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停滞期

山梨県のお寺様から頂いた仕事がひと段落した後、今一つ調子が悪いとき続いた。
体調が悪いというよりもテンポよく働けていない感じだった。

原因はいくつか分かっている。
ただ、その原因を取り除くのは容易ではない事情もあった。
どちらかといえば外的要因によるものだったからだ。

その外的要因もなんとか取り除けたのだが、それですぐに回復できたわけでもない。

どうやら良かれと思ってやったことがことごとく裏目に出てばかりなので、下手に動くのやめることにした。
少し先延ばしにしていた宿題というか課題を一つ一つ黙々と取り組むことにした。
下手にじたばた動かない方がよいと思った。
もちろん経営者である以上、最低限やるべきことはある。文字通り何もしないわけにもいかない。

しばらくすると疲れが出たのか風邪をひきそうになったので少し休むことにした。
文字通り何もしないでじっと寝る方がよいと思った。久しぶりに平日の午後自宅で寝た。

そして、今日あたりから事態が好転しだしたように思えることが続いた。
体調も良くなってきたが、思いのほか停滞時期が長かったように思える。
それでもなんとかこの時期をしのげたことは大きい。
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耐震補強









木造住宅への耐震補強に関するご相談や依頼を頂くことが最近多いことから過去の事例を少し紹介したいと思います。

写真の住宅は最近補強工事が完了した住宅。
補強プランを2種類提案。
(コスト重視の内部からの補強案と外部改修を兼ねた補強案。)

最終的に後者をお客様が外部改修を兼ねた補強を選択。
いろいろ検討した結果、マットブラックという艶消しのGL鋼板外壁となった。
(外壁がモルタル部分については、対比して明るめの色にするか悩まれていたが、同色系でまとめることをお客様が決断。)

ちなみにまったく内部からの補強を行わなかったわけではなく、押入2ヶ所内も補強している。
不要になったものが沢山あるが、どこに捨てたら良いのか分からないという方も多く、耐震補強の際に一緒に処分することも多い。

ごみ処分についても気持ちよく対応できる会社でありたいと思っている。
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多宝塔模型 屋根 (第一期工事)





静岡市にある普濟寺様に多宝塔模型を納品。
この模型は、檀家様(大工)が生前製作したもので、その後を引き継ぎ屋根を銅板葺きさせて頂きました。
なので当社が担当したのは屋根だけです。
とはいえ、故人の思い入れのある模型を引き継いで作業するというのは大変責任が重く、安易なことはできません。

ちなみに相輪(屋根の上にある装飾物)は、東堂様が関西方面の仏具店に発注し、ご用意して頂いたものです。
仮の下台も東堂様製作。

屋根を仕上げた状態で一度、中庭に設置して、台座の高さをご検討したいということだったので、東堂様が製作した下台に仮に設置しました。
これからゆっくりと二期工事の内容をご検討されると思います。

実は小さい屋根の方が仕上げるのが大変でして、山梨の文殊堂様と山梨と沼津の板金業者様の協力があって何とかここまで完成させることができました。
最近はこういう業者同士の横のつながりも強化されつつあります。
ありがたいです。

手がけた板金職人2名が、名残惜しそうに模型の前でいろいろ話をしていたのが印象的でした。
蛤葺きとよばれる技法で隅棟を仕上げてくださったので屋根がとても柔らかい印象を持ちます。

普通は屋根を見下ろすことはできませんが、今回は本堂から可能。
熟練職人の技術を堪能することができます。

第二期工事(模型下部の製作)の内容が確定し、お声がかかったときは全力で対応したいと思います。

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最近の仕事



焼津市にある高徳寺様本堂。
昨年11月着工、今年1月完成。
ご住職の発案で須弥壇を移動できるように改造。
須弥壇後ろの丸柱も切断して、位牌堂と一体で使用可能としました。
新たに須弥壇を製作するのではなく、古い須弥壇を改造して移動できるようにするのは大変でした。

写真は須弥壇を移動した状態。

本堂が鉄骨造という点も活かし、丸柱も切断。
須弥壇を移動すると奥の位牌堂がよくみえるようになります。



違う角度から撮影。
真夏対策のエアコンも天井型ではなく壁型を採用。
格子でエアコンを隠しています。
この格子案は以前に茶室を手がけたときの経験が活かされ、格子の形状も実は工夫しています。
もちろん格子はない方がエアコンの効果は高いのですが、ご住職と話し合った末、今回の内容となりました。



床の間部分は壁仕上が漆喰ではありません。
これがよいアクセントになっていると思います。こちらもご住職が発案。
涅槃図のことも考えながら上部にエアコン取付という難しい条件も何とかクリアできて安堵しています。





これは可動式座布団収納。
ご住職のアイディアを形にするのが最近の私の仕事になりつつあります。

いろいろ今回の本堂改修についてはご紹介したい点は多々あります。
また何かの機会で書きます。
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節だらけの法事机

今日は、藤枝のお寺様に得度式で使用する法事机を納品した。
住職の実家は、牧之原市にある田沼意次にゆかりのあるお寺であり、そのお寺から頂いた杉材で製作した。
先月亡くなった住職のお父さんが集めた材である。

