まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

詩人になりたかった頃

2018年10月23日 | 日記

図書館で詩集を借りて来ました。
普段はやはり小説やエッセイの類が多いのですが
なぜか無性に詩集を読みたくなる時があって
昨日も閉館間ぎわに図書館に飛び込んで手あたり次第に借りました。
私は季節ごとの「詩集病」と呼んでいるのですが・・・

吉野弘、石垣りん、中桐雅夫・・・
詩人としてはいずれも有名な方ばかりですが
一般の人にはあまり馴染みがないかも知れませんねえ。
吉野弘さんは結婚式などでよく引用される「祝婚歌」の作者で
戦後の現代詩壇をリードされたお一人です。
ロック・ミュージシャンの浜田省吾や脚本家の山田太一さんが
心から敬愛してやまない詩人です。
もちろん私も好きな詩がいくつもありますねえ。

石垣りんさんは定年まで銀行にお勤めだったという
ちょっと異色の詩人かも知れません。
H氏賞や田村俊子賞など数々の詩壇の賞を受賞され
学校の教科書でもお馴染みですね。
この人の詩を読むと心がシャキッとするというのか
言葉の力を実感します。
石垣さんと交流が深かった茨木のり子の詩もいいですねえ。

中桐雅夫さんは読売の政治部記者の出身で
大学では英文学を教える傍ら詩人・翻訳家として活躍されました。
私たちがつい口にする「生きがい」という言葉は
本来「死にざま」から出た言葉で大嫌いだと憤慨しておられました。
先日、宮本輝のエッセイを読んでいたら中桐さんの詩が出て来て
その抒情の深さに思わず泣きそうになりました。

それだけでもう腹いっぱいでしたが
勢いついでに和合亮一さんの詩集も借りてしまいました。
福島県の高校教師をしておられましたが
2011年の東日本大震災では自らも被災され
それを契機にtwitterで「詩の礫」を発表し続け
大きな注目を浴び
ました。
原発事故の悲しみとや理不尽さを
これだけ美しい言葉で詠めるのは詩人ならではしょうねえ。

まだハナタレ小僧だった高校生の頃
私は恥ずかしげもなく「詩人」を夢見たことがあります。
その夢はライバルの同級生の出現で
彼の詩の素晴らしい一言一句の表現力に打ち負かされ
あえなく潰えてしままいました。
未だにシコシコと詩集のページをめくっているのは
半世紀以上も昔の夢をまだ諦めきれていないのでしょうか。
詩集は私の「見果てぬ夢」かも知れません。



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