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夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

一枚の赤い葉っぱ

2012年08月26日 10時28分17秒 |  気になる詩、言葉


一枚の赤い葉に気をとられると、他の葉っぱは目に入らなくなるんです。
なんて、沢庵和尚は不動智神妙録で書いております。

これは和尚が柳生宗矩に書いたもの。

千手観音。手に持つ一つのもの、例えば弓に気をとられてしまえば、後の999本の手はお留守になる。手がいくつあっても無用な物になる。
全てのことに心を平らに対処すれば、たとえ敵がどこからかかって来ても大丈夫だよってことですね。

私のような凡人には理解不能ですけど。


>>
假令一本の木に向ふて其の内の赤き葉一つ見て居れば、残りの葉は見えぬなり。葉ひとつに目をかけづして、一本の木に何心もなく打ち向ひ候へば、数多の葉残らず目に見え候。葉一つに心をとられ候はば、残りの葉は見えず、一つに心を止めぬば、百千の葉みな見え申し候。是を得心したる人は、即ち千手千眼の観音にて候。
/>>
    こちらから引用させていただきました。
    

All's right with the world!

2012年08月22日 11時36分14秒 |  気になる詩、言葉


God's in his heaven,
All's right with the world!

あまりにも有名なロバート・ブラウニングのピッパの歌ですよね。

年は春
時は朝
朝は七時
片丘に露満ちて

The year's at the spring
And day's at the morn;
Morning's at seven;
The hill-side's dew-pearled;

で始まる詩。
このカテゴリーの中でも、それ以外でも私もよく使っています、
上田敏の名訳で知られていますが、
あるいは、赤毛のアンが最初に掲げたこの詩の終わりの二行で終わっていますのでそれでご存知の方もいらっしゃるかも。

平和で満ち足りていて、神様は天に在って、何事も起こらない、、、

まるでこのチビ太の顔そのものじゃないでしょうか。



ちなみに、赤毛のアンでは、物語の最初の題辞として、同じブラウニングのEVELYN HOPEの中からの二行を使っています。

The good stars met in your horoscope,
Made you of spirit, fire and dew

善き星はあなたの星座にあり
あなたは精と火と露から創られた

    (そう言えば、最近露をアップしておりましたな)


ところで最初のピッパの歌のピッパのことはまだご紹介していませんでしたね。
ピッパは北イタリアの女工さん。休みは一年に一度、一日だけ。イタリア版女工哀史ですな。そんななか、その一日の休みを貰ったピッパが、休みをフルに楽しもうと外に出て散歩するそんな時に口にする詩なのです。
おまけとして、これを見ていた悪人が、彼女のあまりの清純さに改心してしまうなんてのもついておりましたそうな。
この「ピッパが行く(Pippa Passes)」についてはオリジナルをご覧になりたい方はこちら
この「朝」の中でピッパの歌が聞こえるのですが、それがピッパの歌。全文があります。



ねぇ、チビ太、苦しみがあるから、楽しみも大きいのだよ。
お前みたいに、嫌な物はやらない、食べない、、、、
松阪牛食べたい、暑いの嫌だって、喚くんじゃない。
それじゃ、世の中楽しくないかもよ。







O Wandern, Wandern, meine Lust, o Wandern!

2012年07月07日 06時39分14秒 |  気になる詩、言葉


シューベルトの美しき水車小屋の娘の一節

O Wandern, Wandern, meine Lust, o Wandern!
Herr Meister und Frau Meisterin,
Laßt mich in Frieden weiterziehn und wandern.

  おお、さすらい、さすらい、僕の喜び、おおさすらい!
  親方さん、おかみさん
  僕を快く旅立たせてください、さすらわせてください!

  (詩と訳はこちらから借用しました)




この詩の冒頭の

Das Wandern ist des Müllers Lust, das Wandern! 
  さすらいは水車職人の喜びだ、さすらいは!

を、冬の旅の冒頭と勘違いして、探していたんです。
でも、冬の旅を思い出しても、このフレーズはない、はてどこでってことで検索をかけました。
かっては、好きな曲の一つだったのに、もう忘れが入り始めましたね。




はやく、こんなド田舎から出て、もっといろんな刺激のある町にでなきゃ。
あぁ、あのピンクのネオンに、お酒に、花、、、、
はやく、行きたい。。
おいちゃんは、どうせ先が長くないんだからこんなところでもいいだろうけど、
チビ太は、若いんだから、つまらなさすぎるよ。