住職のお父さんは、質素倹約を旨としていたご性格であったため、タダで集めた木材が多く、その中から使えそうな木材を探すのに少し手間取った。
何とかサイズ的に使えそうな材を発見したが、大きな節はたくさんあるし、死に節もあった。
ただ、死に節はこちらで補修すれば良いことだし、私はこれはこれで良い材ではないかと思えた。

完成した机をみた住職が「親父らしい感じで良い」と評してくれた。
何よりのお褒めの言葉であったと思う。
私と同じことを思ってくれたのだと感じた。

この机をみた住職が、親から子へ、子から孫へと受け継がれていく精神を表現していると思ってくれたのかもしれない。
高級な法事机を使うばかりが正しいとは限らないのかもしれない、と私は思う。







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叱ってくれる人

生前大変お世話になった方が亡くなった。
多少なりとも社寺の仕事をやらせて頂けるようになったのは、この方の協力があればこそだった。

よく叱られ、褒められた。
また一人、私を叱ってくれる人がいなくなってしまった。
いや叱咤激励してくれる人と表現した方が正しいのかもしれない。

社寺建築というものは大変奥が深い。
一方で詳しくなればなるほど、陥りやすい点もある。

今の時代に合わせなければならない部分と寺院として守るべき部分をよく理解しなければならない。

住宅の設計とは全く異なる点も多々ある。
住職と檀家の立場をよく理解し、両者に喜んで頂ける仕事をするというのは当然だが難しい。
建築業者側の自己満足な仕事、そこまでお寺側が求めていない工事を勝手に進めることも避けるべきだが、逆に求められていることもきちんとやれないということも避けるべきだろう。

住職様からこういうものをつくりたいという提案を頂くこともある。
それを現実可能なレベルに設計することは容易ではないが、期待を裏切ることはできない。

今のところ難しい仕事にも対応できているのは、私を育ててくれた方がいたからこそであるし、その恩を忘れてはならないと思う。

順番とはいえ、お世話になった方々とのお別れが増えることは寂しい。
寂しいという気持ちが本当に理解できるようになるのは年齢を重ねたからではないかと思うようになった。

それでもその寂しいと思えるということは、それだけ幸せだったということになると言い聞かせ、生きている人間は前を向いて必死に一日一日を過ごすべきだと考える。
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今回の年末年始

今回の年末年始はおそらく10年先も忘れないと思う。
年末年始の大半は、山梨県の宮大工さんからの紹介で担当した寺院建築物の有形文化財登録に必要な書類作成に費やされた。

このままのペースでは納期に間に合わないと確信した私は、12月末と1月初旬に一泊二日で現地調査をしながらノートパソコンで図面化するしかないと決意。
山梨の寒さも理解していたので万全の準備で作業を行った。
所見をお願いした先生から私の見解や着目すべき特徴に関する写真や資料を求められたので、それも並行して作業した。

コロナやインフルエンザになったら一巻の終わりなので、極力人が集まる場所は年末年始は避けた。
年末年始の挨拶も欠かせないし、地元の工事現場への段取りや打ち合わせもおろそかにはできない。
いろいろな作業を同時進行していたが、正月休みだけは山梨県の仕事に専念できたことは大きかった。

そして無事、山梨県庁へ必要書類が昨日提出された。
間に合ってよかった。何かひとつでもトラブルがあったら間に合わなかったと思う。

偶然にも同時期に進めていた地元(焼津)のクリーニング店の違反是正計画も同じ日に許可が下りた。

もうひとつ地元寺院本堂大改修も来週中頃には完成予定。
きちんと清掃して引き渡ししたいと思っている。

今となっては年末年始の山梨の寒さに耐えながら作業したことも良い思い出。
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ドライクリーニング違反是正

焼津市内のクリーニング店の違反是正計画に関する業務だが、審査先からの補正指示への対応も終わった。
これでようやく一区切りつくことができたと思う。
今後は、近隣住民等を対象とした公聴会や建築審査会が予定されている。

同業者から話は聞いていたが、これほど大変とは思わなかった。
もちろん審査する側も大変だと思う。

ただ、違反是正(建築基準法や消防法違反の改善計画の立案)の仕事を経験するたびに法律に詳しくなる。
これは建築士としては強みだと思う。

実践に勝る練習なし。
まさにこの言葉通りといえるだろう。

住宅を主体に仕事をしていた頃には気がつかなかったが、非住宅や規模の大きな建物には様々な法的義務が課せられる。
私は本当に運が良くて、様々な経験を積む機会を頂き、苦労しながらも実践で鍛えられた。

ここ10年ぐらいの経験は特に財産になったと思う。

今も別件でいろいろ法適合確認を行っている。
聞くは一時の恥。
いくら経験を積んでも分からないことの方が多い。

審査先に事前相談のために足を運ぶことは大事だし、素直に教えを乞うことも大事だと思う。
何のために仕事をしているかと言えばお客様のためであり、法律をきちんと守ってもらうよう促すのもお客様のためを思ってのこと。
様々な関係法令の中で選択可能な場合もあるが、やはりコストや使い勝手のことも考えなければならないし、法解釈に悩むこともある。

