「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

創造的復興支援のために(その13):災害FM局・コミュニティFM局への支援を

2011-04-20 23:55:54 | 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
2011年4月20日(水)

ありがたいことに、パシコン静岡事務所のYさんが、
国内の主要記事のクリッピングを送ってきてくれている。
4月20日の目玉記事として、特記して下さったのが、

『静岡新聞』4月20日付
「災害FM、最多の21局 総務省が交付金も検討」

http://www.at-s.com/news/detail/100021520.html

という記事。

この記事を読んで、我ながら情けなく思うこと、多々あり。

災害時におけるコミュニティFM局、
あるいは臨時災害FM局の役割については、
阪神淡路大震災の「FMわいわい」以降、
多くの実績があり、また、「旅の坊主」自身、幾つかの場面では、
直接お手伝いもしてきた。

経営基盤が安定しているとは言い難いコミュニティFM局、
また、多くがボランティアによって支えられる臨時災害FM局。
その必要性は十分理解していたはずであり、また、その活動において、
どこがボトルネックになるかについても、十分理解していたはず。

そのことを先読みしてなぜ仕掛けられなかったのか。
情けなく思うのみ。

ともあれ、今後、災害FM局(や被災地のコミュニティFM局)への支援として、
次のようなことが考えられるだろう。

1 ともかく、運営スタッフの支援。
大変なのは人のやりくり。
特に被災者自身が災害FM局の運営に携わっている場合、
当然のことながら、FM局の運営以外にも、さまざまな活動が求められる。
外部の人間が手伝える部分は幾つもある訳で、
そのような人材を、組織的かつ継続的に投入し続ける算段が求められる。
看板でもあるパーソナリティーの投入はなかなか難しいが、
声が出なくなるまでマイクを握り続けた、というのが、
美談となる時代でもあるまい。
看板は看板として、でも、それ以外の部分について、手伝えることはある。

2 財政的な支援を。
外部スポンサーを募り、フルタイムで活動されている方々に対して、
しかるべき額を出せる態勢を組めないだろうか。
少なくても1年間、当初は最低賃金レベルかもしれないが、
単なるボランティアとしてのみならず、職としても相応の額を出せる仕組みを、
オールジャパンで組むことは、少なくても理屈の上では可能。
さて問題は、それをどうやって仕込むか、であるのだが。

3 ビッグネームにもご支援いただけないだろうか
これまた、「言うは易し」の話ではあるのだが……。
さまざまな話術を持つ人たちで、世の中で活動している人達はいる。
災害FM局であっても、明るい話題が欲しい。
その意味で、これは単一局に対して、というよりも、
災害FMやコミュニティFMの連合体に対してとなるだろうが、
実費ベースのギャラで協力いただける、被災地内外のタレントに、
帯番組を交代で担当してもらえるような、その種の仕掛けを出来ないだろうか。

アイディアは幾つも出てくる。
ただただ悔やまれるのは、なぜ、被災から6週間も経った今ごろになって、
ようやくその必要性を明文化する我が身の不甲斐なさ。
プロのやること、ではない……。

ともあれ、誰かこのアイディア、具体化してくれないだろうか、
ではなかったな。
防災ボランティアの世界には「言い出しっぺの原則」があった……。


                 (中米時間2011年4月22日午後、遡ってアップ)


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