訪米中の翁長雄志(おながたけし)・沖縄県知事は2日(日本時間2~3日)、ワシントンでジョン・マケイン上院議員(共和党)と会談した。マケイン氏は、米国の基地政策に大きな影響力を持つ上院軍事委員会の委員長。議論は平行線に終わったが、対話を継続することで一致したという。

 会談には、ジャック・リード上院軍事副委員長(民主党)も同席。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画をめぐって約1時間、非公開で意見を交わした。

 翁長氏によると、会談では日米の安保体制を理解していることを伝えた上で、辺野古移設阻止を掲げた県民大会について地元紙の記事を見せて説明。翁長氏から「辺野古の建設についての(反対の)民意は出ている」として、移設計画に反対する立場を伝えた。

 マケイン氏は「沖縄の気持ちは聞かせてもらった」と述べるにとどめたが、今後も対話を継続していくことを確認したという。翁長氏は会談後、「継続して話をしてもらえるということで、大変有意義だった」と記者団に語った。

 マケイン氏は会談後に声明を発表。翁長氏と対話を継続する意向を示しつつ、「会談では現行の米軍再編計画への支持を表明した。日本政府と協力し、日米同盟が強化されることを望む」と強調。辺野古移設を進めるべきだとの立場を改めて示した。(ワシントン=泗水康信)