
横桟と縦桟取付がほぼ完了した状態。
法華寺で使用した桟の厚みは縦横共に15㎜、樹種は杉で品位は赤身です。
材はこちらで支給しました。







瓦の裏面にはツメがあり、このツメが横桟に引っ掛かることで瓦の落下を防ぎます。
桟がしっかりしていなければ瓦が屋根下地と一体化されていないということになるため、その役割は重要です。

瓦業者によっては、厚み15㎜と記載しておいて、実際は12㎜の桟を使用する可能性があります。
桟の品位も特に記載がなければ、白太で納品される可能性があります。

瓦の品質検査と同様に桟や今回は省略しましたが木面戸の検査も必要だと思います。
少なくとも私は自分たちで支給するか、瓦業者が用意する場合は検査を行った上で使用させます。

ちなみに下葺材は、アスファルトルーフィングではなく、レボ3。
静岡ではあまり使用されない下葺材だが、流し桟が不要といったアスファルトルーフィングにはない利点も多い。
レボについては、十分検討した上で採用しました。

レボ3について

下葺材のレボには3㎜程度の突起物があり、その上に横桟が置かれるため、横桟と下葺材との間に3㎜の隙間が生じます。
この隙間の効果はレボ3のHPに詳しく記載されているのでここでは省略。


今回の法華寺本堂の屋根瓦工事は、長く取引していた瓦業者が手がける予定でした。
しかし、瓦の仕様を検討する過程で監理者・監修者・管理者の3者が希望する仕事はできないということがはっきりしたため、御前崎にある河原﨑瓦店に変更となりました。

私は、河原﨑瓦店と初めて会った時、桟についての考え方について確認したところ同じ考え方でした。
下葺材をアスファルトルーフィングではなく、レボという静岡では珍しい材料を使用したいという申し出にも快く応じる姿勢を見せたため、非常に柔軟性と勉強熱心であると感じました。

監理者・監修者から河原﨑瓦店で瓦工事を行うことについて了解を頂きましたが、そもそも私が桟に限らず瓦の仕様全体について瓦業者任せな部分が強すぎた点が原因です。
いろいろ管理者として反省すべき点が多々あります。





先日、瓦の荷揚げが終わりました。
河原﨑からは「絶対にいい仕事をしてやるぞ」という気概が感じます。

私も管理者としてきちんと現場検査や監理者への報告・相談は緊張感をもって行っていきます。


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法華寺本堂修理工事


写真1:野垂木完了時


写真2:野地板完了時


写真3:登り裏甲・破風矧木


写真4:下葺作業(REVO3)

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法華寺本堂修理工事も屋根下地が完了し、外陣床修理作業に移行しています。
写真3を少し解説します。
修理前は、箕甲部分(正確には破風尻部分)の瓦や屋根下地の納まりが悪く、雨漏りの原因となっていました。
そのため、破風尻部分を矧木、登り裏甲を1段から2段とすることで改善することにしました。

法華寺本堂は妻入りであるため、大破風や登り裏甲の形状は本堂の印象に大きな影響を与えます。
今までと印象が大きく変わってしまうようでは保存修理と言えませんし、雨漏りが改善できないようでは本末転倒です。

そのような理由もあり、この部分は何度も何度も検討しました。
原寸図は私が担当(加工は大工)しています。

加工も相当大変だったと思います。
きれいに納めて頂いた大工さんたちに感謝です。

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