夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

桃之夭夭

2024年04月21日 08時34分35秒 |  漢詩を長崎弁で

おいちゃん、昔から桃を何回か植えてみたんですけど、なぜかおいちゃんのところが気に食わないらしくってみんな家出しちゃって一本もないのですよ。

梅や桜よりももっと華やかで、おいちゃんの侘しい日常に添ってくれるのには一番相応しいと思うのですけど残念です。

桃之夭夭

灼灼其華

之子于帰

宜其室家

  詩経の「桃夭」の出だしです。このブログでも何度か使ったことがあると思います。

 

みずみずしか桃の花

花は華やか

この子嫁いで行く

いいお嫁さんになるじゃろね~

 

 

これを見ていると、何故桃がおいちゃんのところに居つかないのか分かる気がするんですけど、、、

哀しいですね~


胡蝶花

2024年04月19日 09時07分01秒 |  漢詩を長崎弁で

シャガ。 胡蝶花ともよばれていたような。

 

山園万緑夏陽深

胡蝶何求何処尋

。。。 

    螳螂

    明鏡

 

山園は緑に満ちて 深い夏の日が差し込んどる

蝶は何ば求めて、どこば訪ねるんじゃろか

 

先日の「漢詩を長崎弁で」は長崎弁が出てこんかったけん

今日は再挑戦たい

 


送君併得送春愁

2024年04月12日 22時30分59秒 |  漢詩を長崎弁で

遠汀斜日思悠悠

花払離觴柳払舟

江北江南芳草遍

送君併得送春愁

   送呂卿

   高啓

 

目ん前に広がる汀、沈んでいく夕日

別れの盃には花が降りかかり、柳の枝は舟にかかる

江の北にも南にも芳しい草が茂って

君を送っている私の心には春の悲しみも満ちてくる

 

今回は久しぶりのせいか、長崎弁がどうもでてこない。

まあ、ごめんなさいです。

 

 


今日も暖かい日

2022年03月05日 08時50分11秒 |  漢詩を長崎弁で

 

この前に、「暖かい日が続いている」ってアップしましたが、今日もまた暖かい日。ウインドウズに添付してくる天気予報では18度の予想。夜間に雨が降り、今も薄雲がかかっていますけど窓の外では柔らかい、温かい陽射しが降り注いでいます。

 

なんて、、、、ずっと以前に「ネクタイと天気の話しかしない」って書いたことがあるのを思い出しました、反省。。。

 

 

予報のごとく風が強いですね。

春一番になったのかしら?

 

亦道春風為我来    私んために春の風が吹いてきちょる、、、

      白居易   春風

 


遺愛寺鐘欹枕聴  香炉峰雪撥簾看   雪のいと高う降りたるを

2018年01月25日 18時47分34秒 |  漢詩を長崎弁で


我が家の傍には清水寺(たぶん京都の清水寺とは関係がない?)というのがあるんです。
なんでも、700年代の終わりか800年の初め頃に最澄がここに庵をむすんで、807年に円仁がこの地を訪れ千手観世音菩薩を刻んで安置したとされるお寺。元の本堂は同じ年に坂上田村麻呂が建立したといわれているらしい。
ここの鐘は毎日、枕を斜めにして耳をそばだてなくても聞こえてくるのですけど、



もう一つの雪の方はこちらは大変難しい。
なんせ真冬でも、陽射しがあって散歩が暑かったなんてところでありますからして。
でも、まったく降らないわけじゃないからと思っておりましたら、降りましたよ。
ここんとこの寒波、大雪でさすがに岬にも雪は降る、あなたは来ない、、、なんちゃって。
なら、御簾を上げて香炉峰の雪をって思いましたが、御簾なんて用意してないし、、、 
すだれなら夏に使ったのがあったんですけど、もうボロボロになっちゃったので捨てちゃったし。
まあ、「御簾を高く上げたれば笑はせたまふ」お方もいないのですよ。せいぜいふて寝しているチビ太がいるだけですからね~


遺愛寺鐘欹枕聴
香炉峰雪撥簾看
   
白居易ですよね。

遺愛寺の鐘は枕をずらして聞く
香炉峰の雪は簾を上げて見る

その前は

日は高くなって十分に眠ったんだけど、起きるのが面倒
部屋は小さいし、布団はたくさんかけているから寒くはない
 
でもって上の文句が続くのです。

近くの遺愛寺の鐘をきくのに、起きて聞くんじゃなくって、寝たまま、枕をずらして耳を出して聞く
香炉峰の雪を見るのにも、窓を開けて見るんじゃなくって、御簾を上げて、布団に入ったまま見る



