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夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

今日のお目覚の第二弾 こちらは花 ヒルガオ

2013年06月18日 08時31分49秒 |  気になる詩、言葉


美夜自呂の砂丘に立てるかほが花
   な咲き出でそね こめて偲はむ 
         万葉集 14-3575
         作者未詳

美夜自呂=みやじろ
砂丘=すかへ
かほが花⇒ かほばな(容花、貌花、顔花)のことで、昼顔 もともとは可保我波奈

みやじろの砂丘に咲いている昼顔 
咲き誇らないでおくれ、ひっそりと偲びたいから

久しぶりの万葉集ですね。
昼顔の詩は万葉集にはいくつかあります。
大伴家持の詩は以前紹介したことがあるのじゃないかな。

美夜自呂は阿武隈川の中域の宮代だと言う説がありますが、それだとここの砂丘は川洲のことですね。
この詩の昼顔は浜昼顔でしょうか。


写真の昼顔はどちらでしょう。昼顔、浜昼顔、小昼顔?
岬は林の中とは言え、ちょっと行けば海岸で浜昼顔が群生していますからね。
華やかな色形のはずだけど、一輪咲いていると何となく寂しさを感じる花ですね。

今日のお目覚  針やはらかに春雨のふる

2013年05月03日 07時18分18秒 |  気になる詩、言葉


くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の
        針やはらかに春雨のふる
             正岡子規

この時期になると何度か出している詩ですが、ベランダのバラに一番蕾が出て来ました。
昨夜来の小雨にぬれた蕾に、朝日が柔らかくあたってきました。

       大きな画像はこちら

花冷えの夢幻の闇を舞ひゆかむ

2013年03月30日 07時24分27秒 |  気になる詩、言葉


このブログ、実は、「漢詩を長崎弁で」とか「気になる詩、言葉」 そして「食べるために生きる」のレシピを検索して来られる方が多いのです。
でもその割りに、最近これらのカテゴリーの更新がありませんですね。

というわけで、今日は、「木の名 草の名」から小島信さんの詩を一つ。

花冷えの夢幻の闇を舞ひゆかむ

同じ曇りでも、昨日は太陽の位置が分かるような薄い雲。
今日はもっと雲が厚く、空一面が同じような明るさで、太陽の位置が分かりません。
寒い朝になりました。

ひところのような厳しい寒さではありませんが、それでも肌寒い。
でも、寒さも暑さも、生きていることを感謝させるイベントとして受け取ればありがたい現象ですね。
なんて、、、私が言うのはおかしい? 
そうか、やっぱりU20の膝枕が欲しいって騒いでなきゃ、私じゃないですか。
そうですか、、
そうですよね~

春ごとの花に心をなぐさめて
  六十路あまりの年を経にける
      西行

えっ、歳が違う? 
違いませんよ、「当年」とってですからね。。


庭に咲きたる桜花
  今日はピンクか薄墨か
       風車

そのうち風車も認知学(でもどうして認知学なんでしょうね、、私的にはどうも宗教学を思い出しちゃうのですけど)でも齧りましょうか。



ところで前述の「木の名 草の名」はこちらから購入できます
句画集 木の名 草の名
小島 信,三村 伸絵
智書房





Va, pensiero  行け、わが思いよ

2012年10月19日 06時46分32秒 |  気になる詩、言葉


Va, pensiero, sull'ali dorate;
Va, ti posa sui clivi, sui colli,
ove olezzano tepide e molli
l'aure dolci del suolo natal!

行け、わが思いよ、黄金の翼に乗って、
行け、お前は山に、丘に憩え。
そこでは、祖国の大地の
暖かく柔らかい甘い風が薫っている!

