宇都宮健児弁護士が、簡潔に分かりやすく説明されています。
https://www.youtube.com/watch?v=yxelcsDpWjQ
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前回はデンマークの認知症コーディネーターの話をしましたので、今回は認知症に関連して、薬を使わない“治療”についてお話しましょう。認知症を根治させる治療法はありません。しかし、関連する症状を和らげることができる治療法はあるのです。
認知症に対する治療法として、三つの柱があるとされています。▽薬物療法▽ケア▽非薬物療法――です。この中で、一般的に理解しやすいのが、薬物療法でしょう。病気を薬によって治療するというのは、まさに医療の基本ですから。しかし筆者は医師でないため、薬物療法の説明は他の方に譲ります。ただ、認知症を根治させる薬は現時点では存在しません。認知症のための薬は、認知症の種類や重症度によっても異なりますが、症状の進行をゆるやかにすることが主な効果となります。
次の治療法として、ケアが挙げられます。認知症の人は、日常生活に支障が出てケアが必要となっていることが多く、生活を支えるケアは欠かせません。十分なケアを受けて落ち着いた状態を保つことで、周辺症状と呼ばれる興奮、うつ、妄想、徘徊(はいかい)などの状態を和らげることができます。「症状を改善させる効果がある」という意味で、ケアも治療法といえるのです。
「ケアには無限の力があります」
知り合いの介護士はこう断言します。日常のケアには、薬にも匹敵する大きな意味があるのです。この言葉を裏付けしようとしている社会福祉法人を見学したことがあります。富裕層向けのサービス付き高齢者住宅を運営しており、駅から至近。部屋の広さにもよりますが、介護費なども含め、1カ月に70万円ぐらいの入居料がかかることもあります。社会福祉法人の理事長は「費用はかかりますが、できる限りの介護をすることで、介護の力を試したいと思いました」と事業を始めたきっかけを教えてくれました。将来的にはここで得た知識経験をもとに、一般的な費用でこうしたケアを実現できるようにしたいとも話していました。