池から見つかった魚

 大分県日田市の大原八幡宮の「放生池」で、約30年ぶりに水を抜いてきれいにする大がかりな清掃作業が始まった。ヘドロが堆積し、水質が悪化。嫌なにおいが発生し、清掃を求める声が上がっていた。八幡宮の「アイドル」だったオシドリの“失踪”もきっかけになった。

 橋本国房宮司などによると、池は八幡宮が約400年前に同地に移ってきたころからあるとみられる。ひょうたんのような形で、中央に橋が架かっている。広さ約150平方メートル、深さは約170センチ。

 ほとんど水が流れないことから落ち葉などがたまり、ヘドロとなって約30センチ堆積。池の中が見えなくなっているだけでなく、夏場を中心に嫌なにおいが参拝者らを悩ませていた。約3年前にはコイが数十匹死に、総代会からも清掃を求める声が上がっていたという。

 清掃を考え始めていたころ、八幡宮に居着いて人気を集めていたオシドリの姿が見えなくなった。橋本宮司は「きれいにすると戻ってくるかもしれない」と思い、決断を後押しした。

 作業は5日から始めた。水を抜き、7日は造園業者と神主らによって魚などを捕獲する作業が行われた。毎年仲秋祭(放生会)で放流するコイのほか、フナやカワムツ、外来種のブルーギルなど200〜300匹が見つかった。多くが捨てられたものとみられる。

 今後、1週間ほどヘドロを乾燥させ、重機で除去して水を入れ、コイを戻すという。橋本宮司は「生き物がすめない池ではいけない。きれいにして、市民らの憩いの場にしたい」と話している。 (鬼塚淳乃介)

 

池の外来種の魚は、今の日本への八幡様からのお知らせですね。