白露もこぼさぬ萩のうねりかな

2012年07月02日 08時23分26秒 |  気になる詩、言葉


本来はもう少し後の時期の句なのだと思いますが、萩も花の咲くころになると、それほどしなやかな~とは思えないんですけど、今のこの時期の若葉をつけた萩は見るからにしなやかで、風を受けて躍動しているような、、、、

白露もこぼさぬ萩のうねりかな 
         芭蕉

ところで、この句、「白露を」ってかかれているのも多いですね。
以前住んでい巣鴨にある真性寺の句碑には
「志ら露も、、、」って書かれていますので、それをとりますね。



昼の月風は若葉の上にあり

2012年05月14日 06時35分23秒 |  気になる詩、言葉


昼の月 風は若葉の 上にあり
         正岡子規


昼の月、本来は季語は秋なんですね。
もちろん子規の詩はそんなのは超越しちゃっておりますので、関係ないと言えば関係ない。
だって、この写真みれば秋じゃなきゃダメなんていえなくなっちゃいますもんね。


ところで、月の手前の黄色。なんじゃろかとお悩みの方へ。
風車は相も変わらず親切なんでございますよ。




 


目に青葉 山ほととぎす 初鰹

2012年05月13日 16時06分51秒 |  気になる詩、言葉


目に青葉 山ほととぎす 初鰹
         山口素堂

一説によりますと、目には青葉だったそうですね。それが口調のいい目に青葉に変えられてきたって話があります。 

鰹は勝つ魚で、江戸時代には縁起がいいとされていたようです。初鰹を女房を質に入れても食するってのはその縁起にあやかりたいと言う気持ちがあったからなんだそうですよ。。。
でも、女房も貰えない男はどうするんでしょう??

目に青葉 山ほととぎす 初鰹
    食おうと思えど 質草なし
             もちろん風車





紫の斑の仏めく 著莪の花  高浜虚子

2012年04月24日 23時07分58秒 |  気になる詩、言葉


紫の斑の仏めく 著莪の花  
          高浜虚子

シャガが真っ盛りです。



崖の下、木々の下ばえなどに群生するシャガはとても見事。
近寄って、よくよく見るとけっこう派手な装いの花。
でも、遠くからはその純白さのみが目立ちます。



こういうのはリサイズするとつまらないですね。
トップの大きな画像はこちら

真ん中の画像はこちら

そして一番最後のはこちら


空蝉の羽に置く露の木隠れて   

2012年03月08日 11時32分40秒 |  気になる詩、言葉


空蝉の羽に置く露の木隠れて 
    忍び忍びに濡るる袖かな
          源氏物語 三帖 空蝉


何度か出てきました源氏物語ですね。
もともと貴族の出身の空蝉が、後見を失い下級官僚の下へ嫁ぐ。
光源氏と一夜をともにするけど、そんな自分の落ちぶれた環境を恥じて光源氏の再度の求めに応じない。ごうを煮やした光源氏が彼女の家に押し入ろうとするが、空蝉はそれを察して、薄絹一枚を残して逃げてしまう。
その時に光源氏が詠んだ詩が

空蝉の身をかへてける木のもとに 
    なお人がらのなつかしきかな


空蝉が光源氏を忍んで詠う詩が書かれています。

空蝉の羽に置く露の木隠れて
    忍び忍びに濡るる袖かな




ちなみに、十六帖でこのカップルは再開を果たしますけど、、、、
興味があるなら本を読んでね。




私は、厚着を脱いで、これから通院。
チビ太は留守番。
チビ太は私の人柄をしのんでくれるんじゃなくって、「餌くれ!」ですから源氏の世界と、現実は違いますね~

春のきる霞の衣ぬきをうすみ

2012年03月08日 09時18分39秒 |  気になる詩、言葉


春のきる霞の衣ぬきをうすみ
      山風にこそみだるべらなれ
         荏原行平
         古今集 1-23
  

春が着ている霞の衣は横糸が薄いので
山風に乱れているようだ

ぬき(緯、、、緯糸で横糸)
べらなり、、、~のようだ


ちなみに霞は春霞。他のシーズンでは霧ですよね。

春霞を薄絹に例える詩はけっこう多いですね。
いつぞやご紹介したラ・プリマベーラの三女神も薄絹でしたよね。
若い、可愛い子が薄絹を着ているのは、、、、なんてことは言いませんから。
     


こっちも好きな詩なのですけど

見渡せばこのもかのもにかけてけり
       まだぬきうすき春の衣を
             式子内親王


このもかのも、、、あちこち
ぬき、、、上で書きましたように緯=横糸

見渡してみるとあちこちに横糸の薄い春の衣をかけてある