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文化財 

久しぶりに文化財関係の仕事に関わることになった。
焼津市の伝建地区である「花沢の里」内にある法華寺修理工事以来だろうか。

一時期、思うことがあり文化財関係の仕事やまちづくり事業といったものに距離をおくことにした。
市役所と関わるのも苦手になった。
(原因は花沢の里ではない別の件だが、今となってはそれはどうでもよい話なので省略したい。)

その後、いろいろな仕事を手がけていく内にそういった意識も減った。
世の中にはいろいろなことがあるし、公務員と呼ばれる人たちにもいろいろな事情があるといったことも素直に受け入れられるようになったからだ。

ようするに「人は人、自分は自分」と素直に割り切って考えられるようになったのだろう。

時間の経過とともに紆余曲折を経て担当することになった法華寺修理工事の報告書も作業も再開できる心境になった。
そのような時期に山梨県のお寺(建造物)を有形文化財に登録したいので手伝ってもらいたいという相談を頂いた。
相談を頂いたとき、素直にうれしかった。
これが4年前とかだったらとてもそういう気持ちにならなかった。

相談して下さった方も気さくで男気のある方だったので、この方の相談を断るわけにはいかないと思った。

山梨のお寺様の住職とも会い、地元の町役場担当とも話を重ねる内に大体この先がどうなるのかもおぼろげにみえてきたりもした。
それもそれもこれまでの経験があればこそである。

有形文化財として登録するにあたり、ネックになる部分も早い段階から分かっていた。
自分で何でも抱えてしまっても仕事が停滞すれば意味がない。
頼りになる方に相談し、ネックになる部分も割と早い段階で解決策を用意することもできた。
私自身も多くの人の助けによって成り立っている。

時というものが解決することは確かにある。
その時は絶望で人間不信や自信喪失に陥ったとしても自分を見失わないで愚直でも真面目に生きていれば時間の経過ともに自分自身も世の中も変わる。
腐らずに頑張ることの大事さを今噛みしめている。
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構造用合板の厚み 現場写真のこと

構造用合板による補強の場合、使用する合板の厚みは12㎜を採用している。
K+BUILD 秋田杉針葉樹構造用合板というもの。

構造用合板は材種がカラマツやヒノキのものもある。
基本的に耐震補強で使用する場合、その性能値に大きな差はない。

厚みも別に12㎜である必要もなく、9㎜を使用している会社もあるらしい。
個人的には、釘がどうしてもめり込むため、12㎜でないと怖くて採用できない。
このあたりも設計者判断による。

正しく構造用合板で補強するためには、いろいろ気をつけるべき点は多い。
大切なのは、計画した設計者がきちんと現場で作業している人に注意できるかどうか。

実はこのあたりが一番大事なのではないかと思う。
そもそも現在の耐震補強への補助金は信じられないほど高額である。
なんと100万、高齢者等世帯なら120万である。2割負担とはいえ破格なのは間違いない。

補助を得るためには補助の条件を満たす必要があり、以前のように不誠実な会社が不正な工事をして、過去の補強工事を洗いざらい再チェックという事態になった際でも動じないくらいきちんとした施工と記録を残す必要がある。

作業で忙しかったから写真を撮影し忘れたなど、本来は通用しないのだ。
また、そういう事態も想定して、補強が認められない箇所があっても十分に評点が1.0以上となる余裕のある計画が望ましい。
写真だけでは伝わらない点もある。
最初に書いた釘のめり込みなどが該当する。釘めり込みすぎていませんか、という一言も大事。

最近はスマホやラインで確認が迅速となった。
昔はデジカメの写真をパソコンで取り込んだら写真が不鮮明だったり、角度が悪かったり、うっかり撮影し忘れて慌てたこともある。
今は、現場作業している弟がスマホですぐに写真が提出され、何かおかしい点があれば即電話して指摘したり、撮影しなおしができるようになった。
ただ、一番大きな点はスマホではなく、意識改革のおかげだと思っている。

口酸っぱく、写真について説明し、市から指摘や指導を受けたら現場にもこの写真について指摘を受けたということを伝え続けた。
写真をきちんと撮影しなければ、補助がもらえないと少々大げさだが脅したこともある。(でも嘘ではない)

きちんと正しく、素晴らしい仕事をするからには、それを記録することも忘れてはならない。
審査する側である焼津市の担当が、マルワさんの提出する資料は審査しやすいと思ってもらえるのが一番の評価だろう。
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