狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

毎日新聞VS2ちゃんねる ネット大戦争開始!

2007-01-04 08:10:35 | 県知事選


 
ネット君臨:第1部・失われていくもの/1(その1) 難病児募金あざける「祭り」

 ◇「また死ぬ死ぬ詐欺ですかw」「NHKキタ---(゜∀゜)---!!!!」…2ちゃんねる上、匿名攻撃

 ◇両親「裸で歩くよう」

 臓器提供者はまだ見つからない。4歳のクリスマスは、米カリフォルニア州の大学病院に近いアパートで迎えた。ネコのぬいぐるみをプレゼントされ「ネコちゃんが来たよ」とはしゃいだ。

 難病の拘束型心筋症と診断された東京都三鷹市の上田さくらちゃんが助かるには、海外で心臓移植を受けるしかない。1億円を超える手術費用は募金に支えられている。

 新聞各紙に「さくらちゃんを救う会」の募金活動の記事が掲載された昨年9月22日朝。インターネット掲示板「2ちゃんねる(2ch)」に家族を中傷する匿名の書き込みが始まる。「また死ぬ死ぬ詐欺ですかw」。「w」は笑いの意味だ。移植の募金はこれまでも「会計が不透明」と批判されてきた。

 NHK勤務の父昌広さん(54)と母和子さん(45)が記者会見で職業を「団体職員」と公表したことも災いした。後でNHKと答えたが、手遅れだった。「NHKキタ---(゜∀゜)---!!!!」と顔文字を付け、はやし立てる。「高給取りを隠して同情を買おうなんて詐欺だな」

 両親が借金などでねん出した3000万円の自己負担を公表しても攻撃はやまない。ローンが残る住宅しかないのに「十数億円の資産がある大地主」と虚偽の情報が書き込まれた。自宅の登記簿や写真もネット上にさらされた。「だまされて募金したので返してほしい」。救う会にはメールや電話が続いた。

 「裸で歩いているような恐ろしさ。眠れない時もありました」。和子さんは家の前で携帯電話のカメラを構えた人影を忘れられない。「親ですから娘が救われるのなら構いません。でも支えてくれる人たちが疲れていくのを見るとつらい」。目が潤んでいた。

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 年の瀬の東京・渋谷。記者はネット上のハンドルネーム(HN)「がんだるふ」を名乗る男に会った。元大手フィルムメーカー社員。今はイベントプロデューサーという。58歳。募金批判の中心人物だ。

 --募金を払わなければいいだけなのに、なぜ攻撃するのか。

 ◆臓器移植問題は深いのに「かわいそう」で思考停止になっている。募金は物ごいと一緒だ。

 --書き込みには中傷や誤報がある。

 ◆ネット上の罵詈(ばり)雑言はノイズ。被害と感じるのは弱いからだ。

 --匿名での攻撃はアンフェアでは。

 ◆名前は記号。本質は書いた内容にある。

 --実名でも書ける?

 ◆それは書けます。

 --実名記事にしたいが。

 ◆載せないでほしい。「がんだるふ」というネット上の人格でやってきたから。

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 さくらちゃん一家が渡米する2日前の12月9日夜。新宿の居酒屋で20~30代が中心の男女約100人が忘年会を開いた。全員が2chの利用者・2ちゃんねらーだ。募集の掲示板に記者もHNで登録し、参加した。互いをHNで呼び合う。「どこにいる?」という質問は住所ではなく、よく書き込む掲示板のことだ。

 一連の書き込みをどう見ていたのか、何人かに尋ねた。「あの募金はおかしい」「家を売ればいい」。掲示板の中傷に疑問を感じてはいない。

 ネットでは住人たちが一つの話題に群がり、ときに「悪意」が燃えさかる。彼らはそれを「祭り」と呼ぶ。

   ×   ×

 インターネットの利用者は国内で8000万人を超える。便利さや効率をもたらす一方、私たちはネットに依存するあまり、いつの間にか支配され、何かをなくしてはいないだろうか。ネット社会をどう築けばいいのか、まず第1部は身近な現場から報告する。(2面につづく)

毎日新聞 2007年1月1日

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ネット君臨:第1部・失われていくもの/1(その2) 「エサ」総がかりで暴露

 <1面からつづく>

 ◇ブログに照準…氏名、住所、自宅写真、夫の勤務先まで特定

 ◇管理人「不在」、削除も執行不能

 記者が玄関をノックしても出て来ない。「本当に怖くて外も歩けませんでした」。電話越しに声の震えが伝わる。中部地方の主婦は半年前、ネットの掲示板「2ちゃんねる(2ch)」の「祭り」の被害に遭った。

 きっかけはブログの日記。内容が「非常識」と非難され、2chにスレッドが立った。「久々のエサなんだ。個人データを洗い出すんだ!」。日記には本名を出していない。なのにその日のうちに名字や夫の勤務先の電話番号が暴かれた。住所も特定され、自宅の写真がネットに流された。

 掲示板の書き込みをさかのぼると、2ちゃんねらーたちが主婦のブログの記述をヒントに、情報を積み重ねていったことが分かる。大まかな居住地域、近所の施設、自宅の窓から撮った風景……。掲示板には地元の住民からも情報が寄せられ、さらに電話帳や地図で住所を絞り込む。主婦の子供が載ったことがある育児雑誌まで見つけ出し、名字を突き止めた。

 攻撃はネット上にとどまらない。「電凸」(電話による突撃)が始まった。夫の勤務先に「奥さんの件はご存じですか」と尋ね、そのやりとりもスレッドに書いた。夫婦は警察や役所に相談し、住民票が入手されるのを防ぐため第三者への交付を止めた。しばらくの間、家を離れた。そして主婦はブログをやめた。

 「切込隊長」のハンドルネームで知られ、かつて2chの運営にもかかわった会社役員の山本一郎氏(33)は「欺まんと笑いがあると見られればネタにされる」と語る。たとえ事実が誤っていてもその二つの要素があれば、ネットで火が付く危険がある。

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 2chを裁判で訴える人も少なくない。

 北海道情報大助教授、有道出人(あるどうでびと)さん(41)は米国出身。人種差別撤廃を訴え、北海道小樽市の入浴施設が外国人の入浴を拒否していた問題では、施設や市に損害賠償を求める裁判の原告になった。

 ところが、2chで「白人至上主義者」と中傷が続く。管理人のひろゆき氏(30)=本名・西村博之=に削除を求めたが放置され、05年6月、札幌地裁岩見沢支部に提訴。同支部は昨年1月、名誉棄損を認め、賠償金110万円の支払いと削除、発信者情報の開示を命じた。

 しかし、判決の通りにはなっていない。裁判所がひろゆき氏の住所に通達書を送っても「不在」で届かず、手続きが進まない。「彼がずっと無視できるなら法治国家とは何なのか」。有道さんは昨年4月、ひろゆき氏が発信者情報の開示と内容の削除を実行しなければ1日20万円を支払うことを裁判所に申し立てて認められた。だが、この通達書も本人に届いていない。

 ひろゆき氏は毎日新聞の取材に「賠償命令は総額で四、五千万円くらいある」と語った。1億を超える年収があると認め、こう明かした。「役員報酬とかそういう形ではもらってない。どこかの会社から給料としてもらっている。それがどこか分かると差し押さえられるので(カネの流れを)常時動かしている」

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 掲示板の人権侵害をめぐっては04年、法務省が被害者に代わってインターネット接続業者や掲示板の管理人に削除要請できるガイドラインが定められた。

 同省によると、人権侵害の申し立て受理件数は04、05年で計471件。うち104件について要請したが、実際に削除されたのは昨年11月末時点で11件に過ぎない。業者に公印付きの文書を届ける必要があるためだ。担当者は「どこにいるか分からない掲示板の管理人もいる」と説明する。それ以外の多くは担当課が掲示板に書き込んで要請するが、実行されるとは限らない。

 ネット規制を強めれば「表現の自由」を侵すおそれもある。一方で、救う手だてのないまま被害者が増えていく。=つづく

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 ◇実態、ベールに覆われ--2ちゃんねる

 2chは利用者が1000万人を突破した今もひろゆき氏が個人管理を続けている。

 ジャンルごとに「板」があり、各板に話題を議論する多数のスレッドがある。運営はボランティア任せ。利用者の要請を受けて書き込みを削除するかどうか判断する「削除人」が150人、特定のスレッドを立てる権限を持つ「記者」が二、三百人いるという。ユーザーのほとんどがネット上のハンドルネームや「名無し」を使う匿名掲示板だが、2ch側は書き込んだ人のIPアドレス(ネット上で各パソコンに割り振られた識別番号)などを記録し、保管する。

 「経営」の実態はベールに包まれている。システムを支える約60台のサーバーコンピューターは大半が米国の会社からのレンタルで、広告取りも外部の会社に委託している。ひろゆき氏は2chにかかわりのある複数の会社の取締役を務めるが、2ch自体は会社組織にはなっていない。絶頂期のライブドア社内では「広告力に目をつけて買収も議論された」(元役員)という。しかし「人権侵害や名誉棄損をめぐる訴訟リスクに耐えられない」(同)との理由で立ち消えになった。

                   ◇

以下、2ちゃんねるの反応 (「痛いニュース」より)

上記をクリックして2ちゃんねらーの反応をよく読むと自ずと問題点が浮き上がってくる。

このような難病で高額な治療費のために募金を募るケースは全国で数多く見られる。

だが、何故この「さくらちゃん」の場合だけが問題になったのか。

他のケースでは殆どそのような騒ぎは起きていないのに。

その理由を毎日新聞は、次のように説明している。

 ≪NHK勤務の父昌広さん(54)と母和子さん(45)が記者会見で職業を「団体職員」と公表したことも災いした。後でNHKと答えたが手遅れだった。≫

NHK勤務の54歳の職員といえば平均的54歳の男に比べて遥かに恵まれた職業。

しかも夫婦揃ってのNHK職員ともなると、高給取りのダブル・インカムになる。

その様な恵まれた身分を「団体職員」という隠れ蓑で覆って、募金の際に公表し、2ちゃんねるで暴露されるや慌てて実際の職業を後追いで公表。

これが≪災いした≫と言う言葉で逃れられることか。

毎日記事の≪災いした≫のニュアンスには、意図していなかった手続き上のミスが災いしたといった印象を与える。

だが、募金を募る人が肝心な本人の「経済的状況」、収入、資産等を意図的に隠して公表していたとしたら2ちゃんねらーの意見は正鵠を射る。

重病のさくらちゃんには罪はなくとも、両親の行為は「また死ぬ死ぬ詐欺ですかw」に相当するかどうかは別として、毎日新聞の弁解では免罪されない。

毎日が元日のトップ記事で力を入れるようなネットによるいわれなき非難誹謗に当たるとは言えない。

毎日の怒りの記事には、昨年の佐賀市長の記者会見での毎日記者の皇室に対する無礼な発言をネットで叩かれた恨みが滲み出ているように感じられる。

それに、≪報道は我々大手メディアがやるべきもので何処の馬の骨とも判らぬネットイナゴどもが口を挟むものではない≫と言った、ネット情報を見下した態度もプンプン臭う。

毎日のこの特集記事はいわゆる「突っ込みどころ満載」状態だが、全文引用のため字数が多くなりすぎた。

池乃めだかじゃないが、今日はこのくらいにしておこう。

 

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