まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

寂聴死す

2021年11月11日 | 日記
作家の瀬戸内寂聴さんが亡くなった。
99歳の大往生だったと言う。
50歳を過ぎて出家して仏門に帰依されてからも
数多くの作品を残しペンを握り続けられた。
書くために頭を丸めたと公言して憚らななかった。


私は寂聴さんに二度ほどお会いしている。
一度は嵯峨野の寂庵、二度目は京都東山のホテルだった。
いずれもテレビの対談番組だったと記憶するが
どんな番組だったか、対談相手が誰だったかが思い出せない。
寂聴さん以上に老耄の兆しが激しくて情けない。(笑)
あの凛としたお声も人懐こい笑顔も
とにかく可愛らしい人だったという印象しかない。
いくつになられても色気を感じさせる人で
スタッフに男前の男性がいれば
終始ニコニコと機嫌よく収録に応じていただけた。
私のような下世話な人間はどうしても作家・井上光春氏との
文壇の大スキャンダルを連想してしまうのだが
良くも悪くも「恋多き女性」だったのではなかろうか。
作風も人間のタイプも違うけれど
ともに源氏物語の口語訳に情熱を傾けられた
田辺聖子氏もすでに鬼籍に入られて寂しい限りである。


ローアングル

2021年11月11日 | 日記
公園のイチョウ並木を撮ってみた。
小津安二郎ばりのローアングルで撮ってみた。
わざわざ地面に這いつくばって撮った渾身の作である。
誰も見ていない時間を狙ってはみたが
なかなか起き上がれずに下校中の小学生に笑われた。



桜の花びらのようにハラハラと散って来る。
落花しきりという言葉があるが
花ではなく落ち葉は「落葉しきり」だろうか。
ローアングルの名手・小津安二郎は
日本を代表する映画監督であり我が敬愛する映画作家である。
先日もAmazonビデオで名作「秋刀魚の味」を
久しぶりに観て感慨を新たにした。
笠智衆の老演(?)に感嘆し岩下志麻の美しさに舌を巻いた。
失礼ながらこんな似たような話を次から次に撮って
世界を魅了する力量はまさに天才である。
何気ない日常を丁寧な心理描写とカメラワークで描いて
今なお人を飽きさせない新しさがある。
そう言えば今年はまだ秋刀魚を食ってないなあ・・と思った。