失礼ながらまだご存命とは知らなかった。
旅行ジャーナリストとして一世を風靡した兼高かおるさんが
先頃、90歳で亡くなられたと言う。
その訃報を知った瞬間「ああ、懐かしいなあ!」と
不謹慎な感想を呟いてしまった。
かつて『兼高かおるの世界の旅』という番組があった。
確か1960年代に始まった紀行番組で
日本では海外旅行が自由化されて間もない頃ではなかったと思う。
巨大な旅客機が空を飛ぶ映像に番組のタイトルが重なり
否が応にも海外旅行への夢が高まった。
まだ飛行機にさえ乗ったことのない鼻たれ小僧の私も
大いに夢を掻き立てたものだった。
その割には番組の内容はよく覚えていないのだが
とにかく見たことのないような外国の風景や文物が次々と登場し
圧倒される思いだった記憶がある。
その番組の案内役、いまで言うリポーター役をされていたのが
兼高かおるさんだった。
何年か前に「徹子の部屋」に出ておられたのを覚えている。
番組で颯爽と海外を飛び回る兼高さんは
とにかくスタイルのいいとびっきりの美人だったが
お年を重ねられてからも常に上品な笑みを絶やさぬ美人だった。
訪れた国は170か国だったか180か国だったか・・
番組のリポーターはもちろんだが
プロデューサーからディレクターまで八面突飛の活躍だったと言う。
まさに「世界旅行の達人」にふさわしいキャリアだが
生涯独身だったと聞いてちょっと意外だった。
生涯、世界を飛び回りながら
旅を友とし、旅を伴侶とした人生だったのかも知れない。
日本では相変わらずの海外旅行ブームが続いているが
年間3000万人もの外国人が訪れる
日本ブームを兼高さんはどう感じておられただろうか。
映画「80日間世界一周」の音楽のオープニングでしたね。
芥川隆行さんが話し相手でしたね。ほんと、上品で、ほんものの教養人とはこういう人をいうのでしょうね。
ご冥福を祈ります。
私は文化人という言葉は大嫌いですが
格調高い「真の教養人」という言葉がこの人にはピッタリですね。
その教養人がいかに少なくなったことか。
本当に少年の梅を育てる旅番組かいかに少なくなったなったことか。
ついついボヤいてしまいます。