ヴェルディが始めて成功したオペラ 「ナブッコ」の中の歌ですね。


昨日は夕焼け  Tu dormiras mieux ce soir だったらいいけど。。

2012年10月03日 08時00分50秒 |  気になる詩、言葉


昨日は夕焼け。お約束通り、今日は本格的な雨になりましたね。
チビ太をちょっとばかし、家の外に出しましたけど、
今朝の散歩 どうしよう、、、
やんなきゃだめでしょうね~

でもいったん出ちゃうと気にしないんですけど、チビ太って雨が降っていると玄関で濡れた道を見ながらなかなか最初の一歩がでないんです。
おいちゃんのお風呂と同じですな。

昨日、久しぶりのような晴れ。
朝から晩まで洗濯に明け暮れました。
    おかげで、部屋干しの洗濯物のオンパレード!
チビ太の朝の散歩、洗濯、そしてまたチビ太の夜の散歩。
こうして、専業主夫の一日は終わるのです。
嘆かわしい、、、、実に嘆かわしい、、、、
S'il est jeune et bien fait (若くって、ハンサムなら)
ならばね~  人生変わってたのに。
(なぜ? そりゃ、私は椅子にふんぞり返って、可愛い女の子が一生懸命、掃除、洗濯、料理をする姿を眺めてればいいんだもん。あぁ、そんなのは見果てぬ夢。
でも、「見果てぬ夢」ってフレーズ、このブログにはあまりにも頻繁に出てくるとは思いませんか。書き手の卑しい心根が垣間見えるような、、、)



Et tape et tape et tape avec ton battoir
Et tape et tape tu dormiras mieux ce soir

洗濯棒で タップ タップ タップ
タップ タップ あんたは今晩よく眠れるよ

        Les lavandieres du Portugal  
        ポルトガルの洗濯女

     相変わらず、lavandiere の最初のeのアクサンを抜いています。アクサンが入ると文字化けすると思いますので。全部の歌詞はこちらをを参照してください。

この訳詞でもそうですが、どの訳をみても、タップ、タップって出て来ますよね。ところが耳には、エタップ、エタップって聞こえるのですよね。でも元の歌詞を見ると前にEtがついているんですね。耳も悪くなったわけじゃなかった。よかったよかった。

ところで、リスボンからエボラへ行く途中、セトゥバルに行った時に、洗濯女がいるか探してみましたけど、いるわきゃないよね~ 見れませんでした。残念。


エボラは天正遣欧少年使節が立ち寄ったところなんで見たかったんです。教会は素晴らしかったけど、実は、その途中に立ち寄ったポルトガル人で長崎へカステラ修行に来た人のお店のカステラがもっと面白かったかな。奥さんは京都の人でしたよ。

カステラもポルトガルには地方によっていろんな作り方があって、どうも長崎で作っているものと全く同じものはないみたいですね。
利休の茶会のお菓子にも出てきたりする。あのときの、砂糖が貴重品だったころのカステラってどんなもんだったんでしょうね。膨らましはイーストではなくって、たぶん卵の泡だてでやったと思いますから、現在と同じでしょうけど。

もっともポルトガルの食事と言えば、たぶん臼杵の黄飯なんかがそうなんでしょうけど。
食事に限らず、ポルトガル人が日本にいた時には、もっと日本人との距離が近かったので、500年ちかくになるのに日本の文化に染み込んだものって多いのですよね。


ところでなんで洗濯女を探したか?
もちろん、

Quand un homme s'approche d'elles
Surtout s'il est jeune et bien fait
Aussitot elles glissent leurs bretelles
De leurs épaules au teint frais