審査先の担当者と話し合って、答えを出していく作業過程も個人的には楽しい。
今回のクリーニング店もできるだけ自己負担が少なくなるよう配慮した改善計画を立案したつもりである。
最近はとにかく物価が高い。
知恵と工夫でなるべくコストを抑えた提案は必要だと思う。
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空撮



久しぶりにドローンを飛ばした。
最後に飛ばしたのは令和元年頃だったと思うので実に5年か6年ぶりの飛行。

以前のファントム4は法改正により飛ばせないため、DJIのmini3を購入して飛ばすことにした。
正直に書くと、ドローンを飛ばすことはもうないと思っていた。

考えをあたらめたのは、とある先生の言葉だった。
私が今回調査している寺院は、珍しく伽藍として主要建造物群が残っている。
建造物群として考えたとき、空撮で建物全景を撮影しないのはおかしいと言われた。

急ぎ準備したり、現在の法律を学ぶなど苦労もあったが、それに見合う写真は撮影できたと思う。
写真撮影は様々な目的がある。

昨今は映え(見映え)を重視した撮影が多いだろうし、スマホの登場で画像を簡単に加工できるようにもなった。
それはそれで素晴らしい文化だし、そういうことを否定するつもりはない。

ただ、文化財調査での撮影は、いかに正しく状況を記録して残すかという点が重要であるため、見映えとはやや異なる点を重視するし、後から画像を加工すればよいという考えもNGだと思う。
私の中では、原則として画像編集した時点で記録写真としては使うことはできないと考えている。
あくまで撮影時のカメラ設定が全て。シャッターを押したら後の画像は原則いじらない。
とどのつまりはこういった写真は後世の方に情報を伝えることが役割だからなるべく個人的な感情や思惑といったものから縁遠いものにしたいわけだ。

ドローンの話に戻す。
ドローンの場合、撮影環境は通常のカメラ撮影よりも状況変化は激しい。
風速も変わるし、バッテリーの問題もある。
安全性に気を配りつつ、手際よく撮影する必要がある。

調査対象の建造物に関する基本的な歴史や周辺との関係性などを頭に入れ、飛ばす前にある程度の構図はイメージすることも重要。
今回の場合は、富士川という河川と建物が密接な関係にあるため、建物と富士川が一緒に納まる構図が欲しかった。
何とか撮影できたが、もう少し天気が良くて、富士川がはっきりと見えるときに再チャレンジしたいと思っている。

パソコンで写真を確認すると、達成感はある。
空からの視点はいわば鳥や神の視点というべきもので人間本来の視点ではない。
当時の方がそこまでの視点や考えで建物を建てたのか分からないが、富士川に対して真正面となるように本堂を配置したことには何らかの意図を感じる。
(一般的に本堂は真北に配置されることが多いが、このお寺は真北ではない。)

一枚の写真からいろいろ考えさせられることは多く。
空撮は文化財調査には必要な存在だということを再確認した。

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文化財



山梨県にある日蓮宗寺院の調査を手伝っている。
文化財に関わるのは法華寺以来なので、5年ぶり。
本堂を調査した結果、棟札がみつかった。うれしいというよりも安堵の方が大きかった。(写真はその棟札)

こういうとき喜びのあまりすぐに棟札を外してはならない。
まずは外す前の状態を念入りに写真撮影する。

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私は運がよく、いろいろな文化財(建物)に短期間で数多く関わることができた。
厳しいが熱心な先生からご指導を頂くこともできたことも今では財産となっている。

だからこそ文化財に関わるのは相当な覚悟が必要だということも分かるし、生半可な気持ちで関わるべきでもないと思っている。
人一倍の情熱と好奇心が必要だし、体力も必要だ。
調査だけでも必要に応じて様々な道具や機材が必要となる。

過去の痕跡を探すだけでもかなり時間が必要になるし、諦めない粘り強さも求められる。
自己の研鑽のために努力する一方で対象となる建物を守り続けてきた所有者等への敬意も忘れてはならない。

本当にがっつりと関わるということはとてつもなく大変なことであるし、今の私にはそれだけのものがあるのだろうかと思う時期もあった。

でも私に声をかけてくださった地元の宮大工さんのために頑張りたいと思ったし、最近の私は自分のためというよりも誰かのために頑張りたいという気持ちの方が強くなった。
自分が脇役になって、主役となるべき人を盛り立てていくことにもやりがいを感じる。
一仕事終わった後、また私と仕事をしたいと相手が思ってもらえたらありがたい。

大きな本堂の場合、屋根裏内調査だけでも相当な労力が必要となる。
根気よく、痕跡を調べれば平気で丸一日終わってしまう。
何も得るものがないこともあるだろうが、調査が無駄とは思わない。

最近は焼津のお寺様の改修工事と山梨のお寺調査で忙しい日々を過ごさせて頂いている。
頼りして頂けることは大変ありがたいし、そういう状況を当たり前と思わないで、良い仕事をしたい。



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