この絵を見たのは何年前だったか・・・
ギョッとして一瞬立ち尽くしてしまった覚えがある。
ベニヤ板にペインティングナイフで描かれた
その荒々しい筆致がまるで北海道の大地の思わせた。
何より未完成のままの絵だった。
ギョッとして一瞬立ち尽くしてしまった覚えがある。
ベニヤ板にペインティングナイフで描かれた
その荒々しい筆致がまるで北海道の大地の思わせた。
何より未完成のままの絵だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/e8/97c541bf24cdec286fd185f3e3a70c6a.jpg)
神田日勝の代表作「馬」である。
わずか35歳で亡くなった画家の遺作である。
まるで断ち切ったような馬の半身像。
北海道の代表的な農耕馬である道産子馬の独特の力強さは
画家が生涯を通して追い求めたモチーフだった。
本人は「農民画家」と呼ばれることを嫌ったそうだが
北海道の開拓地で農耕に従事しながら
汗と泥にまみれて絵筆を握り続けた短い生涯は
まさしく農民画家と呼ぶにふさわしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/fb/d2651e912f583d8f4a3cbff6d0363c3a.jpg)
数ある馬の絵も充分に魅力的だが
私はこの「室内風景」という作品に激しく心惹かれた。
一枚一枚の新聞がまるで画面に貼りつけられたような空間に
膝をかかえて座り込む作者と思しき青年。
具象と抽象が入り混じったような不思議な世界は
現代人の「孤独」や「苦悩」を見事に活写していて心を揺さぶられた。
担当する美術番組では代表作の「馬」を取り上げたが
私はむしろこの「室内風景」が好きだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/8e/718c551043e70a98f58d90c8b91271e2.jpg)
その神田日勝の作品が東京駅の
ステーションギャラリーにやってきていると言う。
没後50年を記念した遺作展だそうで
東京での展覧会は40年ぶりというから是非ものである。
ただ、この展覧会は完全予約制だそうで
果たしてまだチケットがあるのか大いに心配である。
仕事で日曜しか休みが取れないけれど
果たして日曜なんかにチケットが取れるのだろうか・・・