まあ、どっちかというと、私の生活そのものですね~
食べることすら億劫、面倒くさくなってきたし、
チビ太がいなきゃ、外にも出ないで布団の中でミイラになっているかも



久しぶりに長崎弁でやりましょうか


日 高 睡 足 猶 慵 起
小 閣 重 衾 不 怕 寒
遺 愛 寺 鐘 欹 枕 聴
香 炉 峰 雪 撥 簾 看
匡 廬 便 是 逃 名 地
司 馬 仍 為 送 老 官
心 泰 身 寧 是 帰 処
故 郷 何 独 在 長 安
   香 炉 峰 下 新 卜 山 居 草 堂 初 成 偶 題 東 壁
   白居易


日は高く登って、もう十分に眠ったとばってん、まだ起きるのが億劫
小さな部屋で、布団をたくさんかけて寝ているので、ちいとも寒くないし
遺愛寺の鐘は枕をちょっとずらせば聞こえてくると
香炉峰の雪は布団から離れんとも、御簾を上げれば見えるじゃろ
ここは(匡廬、廬山のこと)名声だのなんだのって煩わしかとから逃げるには一番のところたい
司馬って仕事(白居易は左遷されて田舎の司馬という役職をもらっていた)は老人にはちょうどいい仕事
気持ちが落ち着いて、体も休まるところが、一番いい場所やろが
何も都ばかりが故郷じゃないけんね~


ついでに枕草子はというと、

雪のいと高う降りたるを
例ならず御格子まゐりて
炭櫃に火おこして
物語などしてあつまりさぶろうに
少納言よ 香炉峰の雪 いかならむ と仰せられれば
御簾を高く上げたれば、笑はせたまふ、、、
。。。
      枕草子 280




花咲く梅の木

2016年11月12日 20時36分53秒 |  漢詩を長崎弁で


岬の散歩道にもたくさんの梅の木が植えられています。
春には梅の香りが漂い、その中を歩くと疲れを忘れます。
梅は漢詩にはたくさん出てきますし、嫁さんにしたいくらいな人(あれ、嫁さんは鶴だったかな、なら梅はなんだったんだろう)もおりましたですね、、、分かんない?なら 山園小梅と林逋で検索をかけてみて)

  衆芳揺落独嬋妍
  占尽風情向小園
  、、、、
  、、、、

    花が散ってしもうた中に (梅だけは)艶やかに咲き誇ってるちゃ
    小さか庭の風情を独り占めして


(なに、柳もそげん人がおったって? それは別の機会にね)


日本では? 
日本でもたくさんありますよ。
道真の 「東風吹かば、、、」や 芭蕉の「春もやや景色整う月と梅」なんてのは代表作かな。
長崎生まれの私としては「春雨」(食べ物じゃないよ)が真っ先に思い浮かばれますけど。
知らん? 困ったな、前半を書いておきますね。

春雨にしっぽり濡るる鶯の
羽風に匂う梅が香や
花にたわむれ しおらしや
小鳥でさえも一筋に
ねぐら定めぬ
気は一つ
私や鶯 主は梅
、、、、
、、、、
  いや~、いいもんじゃの~って言っても、私が長崎にいた頃には芸者遊びなんぞできる歳じゃなかった、、、もう、記憶にも残らぬほどに大昔の話でありますよ。

絵画はというと、日本では一番親しまれているのは広重の「名所江戸百景亀戸梅屋舗」でしょうか。ゴッホの「花咲く梅の木」のもとになった絵ですね。




ところが、とても恥ずかしいことに子供のころから、梅の枝が浮世絵のように「上を向いて歩こう」って、上を向いているのは記憶になかったのですね。実家にも梅の木は何本もあって、家人は毎年梅干しづくりに励んでおりましたが、我が家のはほんらい観賞用に植えられた梅の成れの果てって(つまり、観賞用にもきちんと剪定をされていなかったんです)感じのもので、本格的に梅や梅の実を産品として扱つかうためのものではなかったので、あんな風じゃなかったのですね。

