ムンクもやって来るけれど
上野の森にはフェルメールもやって来ているらしい。
まさに芸術の秋である。
美術ファンはソワソワと落ち着かない秋である
前回、フェルメールを観たのはいつだったか。
もう忘れてしまったけれど
まあ、大変な人出で度肝を抜かれた覚えがある。
日本におけるフェルメール人気の凄さをあらためて思い知った。
なぜここまでフェルメールは人を魅了するのか。
一つ挙げるとすればやはりこの「静けさ」なんだろうと思う。
これは後期の傑作「手紙を書く婦人と召使」だが
何枚も手紙を書き捨てる夫人と
それをちょっと呆れたような表情で見つめる召使。
ふと目をやる窓辺からは午後の日差しがやわらかに降りそそぐ。
まるで人の部屋を盗み見ているような錯覚に陥る
静かでミステリアスで美しい絵である。
手紙の相手は恋人だろうか。
これだけ手紙を書きなぐるのは
なにか揉め事でもあるのだろうかと
果てしなく想像が広がるのは私だけだろうか。
床に打ち捨てられた手紙の数がさまざまなドラマを物語る。
神は細部に宿る・・と言うが
この絵は細部にさまざまな寓意や謎解きが施してあって
それをゆっくりとひも解くのも実に楽しい。
ただ、今回は日にち限定のチケットの売り出しだそうで
日曜日は人気で混むんだろうなあ・・・
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