俳優の斎藤祐介さんが亡くなった。
と言われてもすぐには思い出せない人もいるかも知れない。
この独特の風貌にご記憶がないだろうか。
しゃくれた顎がとにかく印象的で
その演技も存在感も実に個性的な俳優さんだった。
と言われてもすぐには思い出せない人もいるかも知れない。
この独特の風貌にご記憶がないだろうか。
しゃくれた顎がとにかく印象的で
その演技も存在感も実に個性的な俳優さんだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/e4/6e15b75bde2b94f02db7da366f047ab9.png)
数々の映画やドラマで活躍されていて
最近はバラエティー番組などにも幅を広げておられた。
脇役と言えば脇役だったが
単なる脇役には収まり切れないようなスケールがあって
私は隠れた「斎藤さん」ファンだった。
忘れられないのは1970年代に山田太一さんの脚本で放送された
土曜ドラマシリーズ「男たちの旅路」である。
鶴田浩二さんや水谷豊の主演で
ガードマンたちの姿を通して現代の社会問題を描いた
NHKの人気ドラマだった。
脇役と言えば脇役だったが
単なる脇役には収まり切れないようなスケールがあって
私は隠れた「斎藤さん」ファンだった。
忘れられないのは1970年代に山田太一さんの脚本で放送された
土曜ドラマシリーズ「男たちの旅路」である。
鶴田浩二さんや水谷豊の主演で
ガードマンたちの姿を通して現代の社会問題を描いた
NHKの人気ドラマだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/31/d7a008e8861044b8d10b59381864c591.png)
その中の「車輪の一歩」という回に
斎藤祐介さんが出ておられて彼のデビュー作だった。
さまざま事情で身障者となった若者たちが
勇気を出して車椅子で社会に飛び出していくドラマだった。
人に迷惑をかけないという社会の最低限のルールに
あえて「迷惑をかけてもいいのでは」と
アンチテーゼを唱える山田さんらしい社会派ドラマで
評価も高かったしさまざな波紋も呼んだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/80/a4725b903c173eed06309d4ad92bc3ef.jpg)
障害者に対する差別や偏見と戦いながら
車椅子の若者たちは懸命に社会の中に飛び出して行く。
古尾谷正人や京本政樹の俳優陣に交じって
斎藤さんは新人とは思えぬ熱演だった。
最も「車椅子が似合う」俳優さんとして記憶に残っている。
ハンディを抱える人間の痛みを
誰よりも体現している存在感があったと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/60/d6a61d5ea2d6ef14553ce8f185ff2aad.jpg)
とりわけ印象的だったのは
健常者と同じようにポルノ映画を観てみたい・・・
トルコ風呂で女性の肌に触れてみたい・・・
という若者の健康的な性的欲求を正面から扱ったシーンで
ことごとく拒否され門前払いされた斎藤さんは
屈辱のあまり号泣してしまう。
その体当たりの演技は鬼気迫るものがあって
脇役をはるかに超える演技だった。
そんなシーンを懐かしく思い出しながら冥福を祈りたい。