まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

ひとりじめ

2022年06月29日 | 日記

妻から珍しく「読んでみる?」と聞かれたので
大した考えもなく手に取ってみた。
図書館に予約を入れてから一年以上も経つのよと妻。
余程の人気本らしいが知らない。
表紙の老婆らしいイラストにはKIKI KILINとある。
やはり女優の樹木希林さんのことらしい。

いわゆる「タレント本」である。
著者はあの浅田美代子。
アイドルタレントでデビューしその後ドラマや映画の世界へ。
笑顔の可愛らしい庶民的な女優さんだった。
彼女の出世作と言えばTBSの人気番組「時間ですよ」だ。
都内のお風呂屋さんが舞台のバラエティードラマで
毎回、堺正章と二人で銭湯の屋根上で歌うシーンが名物だった。
このドラマで共演したのが樹木希林さんである。
彼女が浅田美代子を気に入って可愛がっていた話は有名で
17歳でデビューして以来、46年間にわたって交流があったと言う。
長い年月、樹木希林を「ひとりじめ」して来たと綴る
まさに自伝的告白本なのである。
なかなかよく書かれていて文章も達者だし
出て来る数々のエピソードも興味深く読ませてもらった。
「時間ですよ」の演出家・久世光彦との交流も
最初の結婚相手である吉田拓郎との出会いも印象的だった。
中でもやはり心惹かれるのは芸能界一の個性派女優
樹木希林の知られざる素顔であった。

遊びをせんとや生まれけむ。
樹木希林のモットーであり座右の銘でもある。
その言葉通りに二人はありとあらゆる場所で邂逅を重ねる。
六本木のバーで、麻布のお気に入りレストランで
大好きなワインを傾けながら話は弾む。
誰にでもズバズバものを言う樹木希林の毒舌にハラハラしながらも
その強烈な個性の裏にある深い愛情に
グイグイ惹かれて行く浅田。
樹木希林もまた素直で飾らない性格の浅田の気性に
我が娘のような愛情を感じ始める。
生涯にわたって夫・内田裕也との別居婚を貫いた希林だが
彼の純粋さを生害に渡って見放さなかった愛情は
そのまま浅田に通じる思いでもあったのではないかと思う。
その内田も久世も希林もすでに闇の人となり
66歳の浅田は今日もかわらずボランティアに精を出す。

 


緑陰

2022年06月29日 | 日記

相変わらずの猛暑日。
仕事帰りに生ビールでもと思ったものの
なぜかぐっと我慢の子でした。
フラフラと夢遊病者のようにしてたどり着いたのが
公園のクスノキの大木の根元でした。

巨大な枝を茂らせた木陰は格好の避難場で
ベンチに腰を下ろすと気持ちいい風が吹き抜けます。
まさしく「緑陰に憩う」ですねえ。
夕方5時だと言うのに日は髙く空には入道雲。
この暑さはいつまで続くやら・・・
思いながらあの警備員の人のことを思い出していました。

わが職場マンションの前では
ちょうどビルの建設工事が行われているのですが
その現場に派遣されている警備員の方です。
私よりちょっと年かさでしょうか。
私が出勤する頃にはもう長袖の制服を着こんで
現場に立って忙しく働いておられます。
作業を手伝ったり大型ダンプカーを誘導したりと
休む間もなく立ち働いておられます。
私など汗をかいたらすぐエアコンきいた管理人室に避難するのですが
その方は日盛りの中で一日中立ちっぱなしです。
ここ数日はまさに灼熱地獄のようで
ああ、大変な仕事だなあとつくづく感心してしまいます。
こんな涼しい場所でサボっていては申し訳ない。
ましてやビールなんてとんでもない。
と私のせめてもの罪滅ぼし(?)の気持ちでした。
今日も昼間は40度越えとか。