こちらに来て、散歩のコースの梅を見てみると、なるほど梅の枝はあんな風に剪定されるものなのだって合点がいきました。

いや~歳はとってみるもの、お前とは添ってみるもの、、、ですかね~

今晩あたりから寒波だそうです。 寒梅著花未

2016年01月07日 14時12分28秒 |  漢詩を長崎弁で


今晩あたりから寒くなるそうです。
とはいっても、平年並みに戻るというのが正確なんでしょうか。
こちらも遅ればせながら、梅の開花。散歩の途中で見つけました。
水戸の偕楽園ではだいぶ前に開花したそうですね。
気になって隣家の梅を再度チェックしてみましたら、白梅、紅梅ともに開花してました。





あらら、メールでコメントがつきました。
「寒梅は花をつけただろうか、まだだろうか」って、、、
王維の雑詩ですよね~
気がつかなきゃ読者の前で恥をかくところ(あぁ、気がつかないと思って、メールにしてくれたんですね)
よかったよかった。。。

君自故郷來
應知故郷事
来日綺窗前
寒梅著花未
  
  きみ、故郷より来る
  まさに、故郷のことを知るべし
  来日、綺窓のまえ
  寒梅、花を就けしや未だしや
    
    綺窗は女の人のいる部屋を飾っている窓、、、飾り窓、、、ちゃうちゃう、あれはアムステルダムでしょうに。
    寒梅は早咲きの梅だそうで、、


カテゴリーを漢詩を長崎弁でに代えて、長崎弁でやりましょうね、、、

うちん田舎から来らっしゃったと
なら、田舎んこと、知っとらっしゃるやろう、、
発たれる時、窓の前の
寒梅はもう咲いとったやろうか、まだやろうか

窓の中には王維の嫁さんがおらっしゃるとたい。嫁さん、元気にしちょるとかな~って暗に言っとるとたいね。


菊の花を摘んで

2014年11月01日 21時20分27秒 |  漢詩を長崎弁で


もう11月になりましたね。
今年もまた、神様たちの大宴会が開かれているのでしょうか。
ちょっとばかし風邪っぽい11月の始まりになりましたが、
まあ、がんばってまいりましょう。

陶淵明 飲酒 その五

  結廬在人境  
  而無車馬喧  
  問君何能爾  
  心遠地自偏 
 
  採菊東籬下  
  悠然見南山  
  山氣日夕佳  
  飛鳥相與還  

  此中有眞意  
  欲辨已忘言  


  廬を結んで人境に在り
  而も車馬の喧しき無し
  君に問ふ何ぞ能く爾るやと
  心遠ければ地自づから偏なり

  菊を採る東籬の下
  悠然として南山を見る
  山氣 日夕に佳く
  飛鳥 相與に還る
  
  此の中に眞意有り
  辨ぜんと欲して已に言を忘る

見事ですね~
陶さん、我家にきたことあるんでしょうか、
我が家の生活そのものじゃありませんか。



終の棲家を田舎に構えたとよ
仕事で訪ねてくる人なんか誰もおらん
なして、そげん生き方ができるとって聞かれるばってん
欲や得の生活から離れてみればどげんところにおっても、こげん生活たい

東の屋根の下にある菊の花を採って
ゆったりとした気持ちで南に広がる山を見れば
山の気配は朝も夕方もよか~
鳥は塒に向けて帰っていきよる

これこそ人間の本当の生き様たい
それを分かるごと説明ばしようとしたけど、そげんこともうどうでもよかよね






  

対雨  李白 

2013年10月01日 09時50分55秒 |  漢詩を長崎弁で


雨の日には、好きな本とお酒と煙草。これに限る。
  気になる人がいるよね、、何の本を読んでいるのかな~って。
李白の詩集でした。
たまたま開いたページが 対雨。
李白には珍しい雨の詩。



