ああ、盆踊り

全国的に盆踊りの季節である。
日本中にどれだけ盆踊りの数があるのか知らないが
ここ数年はどこもかしこも中止の憂き目で
火が消えたような寂しさだった。
今年はその盆踊りの季節に再び活気が戻って来た。

 

 

盆踊りと言えば徳島の「阿波踊り」である。
数多ある盆踊りの中でも熱気や規模、躍動感においても
おそらく日本一の盆踊りかも知れない。。
連と呼ばれる踊り自慢の仲間やグループが数多く参加して
夜通しで踊りあかす様子は圧巻だ。
私も取材で何度か踊りの輪に加わったことがあるのだが
踊る阿呆に見る阿呆とは、本当によく言ったものだと思う。
テレビのニュースでその活気を見て
ついつい身体が動いてしまう私は祭り好きと言うより
無類の「踊り好き」なのかも知れない。

今年は郡上踊りも復活したと聞く。
阿波踊りとは対照的に情緒あふれる岐阜県郡上の盆踊り。

山紫水明の小京都として知られる郡上八幡は
清流・吉田川の畔に広がる古い城下町で
古きよき日本の原風景といった懐かしさに溢れている。
町内の布団屋の息子と友人だった私は
毎年のようにこの町を訪れては踊りの輪に加わったものだった。
お盆の三日間にわたって行われる名物の徹夜踊りは
哀調あふれる三味線の音色とともに忘れがたい思い出である。
ああ、日本人に生まれてよかったなあ・・・
しみじみ思う盆踊りの夏である。