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ぱん店舗 低糖パンの可能性

今回は後日談のような話。

パン店舗の事業計画を手伝う段階で、競合になりそうな店舗や参考になりそうな店舗を調査したことがあります。
焼津市内でもかなりのパン店があり、独自のカラーというものがありました。

中には、開店後すぐにいかないと売り切れてしまうという店もあり、狭い売り場に大人が身動きが取れないくらい入っている状態を体験して驚いたこともあります。

私はそういった調査を通じて、ある一つのパンに需要があるのではないかという印象を得ました。

それは、低糖パンです。

実はもうこのパンは存在します。
ローソンでも力を注いでいるらしく、様々な種類の低糖パンが販売されていたため、いくつか購入したこともありました。

そもそもパンは、糖尿病や糖尿予備軍には危険な食べ物です。
もちろん全ての種類のパンが危険と判断するのは少し偏見があると思っています。

しかしながら菓子パンを好む方ほど糖尿病になりやすいイメージが私にはあります。

ちなみにいくつかのパン店を調査して、様々なパンを食べましたが、最終的に食パンが私にとって一番すきなパンになりました。
なぜなら自分が好きなように食べられて、店の技術というかパンに対する姿勢が伝わるからです。
ごまかしがきかないということもあるかもしれません。

私がなぜ低糖パンに着目したかというと、この低糖パンを開発するには高い技術が必要であり、どうしても美味しくつくるには出来立てを売るしかないと思えたからです。
冷めてもおいしい低糖パンを開発するのはまだまだ時間がかかるでしょうが、出来立てであれば可能性があります。
そして、こまめに出来立てを売るという販売形式はンビニやスーパーでは難しく、小規模なパン店であれば可能ということも理由に挙げられます。

糖尿病の方や糖尿病予備軍の方に食べ物をお土産に持参するのはどうしても抵抗がありますし、避けなければなりません。
しかし、たとえば低糖パンであれば、持参しやすいのではないだろうかという気持ちもありました。

そのため、現在工事中の店舗における事業計画では、私は低糖パンをつよく推薦した過去があります。
私が経営するわけではなく、これはお客様が考えることではありますが、もし、出来立ての低糖パンが店頭に並べば評判になりますし、需要はあると思います。

問題は低糖でも美味しくつくれるかどうか。
ここで多くのパン店が壁に直面するでしょうが、だからこそ突破すれば大いなる武器になりそうです。

おそらく私が思いつく程度のことは、すでにプロなら着目しているでしょう。
日夜、美味しい低糖パンの開発に心血を注いでいるパン職人が全国、いや世界にたくさんいると思います。


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イペ(OSMO塗装)仕上の外壁


いよいよ外壁仕上の段階となりました。
イペという木材を使用して外壁を仕上げます。写真は、サイディングにイペ材を直張りしているところを撮影しています。

イペは、耐腐食性と耐久性に優れた木材で、外部につかう木材ではとても人気があります。
ウッドデッキやウッドフェンスでよく使用されることが多く、値段も高額です。

今回はネットを使って仕入れ先を調べ、電話で価格交渉して、イペ材を大量購入しました。
ただ、さすがのイペも無塗装のままで使用すると紫外線等によるグレーかが進むため、塗装することにしましたが、塗装方法についてもかなり検討した上で選びました。

最終的にオスモという塗料を使用し、色もお客様の希望でエボニーという色を選択しています。
オスモの担当からも濃い色を選んでくださいというアドバイスを頂いていたので丁度良かったなと思いました。

イペは、本来は無塗装で張り、しばらくしてから塗装するとよいということでしたが、今回の場合はそういうわけにもいかないため、塗装して張ることにしました。
一年後、1回だけ塗装するとかなりもちがよくなるとのことで、オスモ塗装の奥深さをあらためて認識した次第です。

ちなみに塗料の正式名称はオスモウッドステインプロテクターという塗料です。
これは2度塗り指定なので、塗装は2日かかります。
だいぶ塗装作業には慣れましたし、オスモの担当が塗装作業中にたまたま静岡に来ていたので、作業をみてもらったところ作業的にも仕上がり的にも問題ないという合格を頂けたので自信がつきました。