空庭織砕烟
  空庭 砕烟を織る
  がらんとした庭には靄が織りなしている

いいじゃん、いいじゃん、ちょうどぴったりの詩ね。

全文は

巻簾聊挙目
露湿草綿綿
古岫披雲毳
空庭織碎烟
水紅愁不起
風線重難牽
尽日扶犂叟
往来江樹前

簾を上げて目ばちょっと上げてみると
雨に濡れた草が面々と広がっとる
山の洞穴からは柔らかか雲がたなびいてきちょる
がらんとした庭には靄が織りなしとる
。。。

あとは意味を知りたければ、ググってみて。
李白の雨の詩はあまりないのですよ。だから検索をかけても意外と出て来ないかもしれないけど。そのときはごめんね。


なんて、おいちゃんは、なにやら精いっぱい気取っておりますけど、レンズのテストをしているだけなんだ。でも、こんな設定だったら、お酒はブランディでしょうに、おいちゃんに聞いたら、あったはずなんだけど、ブランディグラスが見つからないんだって。時間の多くを探しもので費やす。まあ、年寄りのごく一般的なパターンね。

テストは先日も撮っていた、AF Nikkor 35-105 f:3.5-4.5ね。
ただ、このレンズ、ピントがちょっと前に来る傾向があるみたいね。
今のAFでは、受光板のデータでピント合わせしているはずだから、ピントがずれるって言うのがよく分からないんですけどね、でも実際にそんなのあるんですよね。。

今日は重陽 九日龍山飲

2013年09月09日 06時37分05秒 |  漢詩を長崎弁で


今日は重陽、菊の節句ですね。
とはいっても、いつもブツブツ言っているように、陰暦の行事をそのまま今の日付にしてもあまり意味がない。陰暦の9月9日は、10月中旬(今年はその位ですよね)にあたりますから。我が家のベランダの菊なんて、まだ蕾もないですからね。
だから、今日のトップの写真は菊ではありませんので、悪しからず。
花屋に行けば年中出ている花ですけど、本来の重陽まで待てば、その辺の散歩道、菊だらけになっちゃうから。ただで盗める、、、

陰陽では奇数が陽。だから奇数の重なる日、1月1日、3月3日、5月5日、7月7日は重陽の節句。それぞれ、お正月、桃の節句、端午の節句、そして七夕。そのなかでも9は一桁の一番大きな陽の数字なので、重陽というと9月9日を指すようです。
陽の数字が重なるからおめでたい、お祝を、、、という風に普通はとられていますけど、それより前の時代には、陰陽では陽の数字はエネルギーの強い数。それが重なると、過ぎたものになるから不吉だって思われていたので、厄除けのお祭りだったらしいですね。

そんなことはさておき、菊酒をって思っても、これがまた難問。そもそも作り方も、菊の花びらを浸した水で酒をつくるとか、焼酎に菊を入れて数日したら煮沸して、、、なんてのから、梅酒と同じような作り方とか、菊の花びらに溜まった露をなんたらかんたらとか、さまざまあるんですよ。おまけに、どこかの料理屋さんに行けば、わけのわからない菊酒を出される。でも、そんなものに何万も出すなんて、どけちの私には文字通り、「酔狂」過ぎる。
それに、今すぐ用意できるものじゃない。(たしか金沢の方では加賀(白山?)菊酒なるものがあるのですけど、詳細は分かりません。ただここでいう菊酒とは違うのではと思うのですが、ご存知の方、コメントをください。現物をお送りくださっても、文句は言いませんし、、、)

李白ももちろん重陽そして菊酒のことを詠っています (この詩を詠ったころ、李白はお酒の飲み過ぎで体を悪くしているくらいですから)

九日龍山飲
 九日龍山飲  
 黄花笑逐臣  
 酔看風落帽  
 舞愛月留人  

九日 竜山に飲む
 九日 龍山に飲めば
 黄花 逐臣を笑う
 酔いては看る 風の帽を落すを
 舞いては愛す 月の人を留むるを

重陽の節句に龍山で飲んだと
 9日に龍山で飲んだと
(菊の)黄色な花びらが、役所を追い出されたわしを見て笑うとる
 酔っぱろうて見ると、風が帽子を吹き飛ばしとったり、、
 月が綺麗じゃけん、いつまでも踊っとった
 
9日=きゅうじつ
菊花=こうか
逐臣=首になった役人=李白のこと。 
当塗=役人を首になって、李白は当塗の知人の家に転がりこみました。龍山はその傍の山で李白は重陽にその山に登ったらしい。 
 

ちなみに、重陽の節句は2,3日かけてお祝いされたようですね。
李白にも「九月十日即時」という詩がありますが、これは。。。なんなんでしょうね、迎え酒の詩かな?