男が彼女たちに近づいたなら
とくにそれが若くて男前なら
すぐさまエプロンの紐を
若々しい肌色の肩から滑らせるのさ

なんてのを期待したんですけど、でも、

Elles s'amusent a le mouiller
En chantant d'une voix egayée

陽気な声で歌いながら
水を浴びせてからかうんだよ

     オリジナルと訳は上のHPからお借りしました。
     こちらでも、アクサンは外してあります。

にならなくってよかったのかな。

夕まぐれそこはかとなき空に

2012年09月16日 07時39分48秒 |  気になる詩、言葉


夕まぐれそこはかとなき空に
   ただあはれを秋の見せけるものを
           式子内親王


自分もその中にどっぷりつかっているのですけど、一つの風土の中に何世代もの間に磨かれ、受け渡されてくるてくる共通の感性というのにはとても興味があります。

今日のお目覚 萩

2012年09月14日 11時03分36秒 |  気になる詩、言葉


さ男鹿の妻ととのふと鳴く声の
      至らぬ極みなびけ萩原
        万葉集
        10-2142

雄鹿が雌を呼ぶ声が届かないところでも萩の原は靡いてくれ、、

ほんと、この辺の鹿、、、キョンですけどね、、小さい体のくせに、とても下品な声(誰かが暴漢に襲われているような声なんですよ)で大声で鳴くんです。こんなのが家の周りを鳴きながら回られるとほんと眠れないですよ。

キョンのせいで秋の夜長を眠れなく過ごす、、、、私の美的感覚からすればとおく外れた事態ですな~

 

今日のお目覚

2012年09月13日 07時34分35秒 |  気になる詩、言葉


しまった、お目覚をお届けする前に、コメントを頂いてしまいました。
遅すぎましたね。

今日はいつものカケスの煩い声に混じって、モズの高鳴きで目が覚めました。
起きて、部屋の温度を見てみると24度。
どうりで昨夜は、シャネルの5番だけでは肌寒い感じでした。
明日からは、毛糸のパンツも必要ですね。

一夜あけると天下は秋になってしまっていました。

秋の野の尾花が末に鳴くもずの 
    声聞きけむか片聞け我妹
         万葉集
         10-2167


末に=うれに


薄の花穂はすでにアップしました。
倉庫をみて、コムラサキシキブか、コスモスかって思いましたが、なんとなく萩。どうも、秋、万葉集とくると、最初に萩が頭に浮かぶので。




今日のお目覚 サンダーソニア

2012年09月09日 08時19分08秒 |  気になる詩、言葉


虫の声もだんだんと大きくなり、朝夕は風も肌に優しく感じられるようになりました。
そろそろ木々も錦に飾る準備を始めています。
空はいよ高く、青く、
お腹は空いたぞ、、、飯をくれ~
という時期に入って来ました。

でも、誰も来てくれません。
「お持たせ」なんて要求いたしませんってば。
もちろん人をお訪ねくださる時に、鼻の一つも(ちがった花でした)お持ちになるのが日本の公序良俗かとは密かに思いますので、ちらっと眼にでるかもしれませんが、そんなのはお気になさってくださいませませ。
松阪牛でなくても、このさいオーストラリアの牛でも不満は申しませんのに。

打ち払ふ袖も露けきとこなつに
 あらし吹き添ふ秋も来にけり

撫子の花をアップした時にはよく、この「とこなつ」って言葉を加えておりますけど、、、
(なに、ちょっとした、子供っぽい、密やかな「ボクちゃん、賢いでしょ」のディスプレィでございますよ。笑ってやって下さいましな)
その撫子ではありませんが、サンダーソニア。
この詩に添えるにはちょっと華やか過ぎるでしょうか、、、、
あぁ、上の詩ね。

あなたが来ないので塵が積もってしまった床を涙ながらに払う私
  それなのにまた悲しいことが起こってしまう

なんて。
少し前に、この詩の原題バージョンが出されています。

雪は降る あなたは来ない
雪は降る 重い心に
むなしい夢 白い涙
。。。


読者の方には源氏物語で論文を書かれた方もいらっしゃるのですよね。
イさま、拙訳、、これでよかったでしょうか? 間違っていたら訂正してくださいね。ちなみに源氏物語の箒木からです。
7日の今日のお目覚のレスで夕顔から詩を借りてまいりまして、なんとなく源氏物語づいてしまいました。

サンダーソニア、華やかな色合いの花のはずなのに、なんとなく静けさを感じるのは私だけ?