このイペをサイディング14㎜くぎ打ち(ホワイト色)の上に直張りして、作業は完了になります。
オスモを塗装したイペ材仕上げの外壁は、はじめての試みでしたので、今後どのように劣化するのか気になりますが、安易にサイディングや角波トタンで外壁を仕上げるだけでなく、手間をかけた外壁仕上げ方法も選択肢の中に加えることができたことは私にとっては大きな収穫だったと思えます。




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ぱん店舗新築と事業計画の話

11月末にオープン予定の店舗工事写真をまたご紹介します。


屋根部分を撮影。

実は屋根はこういう形になっています。
折版屋根を採用しようと思ったこともありましたが、縦平の金属屋根を採用しました。
雨漏りの危険性が今回高いデザインでしたので、そうならないように細心の注意を払いました。
デザインは大切ですが、雨漏りするようなものは避けるべきですし、メンテナンスも容易な方が好ましいため、その点に力を入れてしまったため、かなり苦労しました。(コスト的にも労力的にも)

私はデザインを軽視するつもりはなく、デザイン性を考慮しない建物は面白みがないと思います。
ただ、そのデザインを支えるだけの防水や構造技術がなければならないでしょう。
そのバランス性が大事だと思っています。



左官職人による下塗り作業完了後の撮影。
この角度からのアングルがちょうどお客様が駐車して入店するまでにみかける建物の形です。

ここからは少し建築とは離れた話になるかもしれませんが、設計と事業計画書について私の考えを書きます。

どのような業種であれば開業される場合、どういう店にしようか、何を売ろうか、どういう方をターゲットにしようか、いくらで売り利益はどの程度を目標とし、経営をしていくべきかを検討します。
検討しない方もいるのかもしれませんが、金融機関から融資を受ける場合は事業計画書の提出を求められるため、完全自己負担でなければ計画書を作成しなければなりません。

ただ、この計画書が、たとえば開業する人にきわめて都合がよい考え方で作成されたものであれば、現実とのギャップがありすぎて開業後に修正しようとしても無理が生じますし、そもそも融資する側がOKしません。
また、テナントの場合は改装費や賃借料、新築の場合は工事費用を把握する必要があり、初期投資が多ければそれを回収するのに時間がかかりますが、初期投資を躊躇した結果、集客に影響を与えるということもあります。

これは予測ですが大半が、ある程度概算の見積もりや設計をしてもらいそれを事業計画に盛り込み、融資が確定したら本格的に設計を検討するのではないかと思います。

大きな店舗やフランチャイズであればそういうことはおそらくないのでしょうが、個人経営店の場合はまず融資が受けられるのかという点が心配になりますので、融資が確定したら建物についてゆっくり考えたいという心理が働くかもしれません。

私は以前から思っていることがあります。
店舗設計がその店の集客に貢献する割合は全体のどのくらいになるのかという点です。

飲食の場合は、接客態度や売る食べ物のおいしさや価格、立地条件が私が思いつく限り重要だと思います。(食の安全は大前提であり、おいしさも万人ではなくターゲット層に対してそう思ってもらえるかどうかという意味)

それらの次に建物(設計)が重視されると思っていた時期がありました。
しかし、数年前から実は建物も同列に重要ではないかと考えが変わったのです。

つまり、設計する側は早い段階でその店の事業計画書を読むか、できれば計画書作成に加わり、店のコンセプトに合ったデザインや機能性を持つ店舗を設計することで集客力に大きく貢献すると思っています。

そういった考え方を実践したのが今回の店舗です。

この店舗は実に7回基本設計を変更しています。
事業計画作成段階から参加し、金融機関の紹介や補助金の紹介や申請の手伝い等もサポートしました。
予算のこともありましたが、販売するパンやターゲットにしている層、立地条件から駐車場をどのくらい最低確保すべきかなどを経営者と一緒に検討し、プランをまとめています。

この店が依頼者であり経営者にとって、集客力に貢献するものであるかはオープンからしばらく見守る必要がありますが、そういう姿勢で仕事できたこと、そういう機会を私に与えて頂いたことについて、心から感謝しています。

おしゃれな店とか、他にはないデザイン性を追求することも大事ですが、私の中にある大原則は集客と経営に貢献できる店を設計できるかです。

事業計画をはじめとする経営と建物の設計は文系と理系のような区分けで別物と思われるかもしれませんが、密接な関係があり、特に設計者はそういう経営という点で苦手意識を持っている方もいるかもしれませんが、私はそれを得意分野にできればという気持ちがあります。

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ドライクリーニング実態調査 その後

昨年の年末に静岡県建築士会からドライクリーニング実態調査に参加しないかという誘いがあり、調査員として焼津市内の3件の店舗を調査しました。
最近ようやくすべての業務を終えたのでまとめの意味で書こうと思います。

この調査目的は、建築基準法における用途地域違反に該当する店舗の実態を調査し、改善案も作成するというものでした。
調査前に講習を受ける必要があるということで、参加した際、静岡県から委託されたものだという説明があり、専門用語ばかり並んだ難しそうな調査マニュアルを手渡された瞬間、これは結構大変な作業ではないかという不安がよぎったのを覚えています。
報酬も県から建築士会、建築士会から調査を担当した会員に支払われるというもので、1件あたり数万円です。
ちなみに業務の期限をしっかり建築士会から指示されていなかったのですが、昨年度末までに依頼されたものはすべて完了させなければならないという情報を耳にしたり、そういうことはないという情報を耳したりでかなり混乱しました。
期限ってあるんですかと建築士会と報告書を提出する先である焼津市役所に聞いたこともありましたが、明確な回答もなく、それならば本業の合間で時間ができたときにやらせてもらうしかないなと判断した次第です。

私も調査をはじめたばかりのときは何も分からなかったのですが、さすがに3件もやるとクリーニング店のことも多少詳しくなりました。
そういう点では経験値が高まったのでよかったかもしれませんが、この調査は本当に誰がどういう考えて実施を計画したのかと疑いたくなるほど調査員の負担が大きいもので、TOUKAI-0無料耐震診断業務とは比較になりません。
どうやら私以外にも報酬の割に負担が大きいのではないのかという疑問を感じた会員が多いようで、建築士会から業務に使用した時間についてのアンケート調査もありました。

調査の内容はこんな感じです。

①建築士会から指示のあった店舗に連絡し、現地調査の日程を決める。事前に用意してもらいたい書類等も伝える。
②現地調査を実施。図面がある店舗もあればない店舗もあり、建物規模と形状で調査時間はかなり異なる。
③一度だけの現地調査では把握しきれないことが多く、もう一度調査を行う。(私の場合、規模が大きい2店舗は3回以上調査に伺いました。)
④調査した内容を元に現況平面図、立面図、断面図を作成。作業場内のスイッチ・コンセント・換気扇の高さやドライ機の配置など割と細かく平面図に書き込みます。
⑤調査した結果問題がある点を平面図に記載したものを別紙作成し、それを踏まえた上で改善案を別紙作成。
⑥調査した際に撮影した写真も用意されたワードデータに添付。
⑦調査する際に配布された報告書(ワードデータ)に必要事項を記入。不明な点は店の方か機械を納品した代理店に直接質問。
⑧報告書一式4部を店の方に提出。マニュアルだと、2部を店の方が焼津市役所に提出することになっています。
⑨後日、焼津市役所の担当職員が再度現地調査を行うため、任意同行をお願いされます。(これは焼津市だけの対応という話を聞いたこともあります。)
⑩焼津市役所の調査から訂正や修正点が判明した場合、それを指示されます。
⑪訂正した報告書一式を再度提出。(仮に再度提出した内容に問題があれば再度訂正指示)
⑫完全に業務完了
⑬建築士会に業務完了報告として報告書一式をPDFで提出。

ちなみに建物規模によって報酬が変わるということはありません。
店の売上高によっては、店の方が調査費用を自己負担することになる場合もありますが、そうでなければ一律です。
つまり、小さな店舗なら業務の負担はそれほどでもありませんし、大きければ負担は増します。
図面の有無も実はかなり調査時間に影響します。

私はようやく3件を完了させたのですが、最終的にこの業務を建築士会から誘われて引き受けてよかったのかどうかと問われれば、やらなければよかった・・・とまでは思っていません。

ただ、この先に同じように建築士会から業務のお誘いがあった場合、その内容を十分吟味した上で、返事をしたいと思います。
今回、安易に内容を確認しないで安請け合いしたのは、私の未熟さゆえだと思っております。
己の未熟さを恥じ、その戒めも込めてこのブログに書くことにしました。

参加して良かったなと思っているのは、地元焼津市で一生懸命、クリーニングの仕事に励む方々と知り合えたことです。
クリーニング店は、売り場部分はどこもきれいにしていますし、普通はその部分しかみることがありません。

対して、作業場は、本当に戦場です。
夏場は暑くて倒れてしまうのではないかとさえ思えてしまいます。
その姿は正直に言って頭が下がります。

調査して、この仕事にポリシーをもっている方を目にしましたし、様々な機械や技術を駆使して汚れを落としていることも分かりました。
そういうことを知れたのは報酬以上の収穫だったのかもしれません。

違反というと、とんでもなく悪いことをしたようなイメージをもつ方もいますが、店の方だけに責任があると断じてよいのだろうかという気が個人的にはしています。
たとえばその地域では使用不可としている引火性溶剤を使用したドライ機を販売した側は、その地域では使用できないと分かっていて販売したのか気になるところではありますね。
違反だと知りつつ売ったとしたら相当悪質ではありますし、店がそういうことに疎い(疎いから責任がないわけではありませんが)としたら少々、気の毒ではあります。

とはいえ、違反は違反。
ルールはルールです。
きちんと守らなければなりません。
何十年もまじめに経営していたからといって許されるわけではなく、別問題になります。

それでも店の方にとって極力、金銭的な負担が少ない形で改善が認められたらという感情は私にもありました。
改善案は、極力費用が掛からないようなものを選びましたが、それが私にできる精一杯の行為といえます。

私は建築基準法順守を指示する立場ですが、どう守るよう指示するかという案を提示する権限が与えられている以上、その店にとって優しい改善案でありたいと思ったのです。
もちろん、簡単に終わらせたければ厳しくてもなんでも改善できる案をつくれば終わったのですが、そのあたりが私の良いような悪いようなところではないかと自覚しています。


最後に今回の調査について詳しい内容は特に書かなかったので補足の意味で説明されているサイト先のリンクをご紹介します。

ドライクリーニング実態調査

今回の業務は、いろいろと考えさせられることが多かったですが、引き受けた以上、きちんとやり遂げるのは当然のことなので、終えて良かったと思う気持ちが私にもあります。
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完成まで後もう少し


最終的な仕上がりは、耐腐食性に優れたイペという材木にOSMO(オスモ)というドイツの塗料を塗装したものを使用します。
写真は、14㎜サイディング材を釘打ちしたもので、この上に張ります。
実は写真の状態でも十分に外壁材としての役割を果たしますが、今回は店舗ですから見た目も大事です。
そのため、デザインにこだわり、使用する仕上がりを検討した結果、この方法を採用しました。

ただし、デザイン性を重視して、防水性に問題があり雨漏りするのは本末転倒です。
そのあたりは、十分配慮しました。


正面の外壁は塗り壁を採用しています。
富士川建材のラスモルタルノンクラック工法を採用しました。
付近で新幹線が通るため、振動が発生することを配慮して、クラックに強い工法を選びました。
写真はラスを張り終えた状態です。


板金作業も終盤で屋根瓦作業をそろそろ行います。
瓦を使用するという点も最後までこだわった点でした。
この店舗では極力、外部の仕上げは本物(~調といった本物を似せた材料)にこだわったつもりです。
サイディングによる仕上げやスレート屋根を避け、塗り壁や木材による仕上げを採用したのはそのためです。

事業計画作成から参加し、事業者の店舗経営における姿勢や販売するパンのコンセプトと店舗設計がリンクするよう心掛けた結果、今の形になりました。

完成まであと少しです。
徐々にはっきりと形ができてきましたので、気を引き締めて作業したいと